イベントにおけるリスクマネジメント考~前編~

リスクマネジメントの必要性
リスクマネジメントは企業経営や防衛の分野で議論されてきた。そのため、後発のイベント分野におけるリスクマネジメントの概念は確立していないが、東京五輪を2年後に控えて危機管理の視点からの提言が出始めている。例えば、大型スポーツイベントのリスクマネジメントについては「危機をできるだけ最小化し、安全で円滑な大会運営を実現していくためには、危機の事前対策としてのリスクマネジメントと実際に危機が発生した場合に事態に対処していくためのクライシスマネジメントの2種類の危機管理が重要となる」などの考え方である。

しかしイベントは、東京五輪のようなビッグプロジェクトばかりではない。そのため大山氏はイベント運営におけるリスクマネジメントとは、「効率を下げる重要項目をリスクとして扱い、予測、予防、対応、処理までの管理をしようというもの」と位置づけ、全国で生じたイベント関連の事故事例を整理している。

イベント関連の事故事例(国内)

「イベントの運営で100%事故が生じない方法はないかと思いますが、少しでもリスクをコントロールできるのであれば事故率は下がります。そのためにもまずは考えること。イベントに関わる危険要因を状況に応じて捉えていく。これがイベントを成功に導く近道ではないでしょうか」。

危険要因とは自然災害、人災、不法、テロなどの特殊要因という4分野を指す。これらを頭に入れてリスクの重要度を分析し、優先的に対応すべきリスクと、そうでないリスクに分類することで重み付けを行い、リスク管理の優先度を決定する。このようなプロセスを踏んで考えることができれば、どのようにリスクを回避できるかという戦略を立てることが可能となるのだ。

後編:リスク回避のための4つの戦略