展示会主催者を対象としたオンライン展示会に関するアンケート結果

ピーオーピーではリアル展示会(東京ビッグサイトや幕張メッセといった会場を借りて開催するもの)を主催する企業・団体を対象に、コロナ禍以降急伸を見せるオンライン展示会についてアンケート調査を行った。期間は2021年9月13日から10月7日までで、有効回答数は78件だった。

 

Q1.オンライン展示会(ハイブリッドを含む)を主催していますか

半数の主催者がオンライン展示会を開催している。コロナ禍において展示会を開催できない、あるいは規模縮小により従来の役割を発揮できない状況が続いており、オンライン展示会が重宝されているのが見て取れる。

 

→Q1で「いいえ」と答えた主催者

Q2.オンライン展示会に興味はありますか

Q3.今後オンライン展示会を主催する予定はありますか

オンライン展示会を主催していない主催者でも半数以上がオンライン展示会に興味を持っている。一方で、今後のオンライン展示会主催予定は13%にとどまっていることから、効果を見極めている主催者や、やりたくても方法が分からない主催者が一定数いることが分かる。また、オンラインに一切興味を抱かない主催者も少なからず存在し、特に食品系や機会工業系など、見たり触ったり食べたりすることが重要な展示会において顕著な傾向である。

 

→Q1で「はい」と答えた主催者

Q4.年間何本のオンライン展示会を主催していますか

ほとんどの主催者はこれまでリアルで開催してきた展示会をオンライン化しており、オンラインで新規に立ち上げるケースはまだ稀と言える。

 

Q5.オンライン展示会でメリットだと感じる点はどこですか(複数回答可)

好きな時間帯に来場できることがメリットだと考える主催者が最も多かった。地方や海外からの参加が容易であることを挙げる主催者も相当数いることから、これまでの展示会では忙しさや距離の問題でアプローチしきれきなかった層を巻き込めることがオンライン展示会最大の魅力と言えるだろう。その他の回答では「今まで呼べなかった講師を呼べる」などがあった。

 

Q6.オンライン展示会でデメリットだと感じる点はどこですか(複数回答可)

リアルに比べ熱気が生じづらく、商談につながりにくいと感じている主催者が大多数を占める。コミュニケーションの取りづらさも多くの主催者が実感しており、オンライン展示会はあくまでリアルの補完と位置付けるケースも多いようだ。また、成功例が少ないことから効率的な運用方法が分からず、マネタイズ面での課題を感じる主催者もそれなりにいる。その他の回答では「出展者の満足度が分かりづらい」「地域への経済波及効果が薄い」「体験型コンテンツの企画が立てにくい」といった意見があった。

 

Q7.オンライン展示会のプラットフォームは何を使用していますか

オンライン展示会のプラットフォームは自社開発という回答がやや多かった。他社製ではEventHub」や「meet × meet」などの回答があった。

 

Q8.オンライン展示会のプラットフォームに期待することは何ですか(複数回答可)

オンライン展示会のプラットフォームに対し使いやすさを求める主催者が最多で、次いで費用の安さが多かった。一方で見た目の綺麗さや3D空間を求める声はわずかだったことから、いまだ発展途上のオンライン展示会においてはクオリティを追求するよりも、まずは誰もが利用できる環境を整えたいという姿勢が見て取れる。その他の回答では「オフライン展示会と融合したシステム」「柔軟性」などがあった。

 

オンライン展示会で特に課題だと感じること(一例)
・ 出展者と来場者がつながりにくい
・ リアル展と比較しインパクトに欠ける
・ 動画配信環境が厳しかった
・ 出展者の視座で実来場が見にくい
・ GUIの摩耗(同一プラットフォームで複数の展示会を運用するため)
・ 信頼感など難しいものがある
・ 担当者のデジタルリテラシーの程度によって差が生まれてしまう
・ 来場者が姿として見えないため出展者側が出展メリットを感じにくい
・ 来場時間に制限がないため出展者側はオンタイムでの対応が難しい
・ 熟成しておらず企業が販路開拓に必要不可欠なツールとの意識が薄い
・ リアル展示会にはなかった業務が発生するため担当者の負担が増える
・ システム不具合発生時の対応
・ ブースに来た来場者の熱量が測りにくい
・ 検索結果等で表示される出展者以外が来場者の目に触れにくい