コロナ禍における大阪ディスプレイ協同組合の取組みと展望

近畿経済産業局への要望書等提出

20年上期は75%の売上減
業界維持のため要望を提出

―コロナ対策特別委員会の成り立ちを教えてください

永田 ODAでは毎月1回役員会を開いており、6月5日の役員会で立ち上げが了承されました。新型コロナの影響が予想以上に大きく、休業を始める組合員も多数あったため、業界団体として状況を改善する行動を起こす必要があったのです。

衣川 委員長である私をはじめ、ODA理事数名と組合員の計10人で構成されています。広い見分が必要という判断のもと、内装や人材派遣、レンタル会社など多岐にわたる業種に参加していただきました。

―活動内容はどのようなものでしょう

衣川 組合員へのアンケート調査に加え、大阪府および近畿経済産業局への嘆願書・要望書・日本ディスプレイ業団体連合会(NDF)による万博提言書の提出がこれまでの活動になります。
まずアンケートですが、新型コロナの影響による窮状を知るため組合員95社を対象に、7月17日から31日にかけてメールとFAXで調査を行いました。回答数74件のうち39.7%が2020年上期の売上は75%以上減少すると予想しており、ディスプレイ関連では52.1%が売上は75%以上減少すると回答しました。仕事がない状況に対しては12月までという回答が最も多く、中には来年2月以降までというものもありました。これらの結果から大多数の企業が危機的状況かつ事業存続の瀬戸際に立たされていることは明らかであり、2025年に開催が予定されている大阪・関西万博にも悪影響が出かねないということが分かりました。そこで、ディスプレイ業界維持のための嘆願書・要望書をまとめ、NDFによる万博提言書を添えて提出することになりました。
嘆願書では休業期間の経営維持に必要な資金融資と融和、展示会やイベント開催を促進する施策の2つを、要望書では国による展示会やイベントにおける新型コロナ対策マニュアルの規定化と周知拡大、施設利用料とコロナ対策費用の助成、フリーランスとディスプレイ専門小規模事業者等への支援強化の3つを盛り込みました。
また、米村猛近畿経済産業局長より「組合の中で対応する委員会を作り、アンケートを集計し、歎願書・要望書として提出されたことは初めてで、大変感銘しています」との嬉しい御言葉もいただきました。

 提出にあたってはODA顧問で衆議院議員の中山泰秀先生より米村局長および大阪府議会のしかた松男副議長をご紹介いただき、ご説明の場を設けていただきました。これによりディスプレイ業界の窮地は広く認知され、本省である経済産業省に話を持っていくため、全国組織であるNDFと話をする段階まで進みました。
ちょうど11月には九州のディスプレイ業界団体と話し合いをする機会もあります。まずは西日本ががっしりと団結し、迅速な動きを取れればと思います。