大規模イベント、一律自粛は要請せず「地域の感染状況に応じて厳しく判断を」

3月19日、政府は第8回となる新型コロナウイルス感染症対策専門家会議を開催した。

専門家会議の尾身茂副座長(地域医療機能推進機構理事長)は記者会見の場で、大規模イベント等の扱いについて「2月26日に政府が全国的な大規模な自粛を要請したが、定量的な効果測定はできない」と前置きしたうえで、引き続き大規模的イベントについては主催者がリスクを判断して慎重な対応をしてほしいと呼びかけた。また、全国で一律の自粛要請はせず、地域の感染状況に応じて主催者が判断してほしいとした。

尾身氏は大規模イベントについて4つのリスクを挙げる。①全国規模の大規模イベントは大勢が一堂に会するため集団感染のリスクが想定され、地域の医療体制に大きな影響をおよぼしかねないこと。②会場のみならずその前後に付随して人の密集が生じること。③全国から人が集まるため各地での拡散リスクがあり、感染者が生じた場合のクラスター対策が困難であること。④屋内外や人数規模に必ずしもよらないこと。

これらの観点から「大規模イベントから全国的な感染拡大につながる」として、地域における必要性を鑑み、主催者がどうしても必要と判断した場合のみの開催にとどめてほしいとコメント。十分な対応が整わない場合の中止はもちろん、流行状況による急な中止・延期をしてもらう備えも必要だと話した。

尾身氏は記者からの「全面解除か」という質問に対しては、「そうではない」と答え、さっぽろ雪まつりを例に「アウトドアで換気がよく、感染リスクが高いとは思われない場合でも、前後で換気の悪い密閉空間、人の密集、近距離での会話や発声というクラスター発生の3つの条件がそろってしまうことがある」として、これらを避ける厳格な判断を要請。大規模イベント開催する際には非常に厳しい条件を満たす必要があるとして、開催した場合も予兆が出た時には中止するべきだと主張した。

「クラスター発生の3つの条件を避けること」と繰り返す尾身氏(共同)