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 環境を意識しながらコスト削減に取り組んできたサクラだが、これをさらに推し進めるための取り組みとして業界に先駆けて導入したのが、ICタグを使った商品管理システムである。
 サクラほどの物量を所有する企業にとって商品の在庫、出荷管理は
ある意味経営そのもの言ってもいい。システム部材を所有する会社の商品管理で、他の業界と大きく違うのは、出荷した商品が展示会の終了とともに返ってくることだ。保管しているシステム部材が倉庫のどこにどれだけあるのかはもちろんだが、どの会場にどれだけ納品し、それが出荷時と同じ状態で返ってきたかを管理しなければならない。出荷履歴が把握できないと、使用部材個々の利用回数にも偏りができ、気が付くと目の前には傷の入った商品が並んで、きれいなモノがどこにどれだけあるのかわからないという自体になりかねない。ひとつの商品に対して、在庫→出荷→納品→返却→再保管という過程を正確に管理しなければならないのだ。そこでサクラは業界に先駆け、これらの管理過程を自動化することを試みたのである。

 倉庫管理におけるサクラの課題を整理すると〈図2〉のようになる。システム部材を保有するディスプレイ会社や備品・AV機器等のレンタル会社なら、どこでも身に覚えのある問題だろう。展示会の戦争のような搬出入現場では、台車や脚立がなくなることはしょっちゅうで、春秋の繁忙期ともなれば、システム部材は倉庫に返ることなく次の現場へ直行ということも珍しくない。目の前の仕事をこなすだけでも精一杯というスタッフが、何人ものスタッフの手をわたる商品を手作業で管理することは、大変な労力を要する。






  〈図2〉サクラにおける資材管理の現状と課題





 今回サクラが導入したのは、シャープ製の“インテリタグ”を使用するRFID(無線自動識別)システム。商品データが記録された長さ86mmほどのインテリタグと、これに書き込まれたデータを読みとりPCに情報を転送するリーダライタで構成する。インテリタグは金属面に取り付けても通信が可能で、通信距離が長く(70cm〜2m)、データの書き換えができ、汚れにも強く、複数のタグを同時に読みとることができる、などの特徴をもつ。リーダライタが読み込んだデータは、インターネットを介した社内ネットワークによってサクラの各事業拠点に送られ、スタッフはいつでも商品や道具の所在をPC上で確認できる(〈次頁図3〉参照)。

 ちなみにJR貨物の導入事例では、約9万個のコンテナにタグを付け、コンテナの稼働効率を追跡しながら運用。その結果、7万個のコンテナでも充分に稼動できることが判明したという。ヒトの感覚ではとても掌握できなかった事実を小さなタグが明らかにしたのだ。