【展示会インタビュー】「Gastech(ガステック)」日本初開催へ

グローバル天然ガス・液化天然ガス(LNG)サプライチェーンなどエネルギー関係者に向けた最先端国際イベント「Gastech Japan 2017」が幕張メッセで4月4日から7日まで開催される。1972年以来世界各地で展開されており、29回目となる今回初めて日本で開催する。イベントの魅力について、運営を担当するディーエムジー・イベンツ・エナジー・ジャパンの古谷充弘カントリーマネージャーに話を伺った。

業界のための業界によるイベント

古谷 充弘 氏

Gastechは今年47年目を迎える。元々はイギリス新聞社の事業部門が始めたもので、当初は海まわりの天然ガスシッピングなど、技術寄りのカンファレンスが中心だった。現在ではコマーシャル寄りのビジネスからトレード、開発、テクニカル寄りの処理や運搬方法などのカンファレンスと展示会で構成されている。

今は世界に3つ大きな天然ガスの国際会議があり、ひとつは「世界ガス会議」。通称WGCだ。もうひとつが「国際LNG会議」。これら2つの会議は3年に1度の開催で、どちらかというと政治色が強く、世界各地で展開している。対してGastechは民間寄りで、比較的政治から離れた位置づけ。業界のための業界によるイベントという立ち位置で18カ月ごとに開催しているが、オーガナイザーがイベントの運営会社であるため、毎回コンテンツを改良しながら業界と一丸になり取り組んでいる点が特徴と言える。

18カ月ごとに開催していると言ったが、これは天然ガス・エネルギー業界が長いスパンで物事が進んでいくためだ。まずどの辺にガスがあるかを調査し、穴を掘る。見つけた後はファイナンス、法律的処理、製造、精製、不純物の除去と続く。積み込みの船を開先する基地も必要だし、ビジネスのスパンとしては20~30年ほどになる。その間に需要地が変わってしまうこともあり、近年の代表的な例としては北米がエネルギー輸入国から輸出国に変わったという大きな変化が挙げられる。

日本は欧米諸国とは異なり、原油価格の変動などに敏感なビジネスパーソンは少ない傾向にある。経済界では電気やガスの自由化などは話題になるものの、エネルギー問題の上流を語る人はほとんどいないだろう。そのため、Gastechが世間を騒がせるということはあまり感じられないかもしれないが、名実ともに世界のエネルギー機関・関連企業のトップが一堂に集まる国際会議と言える。

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