[座談会]映像会社バックオフィスの今/日本映像機材レンタル協会(JVRA)×ピーオーピー 合同企画


-仕事を円滑に進めるには「情報共有」-


占部 お仕事で特に心がけていることはありますか?

鈴木 難しいことを頼まれても、できないとは言わずに、代替案を出すように心がけていますね。

占部 代替案を提案してもらえるのは営業としては、とてもありがたいです。でもこうした対応にはある程度キャリアが必要ですよね。投げられた条件にのけ反ってしまうのではなく、一旦落ち着いて受け止めて、別の道を考える余裕がいるというか。

森川 こちらから他部署に無理なお願いするときは、相手の状況を把握してから申し訳ないという気持ちをもって伝えます。お互いの状況がわかった上で進めるのと、わからないまま進めるのとでは、仕事の進行と質に大きな差がつくと思っています。

占部 どんなに効率化ツールを導入しても、情報共有とコミュニケーションの大切さは変わりませんね。どうしてもアナログになってしまう部分はあるし、それはやっぱりイベントが水物だから。現場の入り時間や本番は常に動くものですよね。

野仲 機材の手配そのものがかなりアナログな調整が求められますよね。イベントによっては機材の動きについてスケジュールを組む担当に確認し、「帰り道で次の現場を通るからそこに機材を下ろしてほしい」といった提案をして、現場が少しでも効率的に動ける流れを作れるよう心がけています。

水野 自身の業務だけでなく、現場の効率性も考えるということですよね。機材を現場から倉庫を介さず、次のイベント会場に運ぶケースもあります。次の日も自分たちが同じ会場で仕事をする場合は、会場に機材をそのまま置かせてもらえるように交渉することもあります。少し特殊な処理ですね。

鈴木 機材の現場から現場への流用はコストの削減にはなりますが、トラブルが起きないように気を付けなくてはならないことはあります。事前に段取りをしていたときの内容から搬入出日時が変わっていて、機材が流用できなくなっていたとか。前日や配送の準備をしているときとかに「あれ、ないな」と気が付く。慌ててほかの現場から戻ってきた機材で組み直したり、型番を変えたりしてリカバリをしますが、アナログで調整したものは、つじつまがきちんと合うように慎重な確認が必要になります。

野仲 現場とバックオフィスで常に状況を把握し、すり合わせられているようにできたらいいですね。

占部 チャットや進捗確認のツールは、情報共有の観点でもとても有効ですよね。サポートする側にも状況や情報を細かくオープンにしてもらうことで、営業から機材を管理する倉庫、イベントの現場まで、仕事の流れがもっとスムーズになっていくと思います。