地域と海外競技団体をつなぐ~スポーツ合宿誘致勉強会

物質的豊かさからワンステージの上の社会を目指すプラチナ研究所が10月2日、三菱総合研究所内の会議室で自治体文科会地方創生シリーズの第1回として「レガシー創造による地域の活性化―2020年オリンピック・パラリンピックの活用」を実施。第2部ではスポーツ合宿誘致勉強会として実施し、多数の自治体関係者が参加した。

勉強会の冒頭で、三菱総合研究所社会公共マネジメント研究本部主任研究員の西松照生氏が、同会の趣旨とスケジュールを発表した。

三菱総合研究所のほか、セレスポ、日本IBM、大成建設、流通経済大学、ラグビーワールドカップ2019組織委員会の関係者が中心メンバーとなって活動をはじめた同勉強会は、ラグビーワールドカップやオリンピックの日本開催を契機に高まっている事前合宿誘致活動について、その先進事例の研究や情報収集を関係者間で共有し活用すること、合宿を実施するチームと受入れ側のマッチングのしくみ構築を進めている。

会場では、セレスポでサステナブルイベント研究所所長を務める越川延明氏が、「近年のオリンピック・パラリンピックにおける合宿誘致~Beijing、 London、Rioの事例」をテーマに講演を行なった。

越川氏は合宿地の誘致のプロセスとして、1)現状把握、2)対象国・競技の選定、3)誘致方針検討、4)誘致活動、5)決定後の誘致活動の評価という5つのプロセスを説明。なかでも施設やアクセスなどの合宿資産や、経済、観光の振興などの目的と、人材・資金などの投入資源といった、現状把握という第1のプロセスがもっとも大切だとした。

具体的な事例として 日本全国80か所で行なわれたという北京五輪の事前合宿のなかから、6か国69人の選手役員の合宿を受け入れた香川県の取組みを紹介し、五輪以外のスポーツ大会での実績を活かした継続的取り組みの重要性を説明した。

また、ロンドン五輪の合宿地支援プログラムを紹介し、マッチングの仕組みづくりを示したほか、県や市にあたる複数の自治体や大学などとの連携が生んだ大きな成果に触れ、日本も同様な取組みが必要と自身の考えを述べた。

リオデジャネイロ五輪のマッチングシステムについては、ロンドン五輪のものを継承したものと説明し、日本ではさらに充実したマッチングシステムを構築し、五輪や他のスポーツイベントの合宿誘致を効果的に行なうという、勉強会の意気込みを明らかにした。

今後勉強会は、マッチングシステムと支援プロセスの構築を進めていく。第2回勉強会は11月5日に開催する。