

株式会社大塚商会が主催するIT展示会「実践ソリューションフェア2026」が2026年2月に開催された。東京・大阪の両会場合わせて1万人以上を動員する本イベントは、今年、大きな転換点を迎えた。
それは、長年運用してきた基幹システムの全面リプレイスである。パートナーとして選ばれたのは、イベント管理プラットフォーム「EXPOLINE(エキスポライン)」を提供するデジタルエクスペリエンス社だ。
デジタルエクスペリエンス社(以下、Dex社)によるイベントDXと伴走支援は、イベント運営をどのように進化させたのか。担当者に、その舞台裏と成果について語ってもらった。
本記事の内容についてさらに詳しく知りたい方や、サービス導入をご検討中の方は、デジタルエクスペリエンス株式会社までお問い合わせください。
デジタルエクスペリエンス株式会社
担当:水口(Marketing Communication Division)
MAIL:expoline_inside@digitalexperience.jp

株式会社大塚商会 MMプラットフォーム部イベント企画
大塚 祐 氏
佐野 歩美 氏
デジタルエクスペリエンス株式会社
村田 恭章 氏
水口 修平 氏
蓋を開ければ、過去最高の評価だった
2月の「実践ソリューションフェア2026」について、まず率直なご感想をお聞かせください。
今回はシステムの入れ替えに伴い、大きく変わる部分が数多くありました。加えて、約30年にわたりイベントを支えてきた前任マネージャーが退任し、新体制で迎える初めての実践ソリューションフェアでもあったため、不安は少なくありませんでした。
しかし、結果として来場者数は過去最高となり、システムも問題なく稼働しました。まずは無事に開催できたことに安堵しています。
初めて導入するシステムだったため、今回は運用自体がこれまでとは異なる形になりました。
たとえば、お客様ご自身にQRコードから参加申込みをしていただく、あるいはPCから入力していただく運用となったため、お客様にお願いする工程が増えました。当日の準備や操作にどの程度ご協力いただけるかという点には、不安もありました。
念のためバックアップも用意して当日に臨みましたが、多くのお客様が新しい入場システムを円滑に受け入れ、スムーズにご利用くださいました。結果として、用意していたリカバリー策を使うことなく運営できたことは、私たちにとって大きな収穫であり、今後に向けた確かな自信にもつながりました。
ArU-code(アルコード)による受付:従来のRFID(ICタグ)運用を廃止。カメラ認識による2次元コード「ArU-code」を採用することで、事前郵送にかかるコストとリードタイムを削減。開催直前まで申込みを受け付けられるようになり、過去最高の来場者数の実現に寄与した。
抽選機能と連動したアンケート:EXPOLINE上で「その場で当たる」抽選機能を実装。インセンティブ導線と組み合わせることで、アンケート回答数が大幅に向上した。
基幹システムとのデータ連携:外部業者へアウトソーシングしていた膨大なデータ処理を内製化。EXPOLINEをハブとして社内システムと連携させることで、データとノウハウを社内に蓄積できる構造を構築した。
管理業務の効率化:システム上の商材変更などを、事務局を介さず現場担当者が直接編集できる運用を実現。大規模イベント特有の「事務局への負荷集中」を分散させた。
来場者数増に寄与したArU-codeの導入
ArU-code(アルコード)の運用はいかがでしたか。
前回までは、来場者の入場に必要なRFIDを事前に郵送していたため、発送準備や配送に必要な日数を見込み、遅くともイベントの約2週間前には申込みを締め切る必要がありました。
一方で、イベントの申込みは開催直前の1週間で大きく伸びる傾向があります。そのため、従来の運用では、参加を希望していても締切後のため申込みができない方が一定数発生し、機会損失につながっていました。
ArU-codeを導入したことで、この課題は大きく改善されました。ArU-codeであれば、来場者ご自身で入場証を印刷して持参された場合でも、会場で正確に入退場記録を取得できます。
つまり、入場に必要なものを事前に郵送する必要がなくなり、郵送スケジュールに合わせて早期に申込みを締め切る必要もなくなりました。その結果、イベント直前まで申込みを受け付けられるようになり、より多くの来場希望者に対応できるようになりました。
これは、主催者にとっても参加者にとっても大きなメリットだったと考えています。
(※ArU-code(アルコード)……カメラ認識による2次元コード。QRコードと比べ、長距離からの認識が可能であり、複数コードの同時認識、動きへの強さ、正面以外からの認識といった特長を持つ)

「その場で当たる」の力
アンケートの回収数についてもお聞かせください。昨年との比較はいかがでしたか。
東京会場は昨対比約140%、大阪会場は昨対比約130%となり、いずれも大きく増加しました。
記念品の受け取りと同じ導線に組み込んでいた点も大きかったと思いますが、その流れ自体は昨年も設計していました。そのため、今回はやはり「その場で当たる」という訴求が非常に効果的だったのではないかと考えています。
NPS(ネット・プロモーター・スコア、企業・製品・サービスを友人や同僚にどれくらいおすすめしたいかという推奨度)も、東京・大阪ともに昨年を上回っており、全体として非常に良い成果が得られたと認識しています。
PDA端末での商談記録の取得について、利用した営業の方々から反響はありましたか。
管理面でのオペレーションは確実に改善されました。以前は、どのブースにどの商材があるかをExcelで取りまとめ、パートナー企業に委託してシステムへ反映していましたが、今回はEXPOLINEで一元管理できるようになりました。さらに、各ブースの担当者が管理画面から自ら商材を追加できるようになったことで、運用負荷も大きく軽減されました。
今後は、管理側だけでなく、現場の説明員にとっての使い勝手についても、さらに向上させていきたいと考えています。

データとノウハウが社内に蓄積する仕組み
営業システムとの連携を通じて、イベント後のデータ活用は進みましたか。
これまではイベント後のデータ連携を外部に委託していたため、マーケティングデータという会社の根幹に関わるデータやノウハウが、社内に十分に蓄積されていませんでした。
今回、それらを社内でコントロールできるようになったことで、「この場面ではこうしたデータが活用できる」といった認識や、「今後どう改善していくべきか」という議論を、ようやく社内で進められるようになってきたという実感があります。
土台が整ってきたということですね。
村田様をはじめ、皆様に多大なるご尽力をいただいたおかげで、無事に形にすることができました。他社であればお引き受けいただけなかったのではないかと思うほど、厳しい条件下でご対応いただき、心より感謝しております。
以前からの課題ではありますが、「そのイベントの効果によって、どれだけ売上が伸びたのかを可視化したい」というミッションがあります。商談データと売上データを紐づければよいと当初は考えていたのですが、実際にはそれほど単純ではありません。
たとえば、営業がイベント会場のブースでAというソリューションを紹介した一方で、お客様が実際に購入したのはBであり、しかもBはそのブースには置かれていなかった場合、記録上はBのデータが残りません。そのため、「イベントをきっかけにBが売れた」という紐づけができなくなります。
また、イベントに来場したのが担当者A様で、実際に決裁したのは来場していない上司のB様であるというケースもあります。この場合も、「イベント成果による売上」として正確に記録することはできません。
こうした課題は、人手による対応ではなく、仕組みとして解決しなければならないと認識しています。その点は、今後の大きなテーマの一つです。
現場から見たEXPOLINEの価値
最後に、同じようにイベントのDX化を検討している方々へメッセージがあれば、お聞かせください。
弊社のフェアは特殊性が高く、固有のルールも数多くあるため、それらを踏まえたうえでシステムを構築していく必要がありました。
そうした事情を丁寧に汲み取っていただき、「他社ではこのような運用をしているので、こういう形にしてみてはどうか」といった着地点の提案もいただけたことで、単なるシステム導入ではなく、本当に寄り添って一緒につくり上げていただいたという実感があります。
まだお付き合いは1年余りですが、もっと以前から長くご一緒しているような距離感で対応していただけました。自分たちが本当に実現したいことを整理する段階から伴走していただけたことを、大変ありがたく感じています。
イベントのDX化に悩んでいる企業は、非常に多いのではないかと思います。悩みどころは大きく二つあり、一つはどのサービスを選ぶかという問題、もう一つは、選んだ後にそれをどのように組み上げていけばよいのかわからないという問題です。
EXPOLINEはSaaSでありながら、自社に合わせてカスタマイズできる柔軟性があります。そして何より、正解が見えない段階から一緒に考えてくれる存在がある。この二つが両立していることは、私たちにとって非常に大きな価値でした。弊社のように何十年もイベントを運営してきた企業であっても、なお判断に迷うことや見えないことは数多くあります。そうした企業にとって、非常に有効な仕組みではないかと考えています。
イベントに画一的な正解はなく、既存のパッケージだけでは補いきれない領域が必ず生じます。そうした機微を的確に汲み取り、柔軟に形にしていくことこそが、私どもの使命だと考えております。
今回、その価値をご実感いただけたことは、私どもにとっても大きな励みとなりました。
本日は誠にありがとうございました。
本記事の内容についてさらに詳しく知りたい方や、サービス導入をご検討中の方は、デジタルエクスペリエンス株式会社までお問い合わせください。
デジタルエクスペリエンス株式会社
担当:水口(Marketing Communication Division)
MAIL:expoline_inside@digitalexperience.jp










