政府は7月9日、女性用トイレにおける行列問題の改善に向けた関係府省連絡会議を開催した。
「経済財政運営と改革の基本方針 2025」(令和7年6月13日閣議決定)※において、女性用トイレの利用環境の改善に向けた対策の推進が位置付けられたことを踏まえたものとなる。
会議では以下3点などについて取り組んでいくことが検討された。
1.好事例の収集と普遍化
駅や百貨店、アリーナなど様々な施設において、女性用トイレの行列の改善やその男女間の差の解消に積極的に取り組んでいる内外の好事例を収集・整理する。また、これら好事例が全国のトイレ行列問題の改善に普遍化されるよう、関係団体等を通じ、施設管理者に働きかける。
2.トイレの設置数に係る基準の点検・見直し
学会等の各種法人が設けている現行基準について、必要な点検や見直しが的確かつ円滑に行われるよう、内外の調査などを踏まえつつ、国として、点検・見直しに係る共通事項や基本的な方針をガイドラインとしてとりまとめる。
3.仮設トイレに係る緊急の呼びかけ
花火大会や秋祭り等の際に設置される仮設トイレについて、設置個数や男女比率を検討する際は、過去の行列の状況等を勘案し、男女間の行列の著しい差が発生しないよう、政府からイベント主催者に広く緊急の呼びかけを行う。
また、イベントに関わる各協会などへ向けてイベント開催時における女性用トイレへの配慮について協力依頼を出す予定だ。
以下は、内閣官房HPより抜粋した(通知案)です。
イベント開催時における女性用トイレへの配慮について
(ご協力依頼)平素より〇〇行政にご理解とご協力を頂きありがとうございます。花火大会や盆踊り、野外フェス等多くのイベントが開催される季節となる中、円滑な入退場や交通の確保、近隣住民への配慮、仮設トイレの設置等様々な対応に努められていることに敬意を表します。
一方で、イベント時におけるトイレの長い行列は、行列を心配して水分補給を控え、熱中症の危険性にもつながる恐れがあります。
特にトイレの行列は男女間で待ち時間の差が生じる場合もあるところ、政府としても、女性用トイレにおける行列問題の改善に向けた関係省庁連絡会議を立ち上げ、これらの待ち時間の差ができるだけ少なくなるよう取り組むこととしています。
ついては、関係機関の皆様におかれては、既にご対応いただいているところと存じますが、男女ともに安心して快適にイベントを満喫できるよう、トイレの利用環境の整備に当たっては、改めて以下の点へのご配慮をお願いします。
(トイレ設置数や設置エリアの工夫)
1イベント開催時に仮設トイレを設置する場合は、男女で混雑の程度についてなるべく差が生じないよう、バランスの取れた設置数、設置エリアの工夫等をお願いします。
(トイレの柔軟な一時転用)
2近隣施設の管理者等と調整した上での近隣施設のトイレの一時的な活用や、常設の男性用トイレの女性用への一時転用など、柔軟な対応をお願いします。
(混雑緩和のための案内・情報提供)
3会場内に複数のトイレがある場合は、他のトイレ利用状況について適切に案内することや、イベント開催のお知らせのチラシ等においてトイレの位置、規模、混雑予測などの様々な情報を参加者に周知いただくことをお願いします。
※該当箇所
「経済財政運営と改革の基本方針 2025」
第2章 賃上げを起点とした成長型経済の実現
4.国民の安心・安全の確保
(7)「誰一人取り残されない社会」の実現
抜粋:
国立女性教育会館を機能強化した、機構法196に基づく新機構の創設により、地域の男女共同参画を推進する。女性特有の健康課題197及び性差に由来した健康課題198への対応の普及に向け、女性の健康総合センターや大学、研究機関における調査研究や全国的なネットワーク体制の構築を進めつつ、中小企業の健康経営の取組への支援やフェムテックの利活用など女性の健康支援に取り組む。女性用トイレの利用環境の改善に向けて、国内外の動向等の把握を進め、対策を推進する。男女共同参画の視点に立った防災・復興、WPS、多様な被害者への相談支援の充実等199の性犯罪・性暴力対策やDV・ストーカー対策、官民協働の支援体制の構築等の若年女性を含む困難な問題を抱える女性の支援に取り組む。