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【新施設】幕張海浜公園にヒューリックがアリーナ建設へ スポーツ・エンタメ事業に本格参入

ヒューリック株式会社は、スポーツ・エンターテインメント事業への新たな取り組みとして、千葉県立幕張海浜公園にて新たなアリーナ施設の開発を検討することを発表した。完成後は、Bリーグ所属のプロバスケットボールチーム「アルティーリ千葉」の本拠地として利用される予定だ。

計画によると、建設予定地はJR海浜幕張駅から徒歩3分の好立地。

敷地面積約5万㎡にわたり、地上6階建て、高さ約40mの鉄骨造を予定しており、2万人収容可能な国内最大級のアリーナを目指す。完成は2030年を予定しており、バスケットボールの試合に加え、音楽ライブやエンターテインメントイベントなど多目的に活用できるマルチユース型施設として整備される。

同社は施設を自ら建設したうえで、完成後に千葉市へ寄附する「負担付寄附」という官民連携の整備手法を検討しており、アリーナを核として周辺地域の賑わいをさらに高める等、地域のまちづくりに貢献していくという。

同社は、次の”10 年後のヒューリック”に向けた取り組みの一環として、新規領域であるスポーツ・エンターテインメント事業への参入を進めており、本事業においては「アリーナ施設」の開発に加え、アリーナ運営やサービス提供を通じた事業利益の創出も目指していく。

 

※パースは現時点でのイメージであり、今後変更の可能性がある

所在地 (住居表示) 千葉県千葉市美浜区ひび野1丁目 110
交 通 JR 京葉線 海浜幕張駅 徒歩 3 分
東関東自動車道 海浜千葉 IC 車 約 3 分
敷地面積 約 50,000 ㎡
建築面積 約 20,000 ㎡
延床面積 約 50,000 ㎡
階数 地上 6 階
建物高さ 地上約 40m
構造 鉄骨造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造
アリーナ規模 客席2万席規模
サブアリーナ仕様 バスケットコート1面

【自工会】Japan Mobility Show 2025(ジャパンモビリティショー)の開催概要を発表

自動車工業会(自工会)は6月24日、報道関係者向けに「Japan Mobility Show 2025(ジャパンモビリティショー2025)」の企画概要説明会を実施し、開催テーマや主催者プログラムの概要を発表した。

2025年の会期は10月30日から11月9日までの11日間で、東京ビッグサイトを中心に開催される。

今年の開催コンセプトは、「ワクワクする未来を、探しに行こう!」。子どもから大人まで、モビリティに触れる全ての人が未来への期待を共有し、ともに新しい社会を考える場となることを目指す。

キャッチコピーには「いくっしょ、モビショー!」が掲げられ、来場を呼びかける。

各部門によるブース出展では、国内や海外の自動車メーカーはもちろん、様々な産業から多くのメーカーが集い、ワクワクするプレゼンテーションが行われる予定だ。

今回のショーには130社の出展が予定され、国内外のモビリティメーカーが一堂に会する場となる。

主催者プログラムは「FUTURE(未来)」「CULTURE(文化)」「CREATION(共創)」の3つのキーワードを軸に展開される。

① モビリティの未来の姿にワクワク(#FUTURE)

前回ショーで好評だったTokyo Future Tourの第2弾。

今回は「Tokyo Future Tour 2035(トーキョーフューチャーツアー2035
ニーマルサンゴー
)
)」と銘を打ち、近すぎず遠すぎない10年後の近未来の技術やそれによってもたらされる生活の変化を体感できる。

本プログラムでは様々な産業から100以上の企業・団体が集まり、2035年の未来の東京が出現する。

②モビリティそのものにワクワク(#CULTURE)

これまでも、人々の生活に深く根ざし、ワクワクをもたらす存在であり続けてきたクルマ・バイクを中心に、様々なモビリティとそれらが持つストーリーに焦点を当てた、モビリティ好きの人が本気で楽しめるモビショーならではのプログラム。

時代を遡り、過去から現在の文化や世相と共に、その象徴として輝いていた乗り物が登場するカルチャー展示では、当時を知る人には懐かしく、初めて知った人でも好奇心がくすぐられ、胸が高鳴るような体験を提供。

また、屋外エリアでは、次世代燃料ごとのパフォーマンスを感じられるショーラン、レーシングカーやヒストリックカー、SUVなどで行う大迫力のデモラン&同乗体験を通じて、日常にある乗り物が生み出す非日常的なワクワクを体験できる。

さらに、貴重なスーパーカーやカスタムカー、キャンピングカーをはじめ、モビリティ好きの輪が広がるコミュニティゾーン、子ども連れでも楽しめる、はたらく乗り物の展示や大人気のトミカブース、全国各地からの特産品が集まる軽トラ市など、来場者がワクワクするような様々な企画を用意している。

③モビリティのビジネスにワクワク(#CREATION)

モビリティ産業の拡張を目指し、スタートアップ企業と事業会社のビジネス共創による新しいワクワクを生み出す場として、ブース出展とピッチコンテスト&アワードを実施。

ブース出展には、多くのスタートアップ企業が参加を予定しており、業種・業界に限らない連携など、多くの共創を強力にサポートする。

ピッチコンテスト&アワードは、事業ステージごとの2部門制となり、それぞれの事業ステージごとのニーズに合わせたベネフィットを準備している。

トークステージ「未来モビリティ会議」では、「未来はみんなでつくるもの」を合言葉に、自工会正副会長による「これからのモビリティ社会のあり方」について語らう特別セッションのほか、多様な切り口でビジネス共創の気付きを得られるビジネスセッションや、一般来場者も楽しみやすいテーマのトークセッションを予定している。

前回開催でも好評だった職業・社会体験施設「キッザニア」とのコラボレーションコンテンツである「Out of KidZania in Japan Mobility Show」を今回も実施。小学生以下を対象に、モビリティ産業に関わる多様な仕事を体験できるコンテンツだ。

また、会場の各所に「フードエリア」としてバリエーション豊かなキッチンカーが集結。楽しい食体験のほか会場回遊時の休憩場所としても利用できる。

プレスデー

10月29日(水)  8:00~18:00
10月30日(木)  8:00~13:00

オフィシャルデー

10月30日(木) 13:30~18:00

特別招待日/障がい者手帳をお持ちの方の特別見学日

10月31日(金)  9:00~19:00

一般公開日

10月31日(金) 13:30~19:00
11月1日(土),3日(月・祝),8日(土)  9:00~19:00
11月2日(日),9日(日)  9:00~18:00
11月4日(火)~7日(金) 10:00~19:00

【レポート】幕張メッセで「東京アウトドアショー2025」「東京ドッグショー2025」が開催

幕張メッセで6月27日から29日、TOKYO OUTDOOR SHOW 2025/TOKYO DOG SHOW 2025が開催された。

東京アウトドアショー2025(TOKYO OUTDOOR SHOW 2025)はアウトドア、モビリティ、エコロジーなどの最新情報を、知って、買えて、体験できる総合イベント。

東京ドッグショー2025(TOKYO DOG SHOW 2025)は初開催。

「人と犬の温かく豊かな生活を応援」をテーマに、最新のアイテムからフード・美容・サービス・施設・保険等の紹介から、移動を快適にするモビリティーの提案まで、多様な情報を提供する展示会だ。

TOKYO DOG SHOW 2025併催に伴い、どちらの展示会も犬の同伴が可能となった。

【レポート】東京ビッグサイトで「Smart Sensing2025」「SEMISOL2025 半導体後工程技術&ソリューション展」が開催

6月18日から20日、東京ビッグサイトで「Smart Sensing」「SEMISOL 半導体後工程技術&ソリューション展」が開催された。

「Smart Sensing」は従来のセンサに加えて、最先端でユニークなセンサ技術を扱う企業が一堂に会する場として、業界の発展をサポートし、新たなビジネスマッチングの場を提供することを目指す展示会。

これまで電子機器トータルソリューション展との同時開催を行ってきたが、今回は「Smart Sensing展」単独での開催となった。

「SEMISOL 半導体後工程技術&ソリューション展」は、半導体産業の進化を支える「後工程の高付加価値化」に着目し、より高機能で高信頼性な半導体デバイス実現に貢献するため立ち上げられた展示会。

最新の後工程技術がもたらす産業へのインパクトや、AI、5G、IoT、車載向けの新規アプリケーション領域への展開をテーマに取り上げ、さまざまなソリューションや材料、装置の展示を通じて次世代の半導体市場を支えるビジネスマッチングの場を提供した。

来場者数は5,270名だった。

【新刊情報】展示会ビジネスの現状と未来『展示会の力 Power of Exhibitions Field of Dreams』発行

インプレスグループでIT関連メディア事業を展開するインプレスは6月27日、インプレス NextPublishingの新刊『展示会の力 Power of Exhibitions Field of Dreams』(編著者:堀 正人/管埜 寛之)を発行した。

同書では展示会産業の課題と今後の展望について、様々な角度から考察している。

コロナ禍を越えて、オンラインやハイブリッド形式のビジネスマッチングが普及し、ビジネスインバウンドの海外からの来場者や出展者が増加してきた。また、展示会の開催には、環境に配慮した持続的運営への関心がより高まってきた。

このような環境変化のなかで、展示会の価値が見直された一方で、展示会産業には、デジタル化への対応、国際化への対応、持続可能性への対応、会場確保といった課題が現れてきた。

こうした課題に対してどのように対応すべきか、著者二人が検討を重ねている。また一方、多方面の関係者に取材し、その考察と提言をまとめている。「展示会の現場から」では、展示会の主催者、展示会場、サービスサプライヤー、展示会メディアにインタビューを行い、「日本への提言」は、米国、英国から2名の意見、また経済産業省からのメッセージを掲載している。

本文は170ページで、電子書籍版は1,600円(税抜)。印刷書籍版は2,200円(税抜)となっている。

 

<目次>

1 対談1 「ビジネスモデルとビジネスマッチング」 ──堀 正人・管埜寛之
2 展示会の現場から1 展示会主催者
  展示会は未来を動かすビジネスインフラ ──RX Japan 田中岳志
  展示会は世界を動かすプラットフォーム ──Informa Markets クリストファー・イブ
  産業の進化と社会の変化を映し出すメディア ──日刊工業新聞社 林 英雄
  人をつなぐことこそが「展示会」の本質 ──ビジネスガイド社 芳賀信享
3 日本への提言1 英国から ──ニール・レベット
4 対談2 「展示会の経済効果・理想の展示会とは?」──堀 正人・管埜寛之
5 展示会の現場から2 展示会場
  「熱気の舞台」としての展示会 ──東京ビッグサイト 山田栄樹
  展示会は社会と技術を映す鏡 ──幕張メッセ 伊藤昌徳
  展示会の可能性と地域・国際社会への接続 ──インテックス大阪 近藤秀樹
6 対談3 「未来への明るい兆し」 ──堀 正人・管埜寛之
7 2024年国内展示会市場の概観 ──管埜寛之
8 展示会の現場から3 サービスサプライヤー
  展示会の未来をつくるのは、“人”と“仕組み” ──トーガシ 吉田守克
  体験をつくる、価値を届ける ──博展 原田 淳
9 日本への提言2 米国から ──ロバート・プリーストヘック
10 展示会の現場から4 展示会メディア
  展示会業界の過去・現在・未来 ──ピーオーピー 坂本映二
  展示会が変わる、産業が変わる ──EVENT MARKETING 田中 力
  展示会が変える地域と世界と未来 ──MICE Japan 森口巳都留
11 展示会はイノベーションの交差点 ──経済産業省 前川恭徳・松本友理奈
12 社長の一言 ──堀 正人

<編著者紹介>

堀 正人(ほり まさと)

1960年12月神奈川生まれ。26年間広告会社に勤務。国内及び海外にて、BtoCマーケティング、ブランド管理、海外での会社経営、企業提携、M&Aなどの業務を執行。2011年株式会社イノベントの取締役代表執行役社長に就任。展示会を最も有効なBtoBマーケティングのメディアとして位置づけ、独自のマッチングの仕組みを展開。展示会ビジネスの明るい未来づくりを目指して志高く活動。株式会社イノベント主催の主な展示会は、FOOD STYLE、ラーメン産業展、住宅・建築・不動産の総合展示会BREX、ODEX、九州半導体産展、九州次世代物流展、IR(統合型リゾート)産業展、外国人総合支援ワールド、など。現在は一般社団法人 日本展示会協会・会長、東京都MICE連携推進協議会・委員、公益社団法人日本調理師連合会・経営顧問、一般社団法人日本ラーメン協会・副理事長を務める。(2025年6月現在)

管埜 寛之(すがの ひろゆき)

1954年11月東京生まれ。出版社勤務を経て展示会主催会社や米国系メディア会社などにて展示会での業務歴36年。展示会の立ち上げを経験。インターネット技術の展示会「INTEROP(最初はNetWorld+Interop)」、コンピュータ展示会 「COMDEX」といった米国イベントの日本進出やオリジナル展示会として開発した「VIDEX JAPAN」、「Japan Drone」などの企画・主催業務のメインプロデューサーを担当してきた。 2009年に株式会社コングレに入社し、国際会議の運営、関連展示会を手掛ける。コングレの取締役執行役員およびグループ会社、株式会社スペースメディアジャパンの代表取締役社長を務めた後、2020年6月にフリーランスに。 現在、株式会社コングレのジェネラル・プロデューサーも務める。経済産業省発行の「展示会産業概論」制作時の展示会産業人材育成委員会委員(2011-2012)、ポートメッセなごやアドバイザリーボード委員などに参加している。著書に『米国流展示会ビジネスの実践法』(2024年インプレス刊)がある。

<販売ストア>

電子書籍:Amazon Kindleストア、楽天Koboイーブックストア、Apple Books、紀伊國屋書店 Kinoppy、Google Playストア、honto 電子書籍ストア、ソニー Reader Store、ブックライブ、BOOK☆WALKER

印刷書籍:Amazon.co.jp

今週の展示会スケジュール(6/30~7/6)

▽東京都
07/02(水)~07/04(金)
東京ビッグサイト
自治体・公共week
自治体向けサービスEXPO
スマートシティ 推進EXPO
自治体DX展
地域防災EXPO
地方創生EXPO
インフラメンテナンス展
地域福祉EXPO

07/02(水)~07/04(金)
東京ビッグサイト
ライフスタイル Week【夏】
Good Foods EXPO【夏】
国際ヘルス&ビューティグッズEXPO[夏]
国際雑貨EXPO[夏]
DESIGN TOKYO-国際デザイン製品展-
国際ベビー&キッズEXPO[夏]
国際サステナブルグッズEXPO[夏]
国際テーブル&キッチンウェアEXPO[夏]
国際文具・紙製品展
国際ファッション雑貨EXPO[夏]
インバウンド向けグッズ EXPO
推し活 EXPO

07/02(水)~07/04(金)
東京ビッグサイト
コンテンツ東京
第17回 ライセンシング ジャパン
第16回 クリエイターEXPO
第15回 映像・CG制作展
第13回 広告クリエイティブ・マーケティングEXPO
第13回 コミュニケーションデザインEXPO
第1回 イマーシブテクノロジーEXPO

07/02(水)~07/04(金)
東京ビッグサイト
第5回 XR・メタバース総合展【夏】

07/04(金)
東京都立産業貿易センター浜松町館
『食の魅力』発見商談会 2025

▽大阪府
07/02(水)~07/03(木)
ATCホール
第10回関西放送機器展

07/03(木)~07/04(金)
マイドームおおさか
第12回「震災対策技術展」大阪

▽福岡県
07/02(水)~07/04(金)
西日本総合展示場
課題解決EXPO
西日本製造技術イノベーション2025
中小企業テクノフェア in 九州 2025
西日本DX推進フェア 2025
エコテクノ2025~地球環境ソリューション展/エネルギー先端技術展~

イベント業界のCO2排出量算定法を統一化へ JACE加盟12社が「カーボンカリキュレーター」開発

一般社団法人日本イベント産業振興協会(JACE)に加盟する12社が、業界共通の「カーボンカリキュレーター」開発に乗り出した。

企業ごとにバラバラだった算定方法や範囲を統一することで、同一基準による比較可能性と透明性を確保していく。

近年、イベント業界でも制作から運営、撤収・廃棄に至るまでの各工程におけるCO₂排出量を正確に算定する「カーボンカリキュレーター」に関する取り組みが活性化してきたが、計測に使用する材料や計測範囲の違いなどから、同じイベントであっても計測値に大きな差異が生じ、目標設定が曖昧になるというケースが見受けられていた。

こうした事象の解決に向けて一般社団法人日本イベント産業振興協会所属の有志が集まり、どの会社が計測しても、同じ算定結果が出る透明性の高いカーボンカリキュレーターを開発する運びとなった。

従来のカーボンカリキュレーターでは、素材に対する金額換算による算定方法を多く用いてきた。

しかし、より精度の高い算定、算定後の削減プラン検討のしやすさを高めるためには、重量換算など測定者によって変動しづらい算定方法を出来る限り採用したカーボンカリキュレーターが最適であるという考えのもと、株式会社博報堂プロダクツが開発した炭素測定オンラインプラットフォーム“SUSTAINABLE ENGINE CARBON SIMULATOR”をベースとし、新たなカーボンカリキュレーターの開発に取り組むことになったという。

サステナビリティ開示基準を満たすツールとして、イベント業界に携わるあらゆる人が利用できるよう、2025年度内のデモ版リリースを目標に開発を進めていく。

ロッキング・オンが仕掛ける音楽花火イベント 「rockin’star Carnival」 10月開催へ

音楽と花火の融合による新たなエンターテインメントが誕生する。音楽フェス「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」などを手がけるロッキング・オンが、初の試みとなる音楽花火イベント「rockin’star Carnival(ロッキンスター・カーニバル)」を2025年10月4日(土)、国営ひたち海浜公園にて開催すると発表した。

本イベントは、J-ROCK・J-POPの名曲を中心としたDJパフォーマンスと、約2万発に及ぶ花火のシンクロ演出によって構成される75分間のショー。

ステージ上のDJプレイにシンクロして、楽曲の世界観を表現する花火を打ち上げる。

「音楽ライブでもなく、従来の花火大会でもない」という、まったく新しいスタイルが特徴だ。

出演は、J-POP/J-ROCK DJとして人気のDJ和。過去には「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」や「JAPAN JAM」のクロージングアクトも務めており、彼の選曲とステージ演出に合わせて、圧巻の花火が夜空を彩る。なお、セットリストは当日まで非公開となっており、どんな楽曲が飛び出すかも注目が集まる。

観覧エリアは「スタンディングゾーン」「フリーゾーン」「シートゾーン」の3つに分かれ、座席指定はなく自由に行き来が可能。音楽ライブのような熱狂から、ゆったりと花火を楽しむスタイルまで、多様な楽しみ方ができる。

また、会場内では「JAPAN Sweets Festival」が同時開催され、全国のスイーツ名店が出店。さらに「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」で人気の“フェス飯”も多数登場予定だ。

国営ひたち海浜公園の広大な自然を舞台にした本イベント。赤く染まり始めるコキアとともに、秋空の下で特別な一日を過ごせるだろう。

【開幕!大阪・関西万博】アイルランドの想いを大阪でカタチに ~タイプ A パビリオン完成第1号の舞台裏

2025年の大阪・関西万博では、さまざまな国や企業による個性的なパビリオンが建設されている。参加国が自ら設計・建設する「タイプ A」パビリオンは47カ国42棟。その中で最初に完成したのがアイルランドパビリオンで、イベントの企画制作や運営などを手掛ける TSP 太陽が施工を担った。今回、担当者である森哲二氏に、海外設計による意匠を日本で具体化したプロセスについて聞いた。

EventBiz vol.39 特集「開幕!大阪・関西万博」より転載)

森哲二氏

TSP 太陽
事業統括本部 プロデュース事業部
2025 万博 PJ /課長
森 哲二 氏

デザインを“翻訳”する

アイルランドパビリオン外観

─外観が印象的なアイルランドパビリオンですが、どのような経緯で実現したのでしょうか

パビリオンの基本的なデザインは、アイルランドの公共事業局(Office of Public Works / OPW)の設計チームが担当しました。外観の意匠やコンセプトはアイルランド側の意向を尊重したものです。
当社の役割は、そのデザインを日本の建築基準法や建材の実情に合わせて実現していくことです。例えば「この素材は日本では使用できない」「この工法は法規制に抵触する可能性がある」といった点を洗い出しながら、現実的な代替案を提示しました。
中でも象徴的なデザインである「トリスケル(三つの円が重なる形)」は、表現の核となる重要な要素でした。しかしながら、丸みを帯びた構造であるため、直線を基本とする日本の鉄骨施工とは発想が異なります。曲線を多用する設計はコストがかかるためです。実際には、直線的な鉄骨部材をどのように組み合わせて曲面を表現するかという点に技術と工夫を注ぎました。
また、外壁に使用している木製ルーバーはアイルランド産の木材を使っています。まだ現物が製材されていない段階から、ピッチや奥行きによる見え方を事前に確認する必要がありました。日本でモックアップを製作しながら、アイルランド側と細かい調整を重ねました。こだわりに丁寧に向き合い、しっかりとかたちにできたと思っています。

アイルランドパビリオン外観

国境を越えたチームワーク

─海外プロジェクトということで、言語や文化の違いで苦労された点もあったのでは

ありましたね。打ち合わせは基本的にすべて英語で行われたため、毎回の会議に相応の準備が必要だったことはもちろんですが、時差の関係もあって。日本時間の夕方6時から夜9時までが打ち合わせの時間帯になることが多く、通訳担当の負担も大きかったです。製作図面も英語に翻訳して提出する必要があったため、通常以上の工数がかかりました。
一方で、アイルランドの関係者の方々は終始フレンドリーで、文化や言葉の違いを超えてスムーズなやりとりができました。チームワークの良さを強く実感した仕事でもありましたね。

─夢洲という特殊な会場での施工について難しかった点はありますか

夢洲は埋立地ゆえに地盤があまり強くありません。そのため、建物によっては杭打ちが必要になるケースがありますが、アイルランドパビリオンは比較的軽量な構造だったため、できるだけ建物の重量を抑えることが求められました。博覧会協会から推奨された工法の一つである「浮き基礎」はアイルランド側では馴染みがなく、実施にあたり丁寧な説明が必要でした。

浮き基礎…建物の重さと同等の土を事前に取り除くことで、地盤への負荷を抑える基礎工法。

アイルランドパビリオン外観
中央に立つ池澤氏(TSP太陽・代表取締役社長)と政府代表団との集合写真。左端は副政府代表のオズターク氏、左から3人目は駐日大使のコール氏、右から3人目は外務省事務局長のハケット氏、右から2人目は政府代表のオブライエン氏。ほかは外務省関係者。(撮影=森氏)

─「タイプA」パビリオンの中でアイルランドが完成第1号でした。長期間にわたるプロジェクトでしたが、振り返ってみていかがでしたか

施工期間は2024年1月の着工から2025年2月末の引き渡しまで、1年以上にわたりましたが、小さな事故さえも一切なく完了できたことは大きな成果でした。
実は今回、設計を担当していたOPW の担当者は、建設期間中に一度も現地を訪れることができませんでした。そこで、現場にライブカメラを設置し、進捗状況を3D データと合わせてオンラインで共有する仕組みを整えました。実際に、OPWの方が初めて現地を訪れたときに「自分たちが描いた通りの建物ができている」ととても喜んでくださったのが印象的でした。

文化を体感する空間

─来場者には、どのような点に注目してほしいですか

今回の展示は、他国のパビリオンのようなデジタル技術で驚かせる演出ではなく、より五感で味わうような空間体験が特徴です。
大きなホールではアイルランドの雄大な自然風景が大画面に映し出され、現地の音楽と組み合わせることで、非常に落ち着いた雰囲気の中で文化を感じられる構成になっています。ぜひゆっくりと過ごしていただきたいです。
屋外には、金色の大きなリング状のモニュメントが設置されています。これはアイルランドの著名なアーティストであるジョセフ・ウォルシュ氏による作品で、現地から日本に輸送されてきたものです。その周囲には、季節ごとに表情が変わる植栽が施されています。アイルランドの風景に調和する樹木が選ばれており、時間の経過とともに空間の雰囲気も少しずつ変化していきます。
また、日本でいう「手水鉢(ちょうずばち)」のような石が配置されているのですが、これもアイルランドから持ち込まれたもの。水が流れる中で石が数百年もかけて自然に削られたもので、非常に貴重な展示物です。会期終了後にはアイルランドに戻される予定です。
今回、アイルランドから来ている学生や留学経験のある日本人スタッフも運営に携わっています。彼らもとてもフレンドリーで、来場された方にも、そのあたたかい雰囲気を感じ取っていただければ嬉しいです。

アイルランドパビリオン外観

猛暑でイベント時季の変更相次ぐ ロッキンジャパンも9月開催へ

近年、日本列島を襲う記録的な猛暑が、夏の風物詩である各地のイベントにも影響を及ぼしており、熱中症リスクに対応するため、主催者が開催時期を変更するケースが相次いでいる。

伝統行事も日程見直し

福島県の「相馬野馬追」や、三重県四日市の「鯨船祭」など、歴史ある夏祭りも暑さ回避のため開催時期を変更している。

相馬野馬追は熱による馬の死亡事例を受け、去年から7月から5月開催へと移行。鯨船祭も8月から9月の秋祭へと移された。

ロッキンジャパンも9月に移行

国内最大級の野外音楽フェス「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」(通称ロッキンジャパン)も、2025年から千葉市蘇我スポーツ公園で時期を9月13日から9月21日へ移して開催される。

Jフェス総合プロデューサーの海津 亮氏はHPで以下のようにコメントを発表している。

「近年の気候変動の中、8月に野外音楽フェスを開催することには運営上の様々な工夫を必要とします。

全国各地の夏フェスもそれぞれ救護体制を強化して熱中症対策にあたっていますが、蘇我スポーツ公園で行われるロック・イン・ジャパンは動員が6万人に迫る大規模なフェスで、且つ出演アーティスト構成が多様なため毎回フェスに慣れていない初参加者も多数含まれます。

そうした特性を考えた結果、8月での開催を継続することは困難だと判断するに至りました。」

 

これらの背景には、気候変動による夏の猛暑化、熱中症患者の増加と救護施設の限界があるだろう。

野外や広場でのイベントでは、水分補給ポイントやクールダウン設備の強化に加え、時期そのものの移動が新たな常態となりつつある。ロッキンジャパンの変革は象徴的だ。

今後も気候変動と観客・演者の安全配慮、快適性の潮流を背景に、イベント業界の動向から目が離せない。