【展示会レポート】台東区産業フェア2022 & 東京くらしのフェスティバル2022

10月13日と14日の両日、東京都立産業貿易センター台東館で「台東区産業フェア2022」「東京くらしのフェスティバル2022」が開催された。

「台東区産業フェア」は台東区内の主にものづくり分野に携わる中小企業が集まる展示商談会。

産業機器・業務用ケーブルのOEMを展開する桜木電子はこの展示会の常連だ。これまで銀行やアミューズメント企業との取引実績があり、今回の出展ではコロナ禍の需要を見込んだ抗菌ヘルスLANケーブルやペットなどのかじり防止LANケーブルなどを展示した。営業部の木村部長によると、今回の出展では複写機メーカーとの接触があり、今後営業を行っていくという。

紳士靴、ビジネスシューズのOEM生産を展開するたかしコーポレーションは昨年に引き続き2度目の出展で、オリジナルブランド「匠」を出展。革靴は台東区の地場産業であるが、匠は丈夫さはそのまま、スニーカーのような履き心地と軽さを実現している。クッション性にも秀でており、立ち仕事にも向いていることから近年の生産数は右肩上がりだという。同社の轟社長は「昨年、今年と服部台東区長にブースに立ち寄っていただいた。電子商取引(EC)関連事業者とのコンタクトもあり、今後の商談につながると感じている」と手ごたえを話す。

箱義桐箱店は明治元年に創業した桐箱の老舗だ。若い世代にはあまりなじみのない桐箱だが「逆に斬新で、新しさが受けている」と6代目社長の戸張氏は言う。近年では江戸切子など、高級品を贈答する際のケースなどにも用いられている。出展ブースではアクセサリーや小物を収容できる「komon-mon」や、84円切手を貼ればそのまま投函可能な「桐はがき」などを展示。桐箱文化をより身近に感じて欲しいという想いをPRした。

一風変わったところでは、墨田区のものづくりプロモーション事業である「すみだモダン」が出展。台東区と墨田区は姉妹都市であり、台東区が得意とするアパレル産業などとの相乗効果を狙った内容となった。

「東京くらしのフェスティバル」は東京都中小企業振興公社が主催する生活関連商品をテーマとした展示商談会。

木製、紙製の立体パズルを企画・販売するエーゾーンは木製立体パズルki-gu-mi、紙製立体パズルsi-gu-mi、日本の伝統柄をモチーフにした竹製の高級クラフトwa-gu-miを出展。同社では2022年8月に劇場版最新作『ONE PIECE FILM RED』が公開されたワンピースの関連シリーズである「Wooden Art ki-gu-mi レッド・フォース号」の販売を7月から開始しており、好調な売行を見せているという。また、日本の城や寺をモチーフにしたki-gu-miもプレゼントなどで強い人気を誇っているそうだ。

どこか気の抜けた愛らしいデザインが特徴の「みなかわねこ」は小皿や豆皿、2023年の干支であるうさぎの張り子などを展示。過去には「東京インターナショナル・ギフト・ショー」や百貨店などのポップアップショップにも出展をしており、徐々に人気に火がついてきている。特に人気なのが小皿や豆皿で、大福など和菓子を乗せるのに手ごろなサイズが人気の秘訣だという。

ハーブ専門店のカリス成城からはムーン&ハーブシリーズの新商品「ムーンソープ」が登場。植物由来の「色・香り・肌ざわり」にこだわっており、アミノ酸系のため低刺激かつ高い保湿性という肌に優しい石鹸だ。そのぷるぷるとした質感が特徴で、紫の「新月」はラベンダー、ベルガモット、レモン、ジュニパーベリー、ローズマリーが、黄色の「満月」はグレープフルーツ・ゼラニウム・ホーウッド・パチュリ・ライムが配合されている。9月の販売開始以来、ギフトなどで高い人気を誇っている。

プラスチック成形と金型の庄司電気は新規事業Laugh Makerからペットヘルスケア食器「La La Dish」を出展。正しい姿勢と早食い防止のため8段階で高さ調整な食器で、デザインにこだわっていることからインテリア性も高いのが特徴だ。過去には「産業交流展」、「東京インターナショナル・ギフト・ショー」、「インターペット」などの展示会にプロトタイプを出展し、完成品に近づけてきた。日本の材料、技術、工場によるオールメイド・イン・ジャパンの製品で、クラウドファンディングを経て今年10月末より販売を開始する予定。同社の庄司社長は「工業用製品を作っていた頃、なかなかお客様の笑顔を想像することができなかった。そこで立ち上げたのがLaugh Makerで、これまで実際に使っていただいたお客様の声がモチベーションになっている」と話す。