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東京ゲームショウ2017 2日目レポート~センス・オブ・ワンダー ナイト 2017(SOWN 2017)~【展示会レポート】

「センス・オブ・ワンダー ナイト 2017(SOWN 2017)」は、”見た瞬間、コンセプトを聞いた瞬間に、誰もがはっと、自分の世界が何か変わるような感覚”=「センス・オブ・ワンダー」を引き起こすようなゲームのアイデアを発掘し、ゲーム開発者に東京ゲームショウ会場でプレゼンテーションと展示の機会を提供する、今年で10回目を迎える企画だ。

スペシャルスポンサーはプレイステーション。協賛は任天堂となっている。

今年は9月22日、ビジネスデイ2日目の夜に開催され、①ゲームで生み出される叙情、②どんなゲームか気になって仕方ない、③狂気を感じる創造性といった3つの観点から選出されたインディーズゲームのプレゼンテーションが行われた。以下に受賞作のプレゼンテーションの模様を紹介する。

AudienceAward/Best Technological Game Award 受賞作 「ACE OF SEAFOOD(エースオブシーフード)」

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魚になって自由に泳いでみたいと思ったことはありませんか?

海は広大で綺麗ですが、重力の影響が少なく体の大きさがものをいう厳しい世界でもあります。体の小さなイワシでは、マグロやサメに勝つことはできません。ですが、ゲームはエンターテインメントなので、小さいものが大きなものに勝てないと面白くないでしょう。

この作品は私が夕方に見ていたSFアニメをヒントにしました。その作品では、エースがビームを放ち巨大な敵を撃ち勝利していました。なぜそんなことができるかというと、強力な武器、ビームがあるからです。つまり、ビームが戦いを呼ぶ。小魚もビームがあれば食物連鎖に逆らいエースになれます。

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とはいえこのゲームは、元々の生き物に十分な敬意を払っています。たとえば希釈効果。群れの仲間が食われている間にビームを打てば捕食者を倒すことができるでしょう。また、自分の体の一部を分離し、それを捕食者が食ってる間に逆襲することも可能です。

捕食者側の魚も操作できます。鮭は強く、ビームを使う必要ないので撃たれる前にいかに食い殺すというアクション性の高い遊び方が可能。ホオジロザメはなぜか極太ビームを放てるので、これでもう浜辺に座礁して無様をさらすこともありません。

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現在Steamで発売中で、今後PS4とスイッチ版も予定しています。

Best Experimental Game Award 受賞作 「STRANGE TELEPHONE(ストレンジテレフォン)」

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小さい頃、友人との間で奇妙な電話番号が噂になっていました。電話をかけると、人のうめき声のようなものが聞こえたり、ピーっという電子音が鳴り続けたり、そこに何かいそうな物音だけが聞こえたり。そんな、身近に存在する奇妙な電話番号をヒントに今回製作しました。

このゲームは、暗い空間に閉じ込められてしまった主人公のジルが、電話の姿をしたグラハムと共にさまざまな世界を冒険して鍵を見つけ出し、その世界から脱出する物語です。グラハムを通じて6桁の電話番号にかけると、ワールドが自動生成されます。ワールドの中でアイテムを見つけ謎を解き、脱出に必要な鍵で扉から抜け出せばクリアとなります。

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電話をかけるとワールドが自動生成されるかという点は、奇妙な電話番号の都市伝説と関係しています。電話をしたときに不思議な音や声が聞こえると、何が起きているのか、向こう側の世界を想像する。ジルは想像するイメージの中を探索することができる能力を持っているのです。電話を切ると“不気味な空気が漂う大きな扉が浮かぶ世界”へ戻るのは、その世界が拠点だからです。

ワールドは「Nature」「Human」「Chaos」の3つが存在し、電話をかけるたびに増えていくGlitchという数字によって世界が崩壊していくようすを表現しています。Glitchは当初予期せぬ形のバグだったのですが、世界観とマッチしていたため採用しました。

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バージョン1.1はios、Androidの各種ストアで配信中で、バージョン2からはPC版としてSteam/Playismでも配信予定です。

Best Game Design Award 受賞作 「CONGA MASTER(コンガマスター)」

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このゲームのためにコンガラインの研究をはじめ、たくさんのパーティに参加してコンガラインを試しました。研究の結果、良いコンガラインを作るために必要なものは次の6点だと分かりました。
1.みんな、一人ひとり自分のダンススタイルがある。マイケルジャクソンのダンスはかっこいいですが、私たちが踊るといけない。そこで、ゲーム内にはユニークな33のダンサーを作りました。
2.バランスは必要です。環境によって良いコンガラインは変わります。私たちがコンガラインを作ったら、TGSや秋葉原では人気が出るかもしれませんが、銀座ではどうかな。ゲームには4種類のタイプがあるので、バランスよく列に入れてコンガラインを作る必要があります。
3.コンガラインは早く長くなるほど、周りに影響を与えます。たくさんの女性が参加するのと一匹の豚が参加するのでは、どっちが嬉しいか想像してみてください。そういった状況を表すためのコンボを実装してあります。

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4.最高のコンガラインを作れた人だけが次のクラブに挑戦することができます!高級クラブや大学のパーティなど、さまざまな場所が用意してあります。
5.豚をはじめ、いろんなものがコンガラインを壊す可能性があります。コンガラインを崩す原因はたとえば濡れてる床だったり、踊りたくない人、もしかしたら宇宙人にさらわれるなんてこともあるかもしれません。

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6.友人と一緒に踊ればめちゃめちゃ最高です。4人まで一緒に遊ぶことができます。

Best Arts Award 受賞作 「Old man’s Jurney(オールドマンズジャーニー)」

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Old man’s Jurneyはパズルをもとにしたストーリーゲームです。

主人公の老人は一人暮らしで、崖の上の家に住んでいます。ある日、老人に手紙が届きます。それを受け取ると老人はすぐに荷造りをして、歩き出します。

ゲーム内では、歳を取っているため頻繁に休まなくてはならず、各ステージの最後では座って休んでいる間に自身の転換期を思い出します。それは、若い頃に出会った愛する人のことなどです。

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物語が進展するにつれ、ストーリーが明らかになっていきます。ストーリーはイメージを通じて語られ、作中に言葉は一切出てきません。各要素は叙情的なストーリーの進展をサポートし、環境や音楽、プレイに反映されます。

私たちのスタジオであるBroken Ruleというスタジオは、5人の共同設立者によって2009年に作られました。以来4本のゲームを完成させてきましたが、その間に5人には8人の子供が生まれました。そして家族やキャリア、夢の追求というバランスが私たちの共通のテーマになりました。このテーマは、世界各地で共感を得られるものだと思います。

Old man’s Jurneyではこのような問題に苦労する男を描き、結果として彼は失敗します。けれど、愛する者から許しを求めるのに遅するということはありません。愛は永遠のものだからです。

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ゲームは5月にリリースを開始して、現在iosとAndroidで展開中です。

Best Presentation Award 受賞作 「EARTH DEFENCE SATELLITE(アースディフェンスサテライト)」

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このゲームは私が一人で製作し、製作期間3カ月で、構想期間は0.1秒です。

プレイヤーは地球で、自由自在に動けます。地球なのに動けるのはおかしいと思いますか?そんなことはありません。NASAの研究者によると地球は巨大な生命体であり、生き物ということです。つまり、その気になれば地球は動けるのです。

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月は現実とは異なり、地球と離れれば離れるほど強い引力で引っ張られます。地球をうまく動かすことで、月を思い通りに動かせます。敵はエイリアンの宇宙戦艦で、地球を攻撃しようとビームを打ってきます。地球防衛軍がこの世界にはいないので、月をぶつけて撃破する。つまり、EARTHをDEFENCEするSATELLITE

敵は地球の移動範囲を狭めるバリアや、ビームなどを使ってきます。なかには動く敵や、同時に破壊しなければ再生してしまう敵もいます。なお、地球を守る月ですが、ぶつかると粉砕されます。

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現在itch.ioで販売中です。

 

このほかにもさまざまなユニークな作品が登場し、個性豊かなプレゼンテーションで観客を楽しませた。SOWNは来年以降も継続して開催していくとのことだ。

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シリコンバレーと日本による オープンイノベーション促進事業を開始~日本能率協会

日本能率協会は9月19日、東京・経団連会館で「シリコンバレー-日本 協業促進に関する記者発表会」を行った。

同事業は、シリコンバレーと日本によるオープンイノベーション促進事業で、多くの日本企業が注目するシリコンバレーとの協業におけるさまざまな問題を解決し、日本製造業および関連産業のイノベーションを支援することを目的とするもので、日本の産業界に幅広いネットワークを持つ日本能率協会とシリコンバレーで多くの実績を持つIshin Group、そしてスタンフォード大学がタッグを組むことで実現した。

吉田理事長
吉田正理事長

冒頭の挨拶で日本能率協会の吉田正理事長は「昨今のAIやIoTに見える急速なデジタル革新や環境の変化によって、これまで日本の製造業が得意としてきた垂直統合が必ずしもその強みと言えない状況になってきている。特に、スピードが勝負の科学技術領域におけるR&Dや新規事業開発などは国内外を問わずオープンイノベーションに取り組むことの重要性が高まっている」と話したほか、シリコンバレーを含めるアメリカ西海岸ベイエリアに進出している日本企業は過去最高の770社におよぶというJETRO(日本貿易振興機構)の調査結果を持ち出し、「多くの日本企業がイノベーションを求めてシリコンバレーでのビジネスを模索している」と話した。

同事業の具体的な活動の第一段として2017年11月28日・29日の2日間、米国・スタンフォード大学Arrillaga Alumni Center(シリコンバレー・カリフォルニア州)において、「Silicon Valley – New Japan Summit」を開催する。

このサミットは、シリコンバレーで活躍するイノベーターをスピーカーとして招待し、オープンイノベーションの最新情報や日米企業の連携事例などのトークセッション、米スタートアップによるピッチを行うもので、日本の大手企業、米国のスタートアップ企業、ベンチャーキャピタルなど、約500人の参加を見込んでいる。また、サミットと並行し事前研修会、会期中の商談サポート、企業・研究機関視察を組み合わせた公式視察団の派遣が決定しており、シリコンバレーとの連携を確実に前進させるとともに、参加者同士の相互啓発とネットワーク構築を支援していく。

Silicon Valley – New Japan Summitについての詳細はホームページまで。

 

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東京ゲームショウ2017 初日レポート~基調講演“日本におけるe-Sportsの可能性”~【展示会レポート】

9月21日、千葉・幕張メッセで世界最大級のゲーム・コンテンツ見本市「東京ゲームショウ2017(TGS2017)」(主催:コンピュータエンターテインメント協会、共催:日経BP社)が幕を開けた。TGS2017は24日までの開催となっており、21・22日がビジネスデイ、23・24日が一般公開日となっている。今回はビジネスデイ初日に行われた基調講演“日本におけるe-Sportsの可能性”の模様をお伝えする。

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テーマは“日本におけるe-Sportsの可能性”について。登壇者はNEWZOOマーケットアナリストのPieter van den Heuvel氏、Blizzard Entertainment『OverWatch』コミッショナーのNate Nanzer氏、Signia Venturesファウンディング・パートナーのSunny Dhillon氏、CyberZ執行役員の大友真吾氏。モデレータは日経BP社、日経テクノロジーオンライン副編集長の山田剛良氏が務めた。

 

開演に先立ち、主催者を代表してコンピュータエンターテインメント協会(CESA)の岡村秀樹会長が挨拶。

DSC_0080「e-Sportsは米国やアジアを中心に世界中で盛り上がりを見せている。CESAもe-sports委員会を立ち上げ、TGSでのステージなど積極的に活動してきた。先日発表した5団体との統合団体設立については、年内設立を目途に動く。e-Sports産業振興は、ゲームの文化的ステータス向上にも寄与する。今回のように複数の業界団体が統合するのは、ゲーム業界では世界初」と語り、ゲーム産業の拡大ならびに新ビジネスの広がりに期待を示した。

 

その後、各登壇者が自己紹介を行った。

Pieter van den Heuvel氏

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大手パブリッシャーが参入し、リーグ戦などがあらゆる地域で行われているe-sportsの幼年期は終わったと言えるだろう。とはいえ成熟期に入るまでにはまだ遠く、重要な点が3つある。

まずM&A(合併・買収)の活発化だ。いかにその流れを受け入れつつ、同時に熱心なファンに寄り添うかということ。次に、収入の流れをパブリッシャーが検討しなくてはならなくなったということ。広告やパートナーシップなどを検討しつつ、新しい収益化を模索する必要がある。そして最後に、ゲームコンソールの問題。e-sportsはそのほとんどがPCゲームであり、ダウンロード販売によるものだ。家庭用ゲーム機の場合、異なるバージョンのプレイヤーが分断されてしまう。

Nate Nanzer氏

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パブリッシャーの観点から言えば、e-sportsは以前の20年間はマーケティングに費やしてきたが、最近では観客動員数が非常に大規模になったことで従来のスポーツと同じように収益化できるようになってきた。企業がどんどん参入してきており、プロ制度の導入によりさらなる活性化も見込める。

『OverWatch』のように世界各国でプレイできるゲームを放映すれば、世界中で大勢が観戦することになる。ワールドカップにはあまりe-sportsが普及していない国からも参加することができ、日本からもAKTMというチームが見たこともないプレイをして世界を驚かせた。

 

Sunny Dhillon氏

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これまでe-sportsを中心に投資を行ってきた、フロンティアと言える。最も成功したのはSuper Evil Megacorp(SEMC)であり、これは日本でも人気が出てきているゲームだ。観客動員数が非常に多く、全世界でトーナメントを10回以上行なっている。リリースから既に3年ほど経っているが、年末にかけてさらに規模の拡大が見込めそうだ。

逆に失敗した例もある。Team Emberという『League of Legends』チームに投資した際には、政治的な動きについていけず、撤退を余儀なくされた。

 

 

大友真吾氏

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e-sportsの事業として『RAGE』という大会を開いている。RAGEの特徴的な点は、スター選手を生み出すために、選手にフューチャーしている点だ。 今年9月に行ったVol.5ではShadowverseとコラボした。今までRAGEを知らなかった人にもリーチすることができ、1万を超える来場者となった。

日本でも徐々にe-sportsを見る楽しさが普及しつつある。今後も四半期に1度程度のペースで開催し続け、市場の拡大をはかるとともに楽しさを提供していきたい。

 

 

続いて、パネルディスカッションが行われた。

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選手育成のポイント、プロライセンスについて

Nanzer氏

外国人がアメリカでプロとして活動をするには、P1ビザが必要だ。これはダルビッシュがメジャーリーグでプレイするのに必要だったものと同じもの。以前は取得するのが困難だったが、最近では申請が多く、知名度も上がっている。知名度や地位の向上を考えたとき、模範となるのは韓国だ。韓国ではプロゲーマーが文化的に前向きにとらわれている。また、プレイヤーに投資することでインフラを構築することも大事で、最低賃金の報奨や退職金、健康保険なども考える必要がある。

 

投資家のプロチームへの投資について

Dhillon氏

投資しているのは新ゲームの開発、技術や解析、メディア、トーナメントの組織化やコミュニケーションなど。ベンチャー企業ではプレーヤー間のコミュニケーションを図ったり、選手内で作戦会議をしているところが多い。

投資にあたってはマーチャンダイズやメディア露出、チケット販売など収入源がしっかりしていなくてはいけない。また投資家の役割も認めてくれることも重要だ。

 

e-sportsにおける選手の見せ方

大友氏

e-sportsのアスリートは日本ではまだそれほど確立されていない。RAGEのファイナリストと話すと、「将来プロゲーマーとして働けるならいいが、不安もある」という返事が返ってくる。日本では選手の気持ちが先行していて環境整備がまだまだだ。

RAGEでは選手の見せ方として、シンプルかつ観客にかっこいいと思ってもらえるようにしている。入場の演出や、インタビュー映像ひとつとってもそうだ。特に、予選を勝ち上がった段階とファイナルの後では選手の顔つきも変わってくる。ゲーマーも見られるシーンを作ることで意識が変わってくるからだ。

イベントのオーガナイザーとして、選手にプロ意識をもってもらえるよう働きかけていく。

 

規模の大きな大会を開催することで、どのようなビジネスチャンスが生まれるか

Heuvel氏

西欧のマーケットを見てもらうと、収益を上げているそのほとんどがパブリッシャーであると分かる。以前はマーケティングツールだったものが収益を上げられるようになってきているが、まだまだ投資ととらえてる人が多いからだ。

Youtube やTwitter、Twitchなどのメディア権のビジネスモデルは出てきている。ブランディング、広告として保証を得られるライブストリーミングはチャンスと言える。米ではTV放映の取り組みも進んでいる。

しかし日本においてのe-sportsはまだ黎明期なので、あくまで投資対象という考え方が必要だ。最初の5年間でリターンを得られれば期待は上がっていくだろう。

 

ミレニアム世代にリーチする有効的な手段

Dhillon氏

今後はスマホによる視聴が主流になってくるだろう。それに合わせたコンテンツが求められる。ツイッターやインスタグラムの15秒の動画などが良い例で、そういうところで人気が高まることが重要だ。

ミレニアム世代は常にソーシャルネットワークで人とつながっていたいので、見るだけでなくコメントをすることができるなど、ソーシャルとしての性質が求められる。先日、米AmazonがTwitchを9億7000万ドルで買収したが、これは破格の投資だと思う。

 

RAGEのユーザー層について

大友氏

Vol.5でShadowverseとコラボした際、ユーザーが若いという印象を得た。先日e-sportsについて調査を行ったところ、10~20代の場合は過半数を超えていた。e-sportsを見るというカルチャーは若年層を中心にコア化し、一般化していくだろう。

 

e-sportsの五輪競技化について

Nanzer氏

重要なのは、e-sportsは従来のスポーツ競技とは異なるということで、ゲーム産業やソーシャルメディアの中でも議論が行われている。ただ、ワールドカップにチームジャパンが出たらみんなが応援するでしょう。それはe-sportsでも同じことです。

しかし、ミレニアム世代は必ずしも親がかっこいいと思っているものをかっこいいとは思わないので、そこには注意が必要です。

Heuvel氏

五輪で正式に採用されたとしても工夫が必要で、若い世代やゲーマーが考えているものにはならないでしょう。組織委員との連携が大事です。

Dhillon氏

メディアも気をつけなくてはいけないのが、ゲーマーが参加してない記事はつまらないということ。ゲーマーが注目するのはスタープレイヤーなので、企業のCEOを取り上げても盛り上がらない。

Nanzer氏

成功のためにはファンに本物であると感じてもらえるかどうかが鍵。たとえば五輪の場合、e-sportsにおける殺戮シーンなどは見せられない。そこさえクリアできるかどうか。

Heuvel氏

e-sportsと五輪の親和性も慎重に考えるべきだ。Youtubeやniconicoがあるなかで本当に五輪が必要か。

 

e-sportsを世界に広げるためには

Nanzer氏

なるべく多くのファンに楽しんでもらいたいと考えている。11月に行うイベントでは2万5,000人分のチケットが8秒で売り切れた。日本でこのようなイベントを開催すると考えたとき、当然現地の製作スタッフが必要となるし、各自治体の支援や会場の協力も欠かせない。e-sportsを拡大するためにはインフラの整備が重要で、その課題をクリアできれば日本は魅力的な市場と言える。インフラへの投資は今まで見られなかったが、最近ようやくはじまったと聞いているので期待している。

大友真吾氏

日本ではアジア競技大会の正式種目に採用されたことや、先の五輪の件などで、ゲーマーやe-sportsへの見方が大きく変わってきた。子供にとっては将来の選択肢でもある。

e-sportsの大会運営企業ももっと増えてほしい。大会が多く開かれれば、スポンサー企業のつきかたも変わってくる。スポンサーにとっては一部投資だとしても、盛り上がりが重要だ。

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当事者と支援者双方に最新情報を~国際福祉機器展【展示会開催情報】

昨年のようす
昨年のようす

保健福祉広報協会と全国社会福祉協議会は9月27日から29日の3日間、「国際福祉機器展H.C.R.2017」を東京ビッグサイトにて開催する。

H.C.R.では高齢者や障害者の自立と社会参加の促進を図ること、介護を行う家族や介護施設の職員による介護の質を高めることを目的として、福祉機器・介護機器、高齢者・障害者の日常生活を支えるさまざまな生活用品を展示。
こうした福祉分野に集中した展示会である点が最大の特徴であり、約2万点の機器が展示される。

昨年のようす
昨年のようす

28日に日に併催する国際シンポジウムも大きな特徴となっており、今回はイギリスから講師を招いて実施する。

事務局は「1995年からイギリスでは介護が必要な当事者だけでなく、その家族や支える人を支援する施策が展開されている。これら制度の有効性と課題を話していただくことで、日本の施策・サービスのあり方とは異なった視点から、必要な支援の方向性等について学ぶことができる」と語る。
また日本の現状についても、関係団体等による介護者支援への取り組みなどを紹介する。

そのほか、詳細はWEBサイトまで。☞(https://www.hcr.or.jp/

 

※「見本市展示会通信」762号より抜粋(2017年9月15日発行)

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東京ゲームショウ2017開幕

9月21日、千葉・幕張メッセで「東京ゲームショウ2017(TGS)」が開幕した。

 

本年は“さあ、現実を超えた体験へ。”をテーマに掲げ、9月21日から24日まで開催。36カ国・地域から609社・団体が出展し、うち国内292社、海外317社となっており、国内の出展者数は過去最多となる。出展タイトル数は1317以上。出展小間数は1930小間。

昨年新設したVRコーナーは「VR/ARコーナー」と改称し、5カ国・地域から45社が出展。TGS全体でのVR分野の出展タイトル数は117タイトル(昨年110)となる。

開会式では主催者を代表してコンピュータエンターテインメント協会の岡村秀樹会長、共催である日経BP社の新実傑社長、経済産業省の前田泰宏大臣官房審議官(商務情報政策局担当)、JAPAN国際コンテンツフェスティバル(コ・フェスタ)の大谷信義実行委員長が挨拶。

岡村会長は「27回目を迎える本ショウはゲームの情報を発信するとともに、さまざまなビジネスマッチの世界有数のイベントであり、ビジネスハブとしても他を圧倒していると自負している」と語り、全世界のゲームファンに楽しんでもらえるよう、ワールドワイドに情報を配信していくとした。

新実社長は「e-sportsは年内にも統一競技団体ができる見通し。JOC加盟も視野に入っており、24年のパリ、28年のロスで正式に採用される可能性も出ているので注目したい」と語るとともに、昨年好評を博したVRコーナーの発展形であるVR/ARコーナーに対し「子供のころ見ていたSFの世界を体験できる」として、新しいムーブメントの波をさらに大きくしたいと展望を述べた。

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新しいCEATEC体験提供
~CEATEC JAPAN 2017【展示会開催情報】

CEATEC JAPAN実施協議会は10月3日から6日までの4日間、幕張メッセで「CEATEC JAPAN2017」を開催する。

昨年のようす
昨年のようす

昨年〝脱家電見本市〞をうたい、従来のITやエレクトロニクス産業の展示会からCPS/IoTの展示会へと大きく舵を切ったが、今年はどのように進化するだろうか。

同会の鹿野清エグゼクティブプロデューサーは「来場したらまず、主催者特別企画展示内の『IoTタウン』から見て回ってほしい」と語る。

昨年のようす
昨年のようす

IoTタウンではさまざまな産業のフロントランナーが集結しSociety5.0の実現に向けて、ユーザサイドとデマンドサイドが連携。新たなビジネスモデルにつながるアイデアやパートナーとの共創を発信する。

キーノートスピーチでは、電子情報技術産業協会会長でありパナソニック会長の長榮周作氏による「超スマート社会『Society5.0』に向けて』も講演される。

そのほか、詳細はWEBサイトまで。☞(http://www.ceatec.com/ja/

 

 

※「見本市展示会通信」762号より抜粋(2017年9月15日発行)

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CareTEX関西2017
~特別ゾーン”介護レク大阪”を新設【展示会開催情報】

ブティックスは10月18日から20日の3日間、「第2回 CareTEX関西2017」をインテックス大阪で開催する。
同展は介護用品・設備からリハビリ機器・家具・レクリエーションまで、介護施設で役立つ新商品・サービスが一堂に会する。

第3回 CareTEX2017 のようす
第3回 CareTEX2017 のようす

「(関西)介護用品展」、「(関西)介護施設産業展」、「(関西)介護施設ソリューション展」3つの展示会で構成。

また、新設の特別ゾーン“介護レク大阪”では高齢者に喜び、生きがいを提供するレク商品・サービスを一堂に展示する。ゾーン内にはまた来場者と出展者の交流の場として“レクカフェ”を設置。
レクカフェではカフェスペースに加え、実演・デモコーナーで商材やサービスの実演を見ることができる。

第3回 CareTEX2017 のようす
第3回 CareTEX2017 のようす

また介護ロボット特別展示コーナーでは移動支援やコミュニケーションなど、さまざまな場面で活躍が期待される介護ロボットの最新機器の展示を行う。

そのほか、詳細はWEBサイト(http://caretex.org/)まで。

 

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【業務提携】丹青社×アシュラスコープインスタレーション ~問題解決のための空間デザインを目指して 

展示会や商業空間などのデザインを手がける丹青社とプロジェクションマッピングなどを駆使した空間演出を行うアシュラスコープインスタレーションは8月31日、空間演出の「新たな価値提供」や「演出技術の強化」などを目的に業務提携を締結したと発表した。
今回の提携ついて、丹青社クロスメディアインキュベートセンター・菅野敦夫氏とアシュラスコープインスタレーション・秋葉哲也氏にこれまでの経緯や今後の狙いについて話を聞いた。

菅野敦夫氏(左) 秋葉哲也氏(右)
菅野敦夫氏(左)と 秋葉哲也氏(右)

 

■それぞれの専門分野

菅野 これまでさまざまな空間デザインを手がけてきましたが、先進的なテクノロジーなどを用いて空間に新たな価値を生み出す専門チームとして、今年クロスメディアインキュベートセンター(CMIセンター)を立ち上げました。空間の中の演出にこだわり、感動体験を提供することを目的とした部門です。

秋葉 もともと僕は建築出身で、建築空間に映像やサウンド、香りなどのメディアを活用できないかと考えていて、プロジェクションマッピングはその手法のひとつ。案件の規模こそ違いますが、丹青社がやっているような仕事を少人数でやっているイメージです。

 

■業務提携に至った経緯

菅野 CMIセンターができたことはきっかけですね。ただ装飾するだけではなく、クロスメディア、つまり複数の手法を組み合わせて、クライアントの問題解決のための空間を表現するならば知恵袋的な存在が必要だろう、となり今回の提携が実現しました。

秋葉 僕も、デザインはあくまでも問題解決の手法であると考えています。空間に何が必要とされているのか、足りないものは何なのかを考えた上で、最適なメディアを選択し、最適な使い方をする。にも関わらず、制作する立場の方って、自分の作品を見てもらうことをまず第一に考えてしまう人が多いんですよ。
そういった意味では、まだまだ質の悪いコンテンツであふれかえっていると感じています。ですが一方で、伸びしろのある分野とも思っているので、世の中に良いコンテンツをしっかり残していくためにも、影響力のある丹青社と組んでやっていくのは意味のあること。デザインに対する考え方・想いが近い点も相性がいいと感じています。

 

■お互いに期待する点

菅野 CMIセンターがスタートしたとは言え、まだ我々は内装業としての考え方が根強く、(社内にも)最先端技術は客寄せパンダとして活用すれば良いという安易な考えを持つ者もいる。そのような社員に、我々とアシュラスコープの能力を合わせ、感動体験を生み出す空間ができる過程を見てもらい、その技術やノウハウを根付かせていきたい。

秋葉 クロスメディアの領域にはまだ専門家がいません。空間や映像、機械、平面デザイン、立体デザインなど、すべてが分かる人はいなくて、今回の提携をきっかけにそういったことにもっと興味を持ってくれる仲間が増えればいいと期待しています。丹青社の社員だけでなく、この業界を目指す学生さんにもこんな仕事あるということを示し、将来的に一緒に仕事できるといいなと思います。

「第762号 見本市展示会通信」発刊しました

見本市展示会通信

展示会やMICEなどに関する最新ニュースを伝えるタブロイド判の業界紙
「第762号 見本市展示会通信」を発行しました。

【主な記事】
新しいCEATEC体験提供 CEATEC JAPAN 2017、2019年秋の供用目指し愛知県国際展示場起工 愛知県 ほか
〈インタビュー〉ビューティーワールド ジャパン ウエスト 大井田美由紀氏 ・・・(2面)
実践MICE講座 第7回 日本コンベンションサービス(株) 通訳部 清野晶氏、翻訳・ドキュメントサービス部 寺内優美氏・・・(2面)
〈事務局の声〉当事者と支援者双方に最新情報を 国際福祉機器展・・・(6面)
業種別開催データ(2017年10月~2018年3月)<生産財関連>・・・・・(4、5面)

発行について:第762号 2017年(平成29年)9月15日

☞「見本市展示会通信」の詳細はこちら

トマトに特化した特別展示を新設
~アグロ・イノベーション2017【展示会開催情報】

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日本能率協会は、10月4日から6日までの3日間、東京ビッグサイトで農産物の生産から加工、流通、販売に関する技術・サービスの総合展示会「アグロ・イノベーション2017」を開催する。

前回のようす

 

初開催の特別展示「トマト・イノベーション」では今注目のトマトに特化した農業経営・マーケティングに関する情報交流と商談の場を提供。出展者ブースと6つの企画展示で構成されており、トマト・イノベーションに関するセミナーも3日間にわたり開催する。

全国の産学官の研究機関が有する農林水産・食品関連の最新の研究成果を展示やプレゼンテーションなどで分かりやすく紹介する技術交流・展示会「アグリビジネス創出フェア2017」との合同開催であり、今回から隣接の同時開催展「JAPAN PACK 2017」との相互入場も可能となった。農業生産者・農産物流通関係者など、3日間で1万2000人の来場者数を見込む。

そのほか、詳細はWEBサイトまで。
☞(http://www.jma.or.jp/ai/ja/visitor/index.html

 

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