幅広い業界に貢献した清水卓治氏を偲ぶ[シミズオクト]

昨年12月13日に90歳で逝去したシミズオクト代表取締役会長・清水卓治氏を偲ぶ「清水卓治より感謝のお別れ会 ~Show Must Go On~」が2月26日、東京ドームシティ・プリズムホールで開催された。スポーツ業界や音楽・舞台業界、イベント運営関係者など、多方面から約1200名の参列者が集まり、故人を偲んだ。

清水氏は1934年、北海道札幌市に生まれ、舞台設営やイベント運営の分野で数十年にわたり活躍し、業界の発展に寄与した。故人がよく口にした言葉「Show Must Go On」は「全ての仕事を最後までやり遂げなければならない」という社員への応援の言葉であり、シミズオクトにとって大切な言葉として受け継がれている。

清水氏はスポーツ業界にも深く関わり、日本サッカー協会・相談役の川淵三郎氏は「Jリーグ創設時、6万人規模の国立競技場の警備をどうするかという大きな課題がありました。シミズオクトの協力により、安心して開幕戦を迎えることができました」と振り返る。日本相撲協会の八角信芳理事長も「会場運営のサポートだけでなく、ゴルフをご一緒させていただいたことがあり、その若々しい姿勢に刺激を受けました」と語った。

舞台演出の分野でも実績を残し、多くのアーティストや関係者と協力してきた。音楽プロデューサーの松任谷正隆氏は「シミズ舞台工芸(現シミズオクト)との付き合いは30年以上になります。数えきれないほどのステージを作っていただきました。苦難を乗り越えながら共に成長し、シミズオクトなしには考えられない歴史を歩んできました」とコメント。演歌歌手の北島三郎氏は「同じ北海道出身でもあり、舞台やコンサートなど、幾度となく支えていただいたことを思い出します」と話した。また、ステージデザインを手掛ける英・Stufish社からは「私たちとのコラボレーションは思い出深いものだった。素晴らしい会社を作り上げた清水会長の功績に敬意を払い、今後も関係を続けていけることを願っています」とのメッセージが届いた。

その後、献花が行われ、参加者は故人への最後の別れを惜しんだ。また東京ドームホテルでは「感謝の集い」が催され、故人との思い出を語り合うひとときとなった。

本会の設営や演出、運営はすべてシミズオクトが手掛け、会場には故人の愛用していた品々や生前の写真、華やかなフラワーディスプレイが並んだ。清水氏を偲ぶ場は、自ら育てた企業によって設えられ、故人の歩みが形となった空間が広がっていた。