プリンス徳永氏がMICE推進の取組み語る(7/27)


東京YMCA国際ホテル専門学校で7月27日、宿屋塾のセミナーが行なわれ、「ホテリエが知っておくべきMICEの基礎」と題して、プリンスホテル執行役員の徳永清久氏が同ホテルのMICEへの取組みを紹介した。

徳永氏はホテルがMICEに取り組むメリットについて、早期に予約が入り未来を担保する、滞在期間が長い、社会的影響力の高いゲストによるイメージ向上、利用施設が多い、季節変動が少ない、景気に左右されずらい、地域活性化につながるなどの具体的な理由をあげた。

2009年からのPRINCE TOKYO MICE CITYの取組みについて、通常のBtoBのMICEの概念に加えて、パーソナルMICEという独自の概念を取り入れたMICEの周知推進活動を紹介。パーソナルMICEについて「MICEの本来的な意味からは外れていますが、多くの人を巻き込みために」と前置きした上で、M(メモリー)、I(インタレスティング/インスパイヤー)、C(コンフォタブル)、E(エンターテインメント/エンジョイ)という独自の定義を説明した。パーソナルMICEの提唱によって、マーケティングやセールス担当者だけでなく、料飲をはじめホテルで働くすべてのスタッフとMICEを共有することができ、さらに地元の祭りから西武グループの社内報、株主総会の資料にまでMICEが取り上げられるまでに浸透したという。

また、業界で大きな話題を呼んだ2010年4月20日の日本経済新聞見開き広告について、営業担当者が掲載紙持参ですべての顧客企業を回ったことで、経費回収に十分な売上げが上がったと説明。海外MICE商談会への参加についても、海外からのべ約1万室の受注と大きな成果をあげたという。MICEをキーワードにしたブランドの再構築が、ビジネス上大きなメリットを生むことを証明した。

現在も依然として日本のMICEが抱える課題は多いとしながらも、「何かが生まれる、何かが解決する、信頼関係が生まれるMICEが、ITの急速な普及によるコミュニケーション不足のソリューションとなり得る」とさらなる市場拡大への期待を明らかにした。