展示会で成功する 出展戦略 にぎわいブースから学ぶ 商品魅力の伝え方~前半

出展側のモチベーション

展示会担当者の出展に対する姿勢も、大きく集客力を左右する。展示会の出展担当者の態度を見ていれば明らかだが〝絶対に成功させたい〞という強い意思をもった担当者もいれば、〝会社に言われたから仕方なく〞というモチベーションの低い担当者もいる。後者のようなネガティブなモチベーションは、展示会の成功を妨げる障害になっているケースも多く、来場者目線を徹底するためには担当者自身が必ず成功へ導くという姿勢が欠かせない。
また、担当者がどんなに強い決意を固めていても、会社や上司にその意思が薄い場合もあり、出展ブースのコンセプトがブレてしまうことも多々あるという。

竹村氏は「展示会に出展しようと決めた社長や担当者など、展示会出展のリーダーとなる人が成功させたいという強く明確な意志を持ち、部下やスタッフ、チーム全員に伝え続けることが重要です」と説く。

 

事前準備としてできること

小間位置から分析

「小間位置が決定したら、まずは小間位置図を広げて会場全体を俯瞰して眺めてもらいたい。大手のブースはどこにあるか、人がどの方向から流れてくるのか、あらゆる位置から自分のブースがどのように見えるかを分析することが必要です」(竹村氏)。

 

 

 

 

小間位置とブースのデザインは深い関係にある。展示会場は広く、自分の出展小間の位置を把握することで、効果的な演出が可能になる。例えば、同じ2小間のスペースだったとしても、入り口付近と通路の途中では、キャッチコピーを書く位置など、ブースのつくり方が全く異なってくるのだ。

 

前方の梁からブースを照らしたデザイン

照明の考え方

現在、ブースの照明は商品を置いている壁の真上に照明器具を取り付けて、壁下にある商品を照らす方法が一般的には多い。しかし、この照明方法は壁の上部分しか照らされず、肝心の商品や壁の下部分が暗くなってしまう。そこで竹村氏は、手前のパラペット(ブース前方上部の梁)から壁を照らす照明方法を指導している。

「出展者にはまず、白い光と黄色い光のどちらを使うのか考えてもらいます。照明は色と強さが基本の要素であり、器具の単価に関わってくるからです。同時に光の当て方を指導しています。原則として、来場者が商材を見ている方向と同じ方向から光を当てること、さらには上から床を照らすのではなく、手前から壁を照らすのがコツ。壁を明るくすると空間が広く見えるんです」。以前は建築やインテリアデザインを請け負っていた同社の独特な来歴が生み出した、特有のノウハウといえる。

 

見本市展示会通信」788号より抜粋(2018年10月15日発行)

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