【特別座談会】展示会の人材不足について考える ~現状と2020年以降_#3


■増え続ける〝箱〟と対策

――2020年以降、オリンピックが終了し、関東圏では東京ビッグサイトやパシフィコ横浜の増床に加え、Gメッセ群馬の開館など、展示会場の面積がさらに広がります。それによりさらに人手不足が進む可能性がありますが、対策などどのように考えていますか

福原 今の人がいない状態のまま会場や展示会の本数が増加すれば、おそらく業界全体が機能しなくなってしまうでしょう。自社のことだけを考えれば、できる仕事を選びとっていけば済む話ですが、業界の将来を考えると決して良い策ではありません。

ひとえに施工をするといっても、ただ30人集めれば施工ができるわけではなく、知識やノウハウ、技術を持った人が一定数いることで、はじめて決められた時間内に施工が完了します。この形態を崩さざる得ない場合は、主催者や会場の理解を得て、作業時間を長くしてもらうなどの対処が必要不可欠です。例えば、設営時間を今まで8時間でこなしていたものを、人が減った際には2日間に延長するなどの対応をしてもらわなければ、今まで通りの質で仕事を提供することはできません。今後はただ人を集めるだけではなく、条件や環境から変えていかなければ、業務を続けていくことは非常に難しいと感じています。

津久田 昔はよく現場に来るアルバイトの人材が、そのまま社員になるケースが多かったのですが、今ではそれだけでは全く人が足りず、広告の利用のほかにも企業側から積極的に働きかけなければ良い人材は集まりません。就職博などにも参加して、自らブースを出展するなどして若い人たちを集めるようにしています。

また、国内の人材だけだと限りがありますので、海外の人材の採用などを視野に入れる必要があると考えています。特に2021年以降は、度重なる増床に備えるつもりとはいえ、資材は購入すれば済みますが人材は資材と同じようにはいきません。知識やノウハウを持っている人材をどう見つけ、またクオリティを高めていくか頭を悩ませています。

戸村 各施設で展示会が同時開催される場合に、オペレーター、スタッフがまかないきれるかどうかが難しいところですね。ですが、展示会ブースの一つひとつに対するお金の掛け方が、減ってきています。ITバブルの頃までは高価で大型な映像ハードを使用したブースが多かったのですが、最近では減っている印象があります。一概には言えませんが、大型ブースがたくさんあればあるほど当社としては負荷が大きく、中小ブースが多いほうが、熟練作業員がさほど要らない傾向があります。

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