【P O P 交流フォーラム】ビジュアル&ライティング特集①-2

イベント関係者のための4つのキーワード

では、イベント関係者はどのような映像を作ればいいのだろう。キーワードとして挙げられるものが「インタラクティブ」と「没入感」だ。360度の映像とゴーグルを使いインタラクティブと同時に没入感を味わえる体験型コンテンツなどはイベントにおいて非常に人気を博している。また、映像の配信だけでなくいかに動いているものにセンサーを使って追従、戻すかという観点から「センシング」、単純にモニターを動かすだけでも面白味を得られる「メカトロニクス」というキーワードが浮上する。これらは展示会においても要望の多いキーワードだが、頼むべき企業を挙げるとなるとパッとは出てこないのが現状であるため、挑戦する価値はあるだろう。

P5 鷲さん

「予定調和」や「開発者の想定」を裏切ることが大切

 映像には画面の中のコンテンツを作るのみならず、既存の技術と組み合わせ、新しい体験をもたらすことが求められている。展示会業界では「見本市」から「販売促進イベント」への意識が高まっており、音楽業界ではCDの販売減に反比例して公演数・ライブ動員数が増えている。これらはインターネットヘの「慣れ」や「飽き」に伴い、リアルな体験の重要性が改めて見直されていることに他ならない。

キッザニアの創業者ハビエル・ロペス氏によると、人間は一般的に読んだものは10%ぐらいしか覚えていられないのに対し、実際に自分で体験したことは90%を覚えていられるという。これからは「空間をつくる」から「体験をつくる」ことが重要となり、音や光、映像の役割はさらに大きくなっていく。その際に必要なのは最先端テクノロジーや多くのお金や時間ではなく、誰も予想しなかったところに飛び出してくるような「遊びごころ」だ。平凡×平凡は新しいかもしれなく、ベタ×ベタは新ジャンルかもしれない。顧客の要求に応えることは当然であり、その先の満足や感動を生むためには「予定調和」や「開発者の想定」を裏切らなくてはいけない。そして新たなアイデアを生むためには所属する「会社」や「業界」を超えた発想やコミュニケーションが必要である。

今、アイデアと技術を通して、「新しい体験」をプロデュースする集団が必要とされている。映像がモニターの枠を飛び越えたように、常識のフレームを壊し世界を驚かせてほしい。

 

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