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RIZAP、建設支援事業を本格化 chocoZAP出店で培った手法を外部展開

RIZAPグループは4月14日、子会社を通じて建設支援事業を本格化すると発表した。コンビニジム「chocoZAP」の大量出店で培った店舗開発の手法を外部企業向けにも提供し、建設業界の人手不足や工期長期化といった課題への対応につなげたい考えだ。あわせて同社は、chocoZAPが1年間で1,020店舗の24時間営業ジムを出店した実績について、ギネス世界記録™に認定されたとしている。

対象となったのは、2023年1月24日から2024年1月23日までの1年間に開業した1,030店舗のうち、24時間営業の1,020店舗。同社はこの出店実績をもとに、新たに「RIZAP建設」を通じて建設業に本格参入する。従来は自社の店舗開発で活用してきたノウハウを、今後は出店を急ぐ他社向けにも外販していく方針だ。

RIZAPが打ち出す手法の柱は、製造工場との直接取引、職人の直接雇用・育成、工程ごとの直接発注という3点だ。同社によると、こうした体制によって中間コストの圧縮と施工スピードの向上を図ることができ、chocoZAPの出店実績との比較では、費用を25〜30%削減し、工期を約2倍の速さにできるとしている。

外部案件の実績もすでに出始めている。RIZAPによれば、ある事業会社向けの施工では、2025年10月から2026年3月までの約半年で186店舗を完了したという。今回の事業化は、こうした受注実績を踏まえて、自社内の店舗開発機能を新たな収益機会へ広げる狙いもあるとみられる。

また同社は、グループ全体でAI活用を進めた結果、業務効率が20%以上向上したとしており、その余力を建設分野の人材育成にも振り向ける考えを示した。最大500人規模の人材をリスキリングし、建設支援事業へ振り向ける計画で、出店支援に加え、人材面からも事業基盤を整える構えだ。異業種から建設領域に参入する動きとして、今後は再現性や収益性、外部案件での実績拡大が注目されそうだ。

日本初の判決「チケット転売出品は興行主に対する権利侵害」

STARTO ENTERTAINMENTは4月20日、同社契約タレントが出演するコンサートのチケット転売をめぐり、東京地方裁判所が「転売出品は興行主の権利侵害に当たる」と判断したと発表した。STARTOによると、判決という形でコンサートチケットの転売出品を主催者に対する権利侵害と認定したのは、日本で初めての事例だという。

今回の問題では、コンサート主催に関わるヤング・コミュニケーション(YC社)が、チケット売買サイト「チケット流通センター」を運営するウェイブダッシュに対し、転売出品者の情報開示を求める法的手続きを進めてきた。STARTOの説明では、2025年3月にはすでに発信者情報開示命令が出されていたが、ウェイブダッシュ側がこれを不服として争い、通常の民事訴訟に移行していた。

その後、2026年3月18日に東京地裁はYC社側の主張を認め、チケットの転売出品によってYC社の営業権が侵害されたことは明らかだとして、2025年3月の開示命令を支持する判決を言い渡した。STARTOはこの判断について、本人以外は利用できないチケットを第三者が使えば、本来入場資格のない人物が不正に入場することにつながり、主催者を欺く違法行為を招きかねないと指摘している。

またSTARTOは、YC社がこれまでウェイブダッシュに対し、転売出品の削除や任意開示を繰り返し求めてきたものの、十分な対応が得られなかったと説明した。さらにYC社は、転売仲介事業そのものの適法性も問うため、ウェイブダッシュを相手取った不当利得返還請求訴訟も起こしているという。

STARTOは今後もYC社と連携し、不正転売への対策を進める方針を示した。健全な興行環境を守り、より多くのファンに適正な形でチケットを届けることを目指すとしている。

芸能実演家・スタッフ向け「労災保険」を 日本芸能実演家団体協議会ら取り組む

芸能実演家やスタッフが、より安心して働ける環境づくりに向けた新たな取り組みが動き出した。公益社団法人日本芸能実演家団体協議会を含む関係団体が設立に関わった一般財団法人日本実演芸術福祉財団は、芸能関係作業従事者を対象とする労災保険の特別加入について、2025年12月15日から個人での申し込み受付を開始した。

エンターテインメント業界では、コロナ禍で公演やイベントの中止が相次ぎ、多くの芸術家や実演家、スタッフが仕事を失った。一方で、雇用契約によらず働く人が多い業界構造のため、労災保険や失業手当といった社会保障の対象外となるケースが少なくなく、業界のセーフティネットの脆弱さが課題として浮き彫りになっていた。

こうした状況を受け、日本実演芸術福祉財団は2025年7月に創設された。実演芸術分野の事業者や興行主など発注側の団体と、実演家やスタッフら受注側の団体が連携し、業界全体で就労環境や福祉の向上に取り組む、実演芸術分野では初の枠組みとなる。財団は、実演芸術に携わる人たちが活動を「仕事」として安心して続けられる社会保障基盤の整備を目指している。

その第一歩として、財団は「労災保険センター」を設置し、2025年10月から労災保険特別加入の業務をスタートさせた。これまでは協同会員となる団体を通じた加入手続きが先行していたが、12月15日からは所属団体の有無を問わず、個人事業者として活動する実演家やスタッフ、制作者などが個人で申し込めるようになった。財団の会員でなくても加入手続きができる。

今回の仕組みの特徴は、加入者本人の負担軽減にある。財団の発起人や賛同団体、会員からの会費や支援金を労災保険センターの運営費に充てることで、加入時に必要となる手数料を大幅に抑えた。業界全体で費用を支え合うことで、これまで金銭的な理由から加入をためらっていた実演家やスタッフにも利用しやすい制度を目指す。

労災保険は、仕事中や通勤中のけが、病気、死亡などに対して給付を行う公的保険制度だ。雇用される労働者には事業主の加入義務がある一方、個人事業者として働く実演家やスタッフは原則として対象外だった。ただ、2021年4月からは「芸能関係作業従事者」が特別加入の対象に加わっており、今回の新たな運用体制は、その制度をより利用しやすくする後押しとなりそうだ。

芸団協はこれまで、芸術家のための社会保障に関する研究や実態調査を進めてきた。そうした検討の積み重ねの中で、業界内の立場を超えた団体が連携し、資金を出し合いながら加入促進と個人負担の軽減を両立させる仕組みが形になった。今後は、この取り組みを通じて、実演芸術の担い手が万が一に備えながら継続的に活動できる環境整備が進むかが注目される。

ゴールデンウィーク消費に陰り、物価高と国際情勢が影響か 外出控えの傾向も【インテージ調査】

 マーケティング調査会社のインテージが発表した調査によると、2026年のゴールデンウィーク(GW)における1人当たりの平均予算は2万7,660円となり、前年を下回った。新型コロナウイルス禍後に回復していたレジャー消費は、ここにきて再び慎重さが強まっている。

 調査では、GWの過ごし方について「特に予定はない」と回答した人が4割を超え、前年より増加した。物価上昇が続く中、家計防衛意識の高まりが外出や旅行の抑制につながっているとみられる。

 また、海外情勢の不透明さも消費心理に影響を与えている。約2割の回答者が「予算や予定を控えめにする」としており、地政学的リスクの高まりが大型支出をためらわせる要因となっている。

 一方、国内旅行については支出額が増加する傾向が見られたものの、宿泊日数は大きく伸びていない。背景には、宿泊費や交通費の上昇があり、同程度の旅行内容でも費用がかさむ実態がある。予算増加の理由として「物価高」を挙げた人は約6割に上った。

 消費は回復基調から一転し、選別的な支出へと移行しつつある。2026年のGWは、家計を取り巻く環境の厳しさを映し出す結果となった。

「ヒューマノイドロボットEXPO」が東京ビッグサイトで初開催 人型ロボットほか次世代ロボットの実物を展示 

RX Japanは本日4月15日から3日間、「NexTech Week 2026【春】」内で「第1回 ヒューマノイドロボット EXPO【春】」を初開催している。
会場内ではヒューマノイドロボットが実際に動かすデモンストレーションを各ブースで行うほか、導入事例を紹介する。

全身型車輪式ヒューマノイドロボット・UBTECH社製「Cruzr S2」の展示や、幼児と同じくらいの身長を持つBooster Robotics社製の二足歩行から転倒から起き上がるデモンストレーション、SenseTime Group Limited社のロボットとの五目並べ勝負も体験できる。

ヒューマノイドロボットが飲み物をサーブしてくれるドリンク配布カウンターや、会場の各所で実施するセミナーも見どころだ。テーマはフィジカルAI、ヒューマノイドロボットの現場導入、リスク対策とAIガバナンスなどを取り上げる。

中東情勢の緊迫化で塗装業界に影響拡大 日本塗装工業会が国交省に現状説明

中東情勢の緊迫化を背景に、シンナーや塗料など塗装関連資材の品薄と価格高騰が深刻さを増している。こうした状況を受け、一般社団法人日本塗装工業会は2026年4月7日、国土交通省に対して現状の説明と意見交換を行った。公表は4月9日。

当日は、日本塗装工業会から若宮副会長や河野常任理事らが出席し、国土交通省側は伊勢大臣官房参事官を含む計10人の担当官が参加した。会合では、同会が実施している会員アンケートの途中経過も共有され、会員の9割以上がすでに影響を受けているという厳しい実態が示された。資材の入手難に加え、経営面への打撃も大きいとして、業界の切迫した状況を訴えた。

この問題をめぐっては、経済産業省からも照会があり、役員会社がヒアリングに応じるなど、関係省庁との情報共有も進んでいるという。日本塗装工業会は今後、国土交通省をはじめとする関係機関と引き続き緊密に連携し、資材の安定供給と適正な取引環境の確保に向けた要望活動を継続していく方針だ。

東京の秋冬を彩る新たな都市型芸術祭「ARTE TOKYO」、2026年10月開幕

東京都と東京国際文化芸術祭実行委員会は、都市を舞台にした新たな文化芸術祭「ARTE TOKYO(東京国際文化芸術祭)」を2026年10月10日から12月31日まで開催する。会場は臨海エリア、日比谷・丸の内エリア、代々木・渋谷エリアの3つをコアに据え、アート、演劇、音楽、イルミネーション、エンターテインメントなど、秋から冬にかけて東京各地で展開される多彩なプログラムを横断的につないでいく構想だ。

ARTE TOKYOが目指すのは、個々の催しを単発のイベントとして見せるのではなく、都市全体の魅力として再編集することにある。人々の活動が高密度に重なり合う東京という都市空間に、文化芸術の創造的な営みを掛け合わせることで、新たな景色を立ち上げ、街を巡るなかで発見と感動が連続する都市型文化体験を創出するとしている。

初開催となる2026年は、3つのコアエリアそれぞれの個性を生かした展開が特徴となる。臨海エリアでは、水辺や大規模な都市インフラを背景に、光や水、音を活用した没入型の体験を広げる。日比谷・丸の内エリアでは、イルミネーションやアートプログラムがオフィス街と歴史ある都市景観に新たな表情を与える。代々木・渋谷エリアでは、若者文化やクリエイティブが集積する街の特性を生かし、回遊しながらアートに出会う体験を打ち出す。

中核となる「ARTEコアプログラム」では、公共空間や民間施設など街なかを舞台に、多くのアート・エンターテインメント企画を展開する。東京2020大会の文化プログラムの一部リバイバルに加え、これまで支援してきたアーティストやクリエーターも積極的に起用し、東京ならではのクリエイションを生み出す方針だ。

また、ARTE TOKYOは3エリアだけで完結するイベントではない。多摩・島しょ地域を含む都内各地へ広がる構想も示されており、各地に点在する文化芸術プログラムをゆるやかにつなぐ“プラットフォーム”として機能させる考えだ。東京の各地域が持つ個性やネットワークを重ね合わせることで、秋冬の東京に新たな文化的価値を浮かび上がらせる狙いがある。

あわせて、会期中の東京をともに盛り上げる「パートナープログラム」の公募も4月10日に始まった。募集期間は2026年5月15日までで、対象は会期中に都内で開催される文化・芸術・エンターテインメント関連の取り組み。公式広報媒体での紹介や情報発信、関係団体とのネットワーク形成などを通じて、相互誘客や企画連携を目指すという。

名称に掲げた「ARTE」は、ラテン語の「ARS(技芸・才能)」に由来し、イタリア語・スペイン語で「芸術・アート」を意味する言葉だ。ARTE TOKYOではこれを、アートを基軸にTechnology、Entertainment、Experience、Engagement、Ecosystemなど多様な領域が交わる概念として再解釈している。ロゴは東京都の輪郭をモチーフに構成され、都市をひとつの「場」として捉え、多様な出来事を包み込む器であることを表現している。

統括プロデューサーは齋藤精一氏、統括セノグラファーは永山祐子氏が務める。東京都が主催し、東京国際文化芸術祭実行委員会が実施主体となるこの新たな試みは、都市そのものを舞台に、東京の秋冬の風景を書き換える祭典となりそうだ。

二条城「SAKURA NIGHTS」が盛況 寛永行幸400年を光と映像で彩る

世界遺産・元離宮二条城(京都府京都市)で、夜間ライトアップイベント「二条城 2026 SAKURA NIGHTS」が開催され、連日多くの来場者で賑わいを見せている。主催は二条城桜まつり2026 夜間事業 実行委員会(株式会社ワン・ワールド、株式会社日商社、株式会社シムディレクト)。今年は、徳川幕府が後水尾天皇を二条城に迎えた「寛永行幸(かんえいぎょうこう)」から400年という歴史的な節目にあたる。これにちなみ「調和の文化をともに楽しむ」をテーマとした多彩なデジタルアートや演出が春の夜の城内を華やかに彩る。会期は2026年3月19日から4月19日まで。

本イベントの見どころは、日本アカデミー賞受賞の安田淳一監督が手掛ける没入型演劇(イマーシブシアター)「城劇」の公開だ。台所前庭を会場に上演される『陰陽師瑞希の時空戦記 寛永行幸を救え!』は主演に山戸穂乃葉(安倍瑞希役)を迎え、共演の西村優希(九条義景役)や矢口恭平(賀茂幻妖役)らが迫真の演技を披露。高さ5メートル・横幅25メートルに及ぶ大型映像と同一空間で展開し、観客を400年前の物語世界へと引き込む。同演劇は会期中の特定日に、午後6時45分と午後8時からの1日2回上演される。

国宝・二の丸御殿の夜間特別観覧も歴史ファンや観光客の関心を集めていた。さらに城内各所では、最新のデジタル技術と歴史的建造物が融合した演出が続く。二の丸御殿車寄への大型プロジェクションマッピングや重要文化財・唐門のライトアップが実施されるほか、清流園では桜の路に花びらの映像が投影されている。

「賑わい広場」では、京都市内初の都市型ワイナリーによるワインや西陣麦酒の販売、和蝋燭の絵付けや金箔押しといった伝統工芸の体験ワークショップも行われる。「二条城 2026 SAKURA NIGHTS」の開催時間は午後6時から午後10時までで、最終入場は午後9時。春の京都を象徴する夜間イベントは閉幕に向けてさらなる盛り上がりが期待される。

【特集】CEATEC 2025「エコ&デザインチャレンジ」優秀賞受賞企業インタビュー①ソニーグループ

Beyond the Boundaries  –  “境界を越えて、つながるデザイン”

ソニーグループは「CEATEC 2025」で社内外のイノベーション創出支援を行うSony Acceleration Platformの活動を出展し、同展の「エコ&デザインチャレンジ」優秀賞を受賞した。ブースのデザインコンセプトや出展内容について、同社クリエイティブセンターの宮下雄介氏とSony Acceleration Platformの沼田洋平氏に話を聞いた。

 

「越境」をデザインで表現した 洗練され温かみのあるブースに

――CEATEC 2025のブースコンセプトについてお聞かせください

宮下 ソニーグループ(以下、ソニーG)は“Beyond the Boundaries”をコンセプトに掲げ出展し、社内外のイノベーション創出支援を行うSony Acceleration Platformの活動を紹介しました。“Beyond the Boundaries ”は直訳すると「越境」という意味です。

現在、ソニーGでは長期ビジョン「Creative Entertainment Vision」の実現に向けて取り組んでいます。端的に言うと10年後にソニーがありたい姿を描いた長期ビジョンで、その実現に向けて、組織の壁を超えてつなげるバウンダリースパナー(異なる組織の間のコミュニケーションや協力を促進する存在)が重要になってきます。 Sony Acceleration Platformはグループ内でその概念を現場の共創活動へとつなげています。

――越境とは、具体的に何を指しますか

宮下 ひとえに越境と言っても、色々な概念があります。単純に領域を越えるという意味で使われることもあれば、事業間や組織の壁を取り払ったり、そこに所属する人々や事業そのものをつなぐこともあるでしょう。それらを包括したのが“Beyond the Boundaries”というコンセプトで、CEATEC 2025ではそれをもとにデザインしました。

――デザインする上でこだわった点について教えてください

宮下 空間ディレクションとして3つ軸があり、1つ目が「Sophisticated Hygge」と呼ばれている概念です。ただ洗練されているだけではなく、人の温かみや、つながりを表現することを目指しました。

2つ目が先ほども話に出てきた「Boundary Gradation」です。今回の展示ではビジュアルをゼロから開発するのではなく、 Sony Acceleration Platformのロゴにあしらわれている空と海それぞれを表すブルーとグリーンのグラデーションを、いかにデザインコンセプトに落とし込むかということに注力しました。

3つ目が、 Sony Acceleration Platformの活動の中核であるイノベーションを表す「Engaging Lights」です。イノベーションの源泉とは人の思いや閃き、情熱だったりするので、それをどうしたらブースに配置された照明を通じて表現できるかを考えました。

――ブースは青と緑の鮮やかなグラデーションが実に印象的でした

宮下 青と緑の配色は Sony Acceleration Platformのロゴが由来となっています。ファブリックに青から緑へのグラデーションを走らせることで、空と海の境を越え、その先に広がる可能性を表現しました。

 

構造物を減らし開かれた空間に 自社独自の環境配慮素材もフル活用

――ブースにはどのような形でエコを取り入れましたか

宮下 実際に現地でブースをご覧いただいた方はお気づきになったと思いますが、他の展示ブースと比べても、大きな構造物が取り払われたオープンな設計になっていました。環境負荷の低減とデザインを両立するためにファブリックを使い、誰もが入りやすい開かれた空間を構築しました。

展示パネルには、環境負荷が少ない紙素材「オリジナルブレンドマテリアル」を使用したほか、スタッフユニフォームに「Triporous™(トリポーラス™)」という天然由来の多孔質カーボン素材が使われている点も大きな特徴です。いずれもソニーが開発した環境配慮素材です。

――普段の業務からエコやサステナビリティといった考え方を重視しているのでしょうか

宮下 ソニーGでは、障がい者や高齢者を含むすべての人にとって利用しやすいものにするため、イベントにおけるアクセシビリティガイドラインを設けて取り組んでいます。そのため、CEATECに限らず、どのイベントにおいてもサステナビリティやインクルーシブという概念が組み込まれた設計となっています。

――エコとデザインの両立が難しいと感じたことはありますか

宮下 特にありません。デザインをする上で大事なのはエコだからどうとかではなく、お客様に何を体験していただき、何を感じていただくのかという、もっと本質的なことだと思っています。エコと体験価値の向上は相反するものではないはずです。

もちろん、環境負荷の高い素材の方が安かったり、廃棄が楽だったりするかもしれません。ですが持続可能性という観点から物事を考えたとき、今できていることが将来的にできなくなってしまうのは大きなマイナスです。それは次世代に対する責任の放棄にもつながりますので、我々がエコやサステナビリティの取り組みを進めていくことは、当然のことだと言えます。

 

明るい雰囲気で会話も弾んだ グループの新たな側面を訴求

――ブースを訪れた来場者の反応や評価はいかがでしたか

沼田 遠目から立ち止まって、ブースの全景を眺めている方が多かったのが印象的でした。ものすごく派手な装飾というわけではありませんでしたが、見た人を惹きつける魅力あるブースに仕上がっていたと思います。中でお客様と話をしていても、終始穏やかな雰囲気で、ブース全体が明るい感じでした。

―-来場者の方とはどのようなお話をされましたか

沼田 Sony Acceleration Platformで提供しているイノベーション支援サービスをはじめとした我々の活動内容をお伝えしました。中には毎年CEATECで当社ブースを訪れている方もいらっしゃいましたが、従来のハードウェア中心の展示とは違う、Sony Acceleration Platformのイノベーション事例の展示はかなり新鮮に映ったのではないでしょうか。ブースを訪れた多くのお客様に、これまでとは異なるソニーGの側面を伝えることができました。

――言われて嬉しかった言葉はありますか

沼田 CEATEC 2025の開催テーマである“Innovation for All”は、社内外のイノベーション創出を支援する Sony Acceleration Platformの活動内容に通じるものがあり、シナジーを感じました。お客様から、「ソニーGの事業開発ノウハウやグローバルネットワークを使い、社外と共創しながらイノベーション創出に取り組んでいることがよく分かった」と言っていただけたのは嬉しかったですね。

2026年で誕生から12年になるSony Acceleration Platformは、これまでにさまざまなアップデートを重ねてきました。その最新の姿をCEATEC 2025で見ていただき、スタッフの説明を通じて感じていただくことで、お客様の理解をより深められた実感があります。

 

「原型を創る」理念のもと 新しい価値観を創出していく

――CEATEC 2025で「エコ&デザインチャレンジ」優秀賞を受賞したお気持ちを聞かせてください

宮下 大変光栄なことだと感じています。今年から始まったこの取り組みは、持続可能かつ魅力的な展示会の在り方を追求し、ワクワクする空間づくりの促進によって、新たな価値と市場の発展に寄与し産業の活性化を図るものとうかがっています。

これは、「感動に満ちた世界を創り、次世代へつなぐ」というSony’s Sustainability Visionにも通じるところがあります。

ビジョンは単に存在するだけではなく、普段の業務、例えばクリエイティブセンターであればデザインをはじめとしたアウトプットに根付いていることが重要です。そういった意味で、常日頃から心掛けていることが、「エコ&デザインチャレンジ」優秀賞という形で評価されたことは、非常に意義深いことです。

沼田 私も、とても嬉しく感じています。 Sony Acceleration Platformのパーパスは、「あらゆる人の発想を実現させ、豊かで持続可能な社会を創り出す」というものです。“持続可能”という大事なキーワードが重なる「エコ&デザインチャレンジ」で、我々の理念を体現したブースが評価されたことは、大変意義深いことだと思います。

――今後、どういったデザインに挑戦してみたいですか

宮下 クリエイティブセンターが掲げている「原型を創る」という理念の元、空間デザインにおけるアプローチとしては、3つの指針があります。それが、①独自性があって印象に残る体験を生み出すこと、②来場者の行動や動線、体験の完成度を高めること、③背景や文脈を丁寧に読み解き、空間全体としてのストーリーを構築することです。

来場者が単に見て満足するのではなく、新しい価値観を創出できるような空間づくりが求められており、CEATEC 2025でも実現すべく全力を尽くしました。「原型を創る」のは言葉以上に難しいことですが、非常にやりがいのある挑戦だと思いますので、今後も多面的な視点を養いつつ達成できるよう努めていきます。

ソニーグループ

クリエイティブセンター コーポレートデザイン部門
スタジオ4 チーム1 プロデューサー
宮下 雄介 氏

Business Acceleration and Collaboration部門
Open Innovation and Collaboration部
Community and Communications Team 統括課長
沼田 洋平 氏

 

※本記事は「EventBiz Vol.42」に掲載した内容を編集したものです。