[レポート]コロナ禍からの回復とこれからの展示会のあり方 – 第13回夢メッセみやぎ講演会

みやぎ産業交流センターは3月6日、夢メッセみやぎで「第13回夢メッセみやぎ講演会」を開催した。

山口浩徳理事長

会の冒頭、山口浩徳理事長がコロナ禍を振り返り「全国のMICE施設で休館や催事の中止などによって大変厳しい運営を強いられた。夢メッセみやぎでは通信機器を整備し、オンライン開催にシフトする道もあったが、『実際に見て、触れて、五感で確かめるリアル展示会には敵わない』という主催者や出展者の声を励みに、大型施設の存在意義を信じて感染防止対策を徹底し、安全・安心な催事環境の整備に努めてきた。コロナ禍からの回復の兆しも見えてきた今こそ、復活を果たしたいという強い思いを抱いている」とあいさつした。

講演会の講師は展示会プロデューサー/デザイナーの竹村尚久氏(SUPER PENGUIN代表取締役)が務め、『出展満足度を高める「展示会デザイン」5つのポイント』をテーマに講演。年間100件の展示会ブースデザインを手掛ける中で得た知見やノウハウを披露した。

 

竹村尚久氏

竹村氏
これまでブースデザインは、会場内で並ぶ他社のブースよりも目立つための手法が取られてきた。「どんな形が目立つか」「どう来場者は動くか」という視点から生まれるデザインは、形状的な工夫でつくられるため、コストが高くなってしまう。また目立つことで集まった来場者は必ずしも見込み客とは限らないという2つの課題を抱えている。
 その課題を解決するためには、来場者の心理を軸にブースを構築すること。私はそれを「空間デザイン思考」と呼んでいる。

 

竹村氏は、自らが手掛けたブースデザイン事例やイラストを用いて、空間デザイン思考について解説する中で、出展者が満足するためのデザインにおけるポイントを以下の5つにまとめた。

1.「小間位置」を読む・・・通路のどこから来場者が流れてくるか、どの位置からブースが見えるかを知った上で、方針を決める
2.「何を扱っているか」を提示する・・・どのような言葉を用いれば、来場者に瞬時に伝わるかを考える
3.「通路際」を活用する・・・ブースレイアウトの最重要ポイントは通路際。通路際に来場者を集める
4.「滞留時間」を伸ばす・・・来場者の滞留時間を延ばす工夫によって賑わいが生まれ、さらに来場者が集まる
5.「待機方法」を工夫する・・・空間デザインは「ヒト」が中心であり、出展者の待ち方次第でより集客効果を高める