【寄稿】国際博覧会を語る MICE・展示会業界にとってのビジネス・チャンスとは 桜井 悌司 氏_後編

5) 主催国のテーマ・パビリオンへのアプローチ
上述のように、国際博覧会には、テーマ及びサブ・テーマが設定される。主催国・主催国の博覧会公社は、テーマに基づき、テーマ館を、通常、複数建設する。パビリオンを建設・運営する主体は、ケースバイケースであるが、想定される主体は、①博覧会公社が主体となる、②博覧会公社が選定する第三者組織(例えば、広告代理店、イベント主催者、イベント・プロデューサー組織等)となろう。

いずれにせよ、国・博覧会公社の指導・イニシアティブの元で準備が進められる。テーマ・パビリオンのコンセプトを考える総合プロデューサーの存在も関わってくる。形態によって異なるが、MICE・展示会関係企業は、下請け的な仕事の受注になろう。

6) 主催国の県・市のパビリオンへのアプローチ
主催地の府や都市もパビリオンをつくることになる。想定される建設・運営の主体は、府ないしは市当局が選定する第三者組織(例えば、広告代理店、イベント主催者、イベント・プロデューサー組織等)が、府・市の指導の下に準備が進められる。府や市のパビリオンにコンセプトを考える総合プロデューサーがどのように関わってくるかについても重要なポイントである。
ここでも形態によって異なるが、MICE・展示会関係企業は、下請け的な仕事の受注になろう。

7) 企業・NGOパビリオンへのアプローチ
企業によって、万博出展の経験に差があると思われるが、通常、企業は自分自身でパビリオンの建設・運営をするケースは少なく、通常、企業の取引先である大手広告代理店を選定することが多い。
従来、大手広告代理店がやっていたことをMICE・展示会の主催者が取って代わることができれば、一歩前進であろう。

8) レストラン・売店等コンセッションへのアプローチ
レストランや売店もクライアントになり得る存在である。ただ、既存の取引先のディスプレー業者を持っている可能性が高いと推測される。