【EventBiz特集】
ごみを「拾ってキレイ」にする時代は終わった!?
~あるボランティア団体が仕掛ける「拾わなくてもキレイ」にする仕組みとは~

◆出るごみを最小限にするために

図濱中氏は取り組むべき課題もまだまだ多いと語る。

プロジェクトでは「出たごみへの対策はもちろんだが、出るごみを減らすことが重要」という考えから、マイ食器の持参やリユース食器の使用を推奨している。これらはすでに、この考えに賛同したアーティストのライブイベントなど、さまざまなイベントで導入され多くの実績を残している。

写真B
ペットボトルのラベルをはがす来場者。スタッフでなく、捨てる人が自らの手で分別を行なう

膨大な食器の数に対応するための設備やシステム等が追い付いていないこともあり、食イベントでの実績はまだまだだが、今後は設備やシステムの充実を図り、活用の幅を広げる見込みだ。また、食イベントではトレーなどの容器ごみだけでなく、食べ残しなどを含む生ごみも大量に処理しなければならない。レストランなど、継続的にごみが出る場合は集荷ルートが確保されているが、イベント開催時の短期間のみで回収を依頼するとコストがより大きくなってしまう。生ごみ堆肥や飼料として処理するなどリサイクルの方法はあるため、イベント時の分別とその回収をいかに効率的にするかが課題という。

現在、このリユース食器の導入と生ごみの処理を目下の課題として挙げ、改善策を模索しているNPOipledge。今後もさまざまな問題と向き合い、環境に配慮しながらもイベントに来る人が楽しむことができるアイデアを作り出していくだろう。イベントのジャンルを問わず活かすことのできるこの取り組みや姿勢は、より高い環境意識が問われる昨今、目が離せないものとなった。

⇒リユース食器に関する記事はこちら

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表紙

→この企画は季刊誌「EventBiz(イベントビズ) Vol.3」より抜粋

そのほか、イベント現場におけるトイレ事情や、ユニットハウスやキッチンカーを使った出店状況の変化などにフォーカスしてます。