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幕張メッセ展示場連絡通路建設

(株)幕張メッセ 施設課 君塚 昌弘

 幕張メッセでは、国際展示場1〜8ホールと9〜11ホールの施設を、2階レベルで市道を横断して結ぶ、屋根付の連絡通路を建設し、2009年3月に完成した。

連絡通路建設の目的

 幕張メッセの施設は、平成元年に国際展示場1〜8ホール、幕張イベントホール、国際会議場の各施設がオープンし、その後平成9年にII期施設として国際展示場9〜11ホール(北ホール)がオープンしました。
 I期施設とII期施設は、市道により分断されているため、両施設間の移動は2階エントランスデッキから隣地のメッセモール(公園)を経由する形で距離があり、経路も判りづらく、主催者や来場者に不便をきたしていました。
 このため、千葉県とも協議の上、展示場の指定管理者であり、国際会議場・イベントホールを所有・運営する当社が、両施設間の利便性向上を目的として、連絡通路を建設することになりました。

計画の基本方針

 計画を進めるにあたり、以下のような基本方針を定めました。

  1. 両施設エントランス間を、可能な限り最短距離で結ぶ。
  2. すべての経路に屋根を設け、雨天時の利便性向上を図る。
  3. 両施設の景観を損なわず、連続性のある意匠計画。
  4. 過度の装飾は省き、経済性を考慮した計画。
  5. イベント開催に支障の無い工事計画。

 この基本方針に基づき、設計は、既存両施設の設計者である槇総合計画事務所に委託しました。

 基本設計の段階で、社内で一番議論になったのが、屋根の仕様でした。屋根を軽くしてブリッジ部の基礎サイズを縮小した方がトータルで省コストになることと、デザイン性の面で、屋根は膜構造を選択しました。

 連絡通路は、両施設のデッキ上に設ける屋根付通路(シェルター)と、道路を横断してデッキ間を繋ぐ屋根付橋(ブリッジ)で構成されています。

事前協議がたいへん

 連絡通路は、ブリッジが道路上空で橋脚基礎が歩道にかかることもあり、事前の関係諸機関との協議がかなり煩雑でした。千葉市役所の多数の部署、警察、交通管制センター、消防、県企業庁、各インフラ事業者、etc…。

 当社社員の人脈をフル活用して、なるべく話がスムーズにいくようにしたのですが、特に、市道の歩道に基礎が入ってしまうことで、市役所の道路部局との協議にかなり時間を要しました。

着工までにいろいろと…

 一昨年の秋、鋼材などの建設資材が高騰を続けるなか、工事施工者を決める入札が不調になってしまい、設計内容と予定価格を見直して、2回目の入札でなんとか落札になりました。

 次に、姉歯事件の影響でただでさえ建築確認に時間がかかるところに、設計変更によってさらに確認申請手続きが遅れました。ちなみに、確認申請手数料は49万2000円(半年前なら1万5000円だったのに!)。

 さらに、本体工事着手前の試掘で、既存図面に記載のない埋設管が多数発見され、その切り回し工事を余儀なくされました。昔の図面は信用できないことはわかっていたのですが、改めて思い知らされました。

工事とイベントの調整

 工事の段階になると、イベントとの調整が必要になります。

 これは通常の修繕工事や設備点検でも気を使うところですが、本工事では調整が必要な範囲が通常より広くて期間が長いことから、非常に苦労したところです。

 最初に設置する現場事務所と作業ヤードの位置からして、計画段階でいろいろ検討のうえ決めていた場所を、イベントへの影響を考慮して工事直前に変更しました。

 現場仮囲いの位置も、工程が進むにつれて必要かつ最小限に盛り替えるのにプラスして、イベントの来場者動線が仮囲いと干渉するとなったらまた盛り替える。ときには植栽をカットして動線を確保する。仮囲いの形状変更は数え切れないほどです。

 あるイベントのとき、バスの増便に対応するため、敷地内バスロータリーの仮囲いを移動して車路を確保することになり、開催前日にバス会社の方が実際に通れるかバスをもってきて試走してくださいました。そのときは、カーブがきつい箇所を少し拡げて、走行に支障なしということになったのですが、翌日、試走時とは別の運転手が「もう少し広い方が良いと言うのでなんとかなりませんか」と言われてしまい、その日の開催終了後の夜にもう一度、拡幅作業をすることになりました。

 要望に対しては、「言われたこと以上に余裕をもって対応するべし!」。勉強になりました。施工者には苦笑いしながらも作業対応していただき感謝です。

 工事工程においても、イベントによって作業ができない日や時間帯が飛び飛びにあって、作業効率や経済性の面で施工者には苦労をかけました。

 また、工事によるイベントへの影響を、主催者側に説明して了解をいただくのは当社コンベンション事業部門の担当者ですが、工程が変更になることが多かったこともあり、たいへんだったと思います。

自分の役割

 私の所属は施設課で、施設の維持管理・修繕などの建築担当をしていますが、本工事のメインであるブリッジは建設的区分では土木です。一般の人から見れば同じようなものかもしれませんが、技術基準等も建築とは異なります。

 苦労することもありましたが、設計も工事監理もプロに委託していることもあり、振り返ってみると、なかなか経験できない工事を経験できました。特に、重機で大きな部材を組み上げる作業を見ていると、技術屋としては楽しくもありました。

 業務は、通常業務のほかに本工事の事前協議・入札事務・イベントとの調整など多岐にわたり多忙となりましたが、重機を使う作業や歩道上空の作業、夜間工事のときなどは、立ち会いました。安全確認と、万一のときにはすぐに対応できるようにするためです。

 最後になりましたが、工事期間中に幕張メッセをご利用いただいたお客さまには、たいへんご迷惑をおかけいたしまして誠に申し訳ありませんでした。

 また、主催者の皆様には、工事へのご理解、ご協力をいただきまして誠にありがとうございました。

 連絡通路の完成によって、より一層魅力のある施設となる幕張メッセを、皆様ぜひご利用ください!