【連載】営業活動を成功させ、安定的な売上を創出  == 第7回 商談(営業)活動の標準化 ==

【好評連載】営業活動を成功させ、安定的な売上を創出

~約500社の営業コンサルティング実績から成功法則を伝授~
(株)スリーシーズ 代表取締役 畑中康彦氏

◆第7回 商談(営業)活動の標準化

株式会社スリーシーズ 代表取締役の畑中康彦です。
第7回目のコラムは、「商談(営業)活動の標準化」についてです。

リード獲得策やリードナーチャリング策を強化し、商談数が増えたとしても、商談受注率が低ければ、顧客の獲得には繋がりません。一般的な商材においての商談受注率は、平均20%~25%と言われています。つまり、100件商談を行って受注出来るのは、20件~25件ということです。トップ営業は、この数字が30%を越え、新人営業は15%程度といったところです。

商談活動の標準化とは、トップ営業と新人営業の受注率を出来る限り均一化し、組織としての営業力を底上げしようという動きです。弊社のお客様によくあるケースをお話します。

営業が10名の組織で、トップ営業が2名、中堅が6名、新人が2名います。中堅と新人は、トップ営業がどのように商談を行っているかを知りません。中堅は新人の教育を担当しますが、それぞれが属人的な営業スタイルのため、「オレの背中を見て学べ!オレもそうやってきたのだから」と、具体的な売り方を教えてくれません。 このような組織では、中堅の受注率もバラつきが目立ち、新人は戦力化するまでに多くの時間を要します。

その状況を打開するために、トップ営業に協力を仰ぎ、どのように商談を進めるのかを可視化していきます。

トップ営業と言われる人たちは、感覚的な人が多いため、自分がどのように売っているのかを客観的に説明することは出来ません。 そのため、第三者がトップ営業の商談に張り付き、何度も商談を見る中で、売れるための共通項を探し、売れるための型にまとめる必要があります。

商談のアプローチでは何をしているのか?ヒアリングは何を聞いているのか?聞いた内容を元に、どのようなプレゼンを行っているのか?どのようなクロージングを行い、どのようなネクストアクションに繋げているのか?

商談の流れ=型をまとめたら、次に行うことは、営業ツールに落とし込む作業です。

我々は、その営業ツールのことを「アプローチブック」と呼んでいます。営業ツールのページをパラパラめくっていくと、アプローチができ、ヒアリングができ、プレゼンができ、クロージングができるものです。アプローチブックがあれば、営業メンバーは商談時に迷うことがなくなります。そして、お客様側も何を話され、何を聞かれているかが明確になります。

トップ営業の商談の流れやトーク内容を、他の営業が出来る限り再現できるようにすることこそが、商談(営業)活動の標準化であり、商談受注率を向上させる有効な手段なのです

 

<アーカイブス>
==第1回==  問題を特定し、一つずつ改善を
==第2回==  営業を仕組化する
==第3回==  営業の仕組化:成功事例から学ぶ
==第4回==  営業戦略:ターゲットの考え方
==第5回==  リード(顕在客)獲得
==第6回==  リードナーチャリング(見込客育成)

 

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プロフィール

畑中 康彦 (株)スリーシーズ代表取締役/ 顧客開拓研究家

慶応義塾大学法学部卒。
1999年リードエグジビションジャパン株式会社入社。IT系の国際見本市のプロデューサーとして、企画営業・来場者動員に従事。
2003年に営業コンサルティング分野で唯一の上場会社である、株式会社セレブリックスに入社。コンサルティング事業本部統括マネージャーとして、100社を超える顧客開拓プロジェクトを指揮。顧客3倍増など数々のプロジェクトで成功を収める。
2010年、営業ツール制作を軸とした「営業の仕組化」支援を行なう(株)スリーシーズを設立し、代表取締役に就任。
「営業の仕組化/標準化」「営業力の強化」「リードの育成」などのテーマで日々、クライアント企業に対して具体的な営業支援を提供している。

株式会社スリーシーズ http://www.salestool.jp/