ホーム ニュース 会場・施設 【文化庁】国立博物館や美術館、中期目標で「収支指標未達の館は再編対象」 夜間開館や二重価格の導入も

【文化庁】国立博物館や美術館、中期目標で「収支指標未達の館は再編対象」 夜間開館や二重価格の導入も

独立行政法人国立文化財機構(NICH)を所管する文部科学省は、同機構が2026年度からの5年間に達成すべき「第6期中期目標」を公表した。目標では、各施設の展示事業について自己収入の比率を高める方針を明確にし、4年目時点で一定水準を下回る館は再編の対象になり得るとした。再編の具体策は、次期(2031年度以降)の中期計画に盛り込み実行するとしている。

中期目標では、展示事業の財務運営をめぐり、「展示事業に係る費用」に対する「展示事業に係る自己収入額」の割合を指標として設定。最終年度は65%以上を掲げ、将来的には100%を目指す考えも示した。

一方で、目標達成が不十分な館への対応も踏み込んだ。「各館の展示事業に係る費用に対する展示事業に係る自己収入額の割合が、本中期目標期間の4年目において、「4割」を下回っている等社会的に求められている役割を十分に果たせていないと考えられる館」については、再編の検討対象とする趣旨を明記した。

加えて文書は、来館者サービスと収入確保の両面から、各館の入館料の改定と「二重価格」の導入を、中期目標期間中に実施すると明記した。

併せて、夜間開館の充実など開館時間の弾力化も、ナイトタイムエコノミーの動きと歩調を合わせつつ、費用対効果を勘案して進めるとしている。

文書では、こうした施策の実効性を担保するため、入館者数、入場料収入、その他収入等の「詳細な開示」を進める方針も盛り込んだ。

NICHは国立博物館群や研究機関などを抱え、文化財の保存・修理、展示・教育普及、調査研究、防災など幅広い役割を担う。中期目標は、こうした公共的使命を前提にしつつも、入館料改定や収入確保を含む財務改善を強く打ち出した形だ。今後、各館の収益構造の違い(立地、来館者層、展示規模など)をどう評価に織り込むか、文化政策と経営指標のバランスが問われそうだ。