一般社団法人日本イベント産業振興協会(JACE)に加盟する12社が、業界共通の「カーボンカリキュレーター」開発に乗り出した。
企業ごとにバラバラだった算定方法や範囲を統一することで、同一基準による比較可能性と透明性を確保していく。
近年、イベント業界でも制作から運営、撤収・廃棄に至るまでの各工程におけるCO₂排出量を正確に算定する「カーボンカリキュレーター」に関する取り組みが活性化してきたが、計測に使用する材料や計測範囲の違いなどから、同じイベントであっても計測値に大きな差異が生じ、目標設定が曖昧になるというケースが見受けられていた。
こうした事象の解決に向けて一般社団法人日本イベント産業振興協会所属の有志が集まり、どの会社が計測しても、同じ算定結果が出る透明性の高いカーボンカリキュレーターを開発する運びとなった。
従来のカーボンカリキュレーターでは、素材に対する金額換算による算定方法を多く用いてきた。
しかし、より精度の高い算定、算定後の削減プラン検討のしやすさを高めるためには、重量換算など測定者によって変動しづらい算定方法を出来る限り採用したカーボンカリキュレーターが最適であるという考えのもと、株式会社博報堂プロダクツが開発した炭素測定オンラインプラットフォーム“SUSTAINABLE ENGINE CARBON SIMULATOR”をベースとし、新たなカーボンカリキュレーターの開発に取り組むことになったという。
サステナビリティ開示基準を満たすツールとして、イベント業界に携わるあらゆる人が利用できるよう、2025年度内のデモ版リリースを目標に開発を進めていく。