基本照明

特集 視覚コミュニケーション/展示会照明計画の基礎知識
照明基本3計画の内容

基本照明


(1)光を測る単位
・展示物、パネル等の基本照度注1)の確保

会場平均照度を上回るの照度の確保。主な国内展示場では 約700 lx以上

・内照展示物の輝度注2)と展示物の照度バランスの検証

内照展示物が明る過ぎることによる展示物の視認性の悪化を防止する

注1)「照度」とは、その光がある面積を照らすときの「面が受ける光の量」を表す単位。同じ光束の光では受ける面積が広くなると照度が下がる。

注2)「輝度」とは、その光が照らした面(や物)、あるいは光源そのものを「ある方向から見たときの輝き(反射光)の量」を表す単位。

・展示会場照度と展示物照度のバランスの検証

すべての展示物照度は基本的に会場平均照度を上回る必要があるが、現実的に費用対効果を考慮した場合の展示物照度の優先順位を決定。

 

(2)照度と物体の見え方/比視感度曲線

 

・光源の演色性注3)の検証

展示物をより美しく見せるには、展示物の物体色の再現性を高演色性の光源によって高めることができる。したがって、明るさのみに注視せず光源の分光分布が優れていることも重要。演色Raの高い光源を計画することで展示物をより美しくみせることとなる。

極端な例で一般電球とトンネル等に使用されているナトリウム灯の分光分布を比較すると、後者には青の光はほとんどない。そのため青や緑の物体色は黒ずんで見えることになる。したがって白色の蛍光灯よりも演色性AAA,Ra99の蛍光灯を使用した場合のほうが幅広い物体色の再現が可能となる。

 

(4)白色と演色AAA昼白色の比較

 

(5)光の色の現われ方
・色温度注4)の検証(単位K:ケルビン)

展示物のコンセプト、展示環境により判断する。

注3)光源となる光の中に各色の成分がバランスよく含まれているのかどうかを表すのが「演色性」。同じ色温度の光でもその光の中に含まれる色成分のバランスによって色は変わる。

注4)光の色を数値化して表現するのが「色温度」。色と温度には関係があり、光の色を温度として表す方法である。色温度が高いほど白色は青みがかり、低いほど赤みを帯びる。