【展示会インタビュー】「Gastech(ガステック)」日本初開催へ(2)

初のコンソーシアム方式を導入

以前から世界のエネルギー産業界は日本を一番有力な市場と見ていた。LNGの4割近くが日本で消費されているからだ。エネルギーを多く使う先進国を見てみると、アメリカやオーストラリア、カナダなどは自国にエネルギーを持っている。その点、日本はエネルギーをほぼ100%海外に依存していることから、世界一のバイヤーであることは間違いないだろう。2000年代前半、単独企業として世界で一番LNGを買っていたのは東京電力だ。その後、韓国ガス公社(KOGAS)に購買量を抜かれたが、2015年には東京電力と中部電力が共同でJERAを立ち上げる。これはエネルギー購買目的の会社で、単独でKOGASの購買量を抜いた。ほかにも東京ガスなど非常にLNGを消費する会社が多いので、売る側としてはぜひ日本でGastechを開催してほしいという要望があり、今回はそれに応えた形だ。

とは言え、日本での開催は容易ではなかった。今回、日本を代表するエネルギー企業10社により編成されるJapan Gastech Consortiumがホストとなって開催するが、これはGastech史上初のこと。今までホストはずっと1社で、前回のシンガポールではBGグループが、その前の韓国ではKOGASが務めた。冠スポンサーとなると結構な金額がかかるため、日本の感覚だと1社でできるものではない。2015年のシンガポールの時に次は日本でやろうという計画があったのだが、原発問題なども鑑みて先送りとなっていた。今回JERAを除く9社でスタートし、正式にJERAが立ち上がったことにより晴れてホスト10社で開催する運びとなった。面白いのがホスト10社すべてがバイヤーという点で、普通は売る側がやる。

次回はスペイン・バルセロナで開催するが、こちらもコンソーシアム方式が決定している。スペインも日本同様大きな国ではないのと、地理的に恵まれているため会社自体はたくさんあるが、1社でできるほど大きな力のあるスポンサーがいないという点から採用することになった。日本が打ち立てたコンソーシアム方式の功績によるものと言える。

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