当然のことだが、私たちが参加したのは“展示会”であるから、他の出展者のほとんどはメインが商品展示で、これをデモすることで来場者とのきっかけをつくっている。しかし、私たちのブースでは、来場者は明らかにコンテンツに導かれていた。
来場者が足を止める。近くでメッシュを確認し、その後離れてCGに見入っている。座り込んで見ている人もいる。映像が消えると同時に、いっせいに人が動く。まさに私たちが期待していた光景である。エンターテインメントの本場で、私たちのつくる空間に多くのプロたちが共感してくれたことは、これからの仕事に大きな自信となることをスタッフの誰もが感じていると思う。
また、この好評を受けて、ESTAが主宰するアワードでイメージメッシュが“Promising Prototype賞”を受賞した。これは「これから大きな活躍が期待できる製品」に与えられる賞で、イメージメッシュの可能性が米国市場に認められた証と言える。受賞したのはあくまで商品であるが、これに表現したコンテンツがあってこその受賞と受け止めている。私たちと似たような製品がなかったわけでもないが、KAPAS?Uとイメージメッシュという装置が実現する“空間”を実際につくって見せている点が、他社ブースと大きく違った。
私たちは徹底的に“コンテンツ”にこだわった。スタッフのイマジネーションとオペレーション能力こそ、コマデンの核であり、存在意義だからだ。確かにKAPAS?Uやイメージメッシュは、透過性のあるLEDディスプレイというオリジナル性、汎用性や機動力に優れている点などで高い評価をいただいている。しかし、これとて私たちが、自分たちの表現力を存分に発揮できるハードウエアをもとめて開発した道具に過ぎない。クライアントに買っていただきたいのは、この製品ではなく、私たちの表現力なのだ。
「こんな空間はおもしろいだろ?」
というコマデンの投げかけは、アメリカの人々に確かに受け入れられたという実感があった。“製品展示”をコンセプトから外し、表現力を訴え、私たちの仕事そのものが認められたことが何よりも嬉しい。日本で、現場で私たちを支えてくれたすべての人に心から感謝したい。
私にとっても、コマデンにとっても、大変充実したLDI出展であった。しかし、そんな余韻に浸る間もなく、いつもの日常、戦場のような現場が待っている。ただ、自分の世界が拡がったことを実感しながら過ごしている。
(初出:ピーオーピー発行『季刊 展示会レポート』vol.34−2006春号−)
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