万博会場、津波など災害への備えは?

大阪・関西万博の会場「夢洲」では、南海トラフ地震や津波、事故、感染症などのリスクに備え、総合的な安全対策が進められている。

2025年日本国際博覧会協会の資料から、その具体像を読み解く。

津波・地震への備え
夢洲の地盤は、南海トラフ巨大地震による最大クラスの津波を想定し、標高を5メートル以上かさ上げ。さらに、会場内の建物やアクセス道路(橋・トンネル)は耐震構造で整備されており、倒壊のリスクを最小限に抑えている。

備蓄物資と避難施設
会場内外に一時滞在施設を確保。水や食料など、3日分に相当する備蓄物資を配備し、災害発生時にも対応できる体制を構築している。内容は避難所と同等レベル。

常駐する緊急対応機関
大阪市消防局、大阪府警察、海上保安庁が会場内外に常駐。事故や災害の発生に備えて、24時間連携体制を敷いている。

セキュリティ体制
最大2,000人規模の警備隊を動員。入場ゲートでの手荷物検査、会場内の雑踏警備に加え、約600台の防犯カメラを活用。異常が発生すれば、即座に現場の警察官へ引き継ぐ仕組みを整備。

感染症・衛生管理
大阪市保健所の衛生部門が会場に常駐し、環境や食品衛生に関する立入検査を実施。大阪府域の感染症情報も収集し、会場での感染拡大防止に活用している。

帰宅支援と代替輸送
大阪府・大阪市と連携した情報提供体制を構築。必要に応じてヘリや船舶による代替輸送も行い、傷病者や要配慮者の移動手段を確保している。

医療対応と救護体制
会場内に診療所を3カ所設置。医師・看護師・救護隊が常駐し、急病や熱中症などに対応。緊急時には救急車で外部医療機関へ迅速に搬送する。また、会場内には150台以上のAEDを配置している。