【幕張】千葉マリンスタジアム再整備へ 基本構想案を公表 2034年オープン目標

千葉市は22日、老朽化が進む千葉マリンスタジアムの再整備に関する「基本構想案(骨子)」を公表した。

新スタジアムは幕張メッセ駐車場跡地に屋外型で再構築される予定で、「海・風・空」を感じる“エンターテインメントスタジアム”として2034年の開業を目指す。

現スタジアムは1990年の開設から35年が経過。施設の老朽化や機能面の限界が課題となっていた。新構想では、プロ野球・千葉ロッテマリーンズの本拠地としての役割を継承しつつ、スポーツ観戦・文化イベント・防災機能などを融合し、市民が365日楽しめる「まちの社交場」を目指す。

建設予定地は、2023年に開業したJR幕張豊砂駅に近接し、大型商業施設や豊砂公園との連携によって、幕張新都心の回遊性や滞在性の向上を図る。

スタジアムの規模は約3万3千人収容を予定し、人工芝グラウンドや屋根付きの観客席、最新の映像・音響設備などが導入される予定。

事業費は、スタジアム本体に約600億円、周辺インフラ整備に約50億円の計650億円。千葉市は財政負担の軽減を図るため、民間資金や国庫補助金などと組み合わせた官民連携方式での整備を検討している。

今後は2025年8月に構想を正式策定し、その後事業協力者の公募、基本計画の策定へと進む。開業までは現スタジアムの使用を継続する方針だ。

千葉市は「新スタジアムを核に、幕張新都心を“未来都市”として再定義する大きな一歩」と位置づけ、若年層の呼び込みや地域活性化、シビックプライドの醸成を目指す。

※以下、「千葉マリンスタジアム再整備基本構想案(骨子)」より抜粋

新たなスタジアムには、市民利用が可能な公共施設としてのベース機能に加えて、民間事業者の投資による整備を想定した拡張機能を誘導することにより、365日楽しめるスタジアムの実現を目指す。

また、周辺の大規模商業施設との接続・連携による利便性・回遊性向上や歩車分離の観点から、2階レベルでの周遊デッキ整備を目指す。

幕張メッセ駐車場に新設する理由

•十分な敷地面積:
建設予定地として必要な約11haのまとまった敷地が確保できるため、多くの人が滞在・交流し、賑わいを創出できる機能も兼ね備えた365日楽しめるスタジアムの整備が可能となる

•交通アクセス:
JR幕張豊砂駅から500m程度の距離にあり、公共交通機関の利用を促進できることに加え、ウォーカブル(歩きたくなる)なまちづくりを推進できる

•周辺施設との連携:
近接する既存の大規模商業施設や豊砂公園などと連携することで、魅力的な拠点形成が可能となり、豊砂地区にとどまらない幕張新都心の新たな価値創出が期待できる

•まちのポテンシャル:
上記の条件を兼ね備えた幕張メッセ駐車場に新たなまちづくりの拠点となるスタジアムを再構築することで、新たなスタジアムを中心に多くの交流を生み、幕張新都心の活力を最大限に引き出すことができる

ドーム型ではなく屋外型スタジアムとする理由

•地域資源の活用・歴史の継承:
幕張新都心の地域資源(海が近く、潮風が心地よい、青空が広がる立地)や現スタジアムの歴史の継承の観点から、「海」「風」「空」を感じられる屋外型を選択

•コストメリット:
イニシャルコスト・ランニングコストの観点から、屋外型を選択

•イベント等での機能分担:
イベント等の誘致において、幕張メッセやBリーグ・アルティーリ千葉新アリーナ(県立幕張海浜公園Aブロック内に検討中)との棲み分けの観点から、屋外型を選択

 

2025年8月 基本構想の策定
2025~2026年頃 事業協力者の募集・決定、基本計画の検討、事業実施の判断
2027~2033年頃 事業者選定、基本設計、実施設計、建設工事
2034年頃 開業