展示会ブースデザインの視点を取り入れた店舗「MIHON-ICHI」が誕生 SUPER PENGUINがプロデュース

3月18日、金沢フォーラスに新しい販売の形を提案する店舗「MIHON-ICHI」がオープンする。企画や設計、オープンまでをSUPER PENGUIN・竹村尚久代表取締役が手掛けた。オープン時は地元である石川県産の雑貨などを中心に販売するが、将来的には日本全国のクリエイターと協力し、発信の場として様々なチャレンジ商品を取り扱っていく予定だ。

「MIHON-ICHI」は、言葉の通り見本市をモチーフに展示会ブースの設計と考え方を取り込んだ手法「ミホンイチ形式」を採用した。展示会ブースは、実質1日で完成させることと、約2時間で撤去が可能であること、かつ3日間という限られた会期の中で結果を出せることが求められ、独自のノウハウが凝縮されている。同社はこれらのノウハウが、課題が山積する店舗の現状の打開策として大きな可能性を持つと考え、店舗設計と展示会業界のアイデアを融合させ「ミホンイチ形式」として新しい店舗の在り方を模索していく。
また、これまでの商空間は、店舗設計者によってしっかりと作り込む「実店舗」と、什器を簡単に並べて設置する「ポップアップ」という、主に2つの形式に分けられたが、この「ミホンイチ形式」では“ポップアップ以上、実店舗未満”という、双方の間のレベルで作り込みを行うものだ。

2021年10月に開催された「東京インターナショナル・ギフト・ショー」内の石川県ブースが今回の新店舗「MIHON-ICHI」の元となっており、ギフト・ショーで使用した展示台を再利用する。店舗内、壁際にある什器も展示会で使用したものを活かし、空間を構成する。そのほかの什器も必要最低限以上の作り込みは避け、簡素に製作した。一方で店舗のロゴはグラフィックデザイナーに依頼をし、一定以上のクオリティーを持たせることで、店舗全体での見映えを整えている。

アイデアの元となった石川県ブース

SUPER PENGUINは「短期間で施工する展示会専門の設営会社の力や、3日間で結果を出す展示会の集客手法など、展示会ブースが持つ長所を改めて見直し、商空間に取り入れることで新しい可能性が広がると考える。今回のプロジェクトをきっかけに、世間で商空間の新しい切り口を模索する流れができることを期待している」とコメントしている。