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ユニークベニュー利用促進協議会が発足

 

観光庁は8月19日、第1回ユニークベニュー利用促進協議会を開催した。同協議会は、昨年11月から開催されていたMICE競争力強化委員会の最終とりまとめで、定められたアクションプログラムの一環として発足。初回は東京都内の博物館と美術館に対象を絞り、ユニークベニューの開発と利用促進を推進していくもの。ユニークベニューにおける課題を調査し、解決策を考察して、施設が意義を理解しスムーズに利用開放を進められる手引き書としてのガイドラインを策定する。

協議会では、事業の概要説明に続き、調査内容の検討、ガイドライン(案)、報告所の項目(案)などが検討されたほか、東京国立博物館のユニークベニュー活用事例の報告があった。

※東京国立博物館の事例については展示会とMICE Vol.7 季節のヴェニュー参照のこと(バックナンバーはamazonから購入可能

今後、対象施設に対する利用開放意向調査、海外事例調査、ガイドラインの策定、普及・促進の実施、対象施設でのイベント開催(目標3件)などを行なっていく。ガイドラインの策定は今年12月を予定している。

 

委員およびオブザーバーは下記の通り(敬称略)

<委員>
東京都産業労働局観光部 企画調整担当課長 猪口純子
日本ホテル協会 事務局長 岩佐 英美子
国立文化財機構 東京国立博物館 栗原祐司
JTBグローバルマーケティング&トラベル 企画総務部 営業企画課長 黒田秀之
The J Team 代表取締役 ゲライント ホルト
日本旅行業協会 国内・訪日旅行推進部 副部長 後藤和男
コングレ コンベンション事業本部 国際営業部 副部長 田中弘一
東京観光財団 コンベンション事業部次長 戸田加寿子
大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会 都市観光・文化研究会 座長 西本龍生
日本博物館協会 専務理事 半田昌之
日本コンベンションサービス 執行役員 MICE都市研究所長 広江真
イベントサービス 代表取締役社長 森本福夫
首都大学東京 都市環境学研究科 観光科学域特任准教授 矢ケ崎紀子
文部科学省 生涯学習政策局 社会教育課長 坪田知広
文化庁 長官官房国際課長 佐藤透
観光庁 国際会議等担当参事官 内田浩行

<オブザーバー>
国際観光振興機構 コンベンション誘致部長 蜷川彰

PB・OEM商品の売上アップ・販路開拓セミナー 参加者を募集

日本能率協会は、食品、日用品、ビューティー・ヘルスケアなどのメーカー、パッケージ・印刷企業などを対象に、「PB・OEM商品の売上アップ・販路開拓セミナー」を9月13日、機械振興会館(東京都港区)で開催する。時間は14時30分から16時30分の2時間。

昨今PB・OEM商品を取り巻く環境は、大手流通企業だけでなく、地方スーパー、ホテル、レジャー施設、ホームセンターや書店など幅広い業種で商品開発が強化されており、それを支える受託メーカーも、従来のコストダウン重視から、消費者目線・バイヤー目線に立った共同開発のパートナーとして重要な役割へとシフトしている。

こうした現状を受け、PB・OEM開発に関する専門展示会「国際PB・OEM開発展」を主催する日本能率協会では、セミナーを開催し、バイヤーの期待に応え、期待を上回る商品開発や提案のポイントについて、バイヤーの本音や事例を交え紹介、バイヤーが取引先に知っておいてほしい「下請法」についてポイントをわかりやすく解説する。

参加費は無料。申込みは、下記の「国際PB・OEM開発展」ホームページで受け付けている。
http://www.jma.or.jp/pb/

◆PB・OEM商品の売上アップ・販路開拓セミナー
「バイヤーから選ばれ続けるPB・OEM商品開発・提案とは」開催概要

日  時:2013年9月13日(金) 14:30~16:30
会  場:機械振興会館 ホール(地下2階) 東京都港区芝公園3-5-8
料  金:無料
参加対象:食品、日用品、ビューティー・ヘルスケアなどのメーカー、パッケージ・印刷企業
申込方法:「国際PB・OEM開発展」ホームページ(http://www.jma.or.jp/pb/)より申込み
申込締切:2013年9月6日(金)※先着順、定員200名になり次第締切
問合せ先:日本能率協会 国際PB・OEM開発展事務局(TEL:03-3434-1377)

◆プログラム内容
1.作る側だけじゃない「買う側」からの目線「バイヤーが取引先に知っておいてほしい「下請法」
公正取引委員会 事務総局 取引部 企業取引課

2.「バイヤーから選ばれ続けるPB・OEM商品開発・提案のポイント」
株式会社日本能率協会コンサルティング 経営コンサルティング事業本部
シニア・コンサルタント 野元 伸一郎氏

3.「バイヤーがPB・OEMメーカーに求めていること」
一般社団法人日本能率協会「国際PB・OEM開発展」事務局

総務とMICE ~MICE専門家の視点で実現する効率的なイベントプランニング~

月刊総務9月号で、企業を強くする「場」の創り方と題して特集が組まれ、社内研修、周年行事、社内イベント、そしてMICEについても取り上げられた。同記事内では、弊社の展示会とMICE誌編集部の田中がインタビューにこたえており、企業内で行なわれるさまざまな行事について、MICEという視点やイベントプランナーのノウハウを用いることで、より効果的に企業活性化を実現するとMICEの意義を説明。コスト削減、ROI向上につながる手法についても説明した。

記事の詳細は「月刊総務9月号」(富士山マガジンから購入可能
また、企業イベントのROI測定については「展示会とMICE Vol.3 結果を出す指標講座」(バックナンバーはamazon.comからも購入可能))を参照のこと。

 

【連載】経営視点から見る展示会活用法 第8回 アフターフォロー ~マーケティングからセールスへ その2~

連載:経営視点から見る展示会活用法

第8回
アフターフォロー ~マーケティングからセールスへ その2~

柴崎 智弘氏(船井総合研究所)

みなさん
こんにちは。船井総合研究所の柴崎です。

前回の連載第7回では、展示会の後は、スピードが大事である、ということで、展示会のブースの中で顧客の層別を行ない、その日のうちに、スピーディーに御礼メールをお送りすることが重要である、とお伝えしました。

実際に、成約・売上につなげるためには、この後が、さらに重要になってきます。

それは、御礼メールを送信した先に、顧客の層別にそって、すぐさまにアポイントメントを取得することです。

アポを取る優先順位とスケジュールは以下の通りです。

顧客ランクA:展示会終了後、3日以内に必ずアポ取得、1か月以内に全社訪問完了

顧客ランクB:展示会終了後、1週間以内にすべてに架電、2週間以内にすべてアポ取得、3か月以内に全社訪問

これを必ず行ないます。

これをやらなければ、いくら時間と手間をかけて展示会に出展しても、お金をかけて装飾して、集客しても、まったく意味がありません!

それを行なうために、ここからは、マーケではなく、営業マンが絶対守らなければいけないことがあります。

それは、事前に、展示会の後、最低3日間は、日程をあけておく!
ということです。

日常の営業活動の延長で、展示会に臨んでしまうと、展示会の後も、普通に先約のアポが入っており、まったく身動きが取れません。
これが成果がでない、失敗する大きな原因です。

ですから、必ず展示会後、少なくとも3日間。
できたら、1週間は、予定を空けておく、ということが重要です。

この下準備ができていれば、展示会のブースの中で、その日のうちにアポも取れるのです。

そして、展示会後の訪問が、営業担当者がどうしてもいけないときには、誰かマーケの担当者でもいいから訪問して欲しいのです。

その時に何を話して良いのか迷わずに訪問できるよう、ヒアリング項目を以下に示します。

1.展示会来場の御礼

2.展示会での感想(何が良かったか?他のブースでいいものがあったか?)

3.予算:この案件について、社内で予算を設定しているのか?

4.権限:お会いしている人はどういう立場なのか?
情報収集の担当なのか?決定する人は別にいるのか?
決定する人が別にいるのであれば、その人に会うことはできないか?

5.ニーズ:この商品・サービスを検討しようと思ったきっかけとなるニーズ・課題は何か?

6.時期:この商品・サービスは仮に導入するとしたらいつか?、それはなぜか?

7.競合:本件で競合はいるか?、どこの・何を検討しているのか?

以上の内容を聞くだけであれば、他の担当者でも問題ありません。

エース級の人が多忙で行けない場合には、とにかく一刻も早く、こちらの質問内容をもって誰かが訪問し、案件化させてください!

これが、展示会における営業のもっとも大事なことだと思っています。

ここから成約させるスキルは、またそれぞれの営業についての教科書が出ているかと思いますので、参考にしていただければと思います。

ちなみに、上記に展示会当日に、ブース内でアポを取る、というお話をさせていただきましたが、これが一番ベストです。

そのために、日程も空けて出展ブースに立ち、営業に挑みたいところです。

さらに、当日アポを取りやすくするのが、ブース内の動画配信です。

ブース内では、色々なコンテンツがあります。

1.実演・デモ

2.ミニセミナー・ミニ講演

3.動画配信

私が一番オススメするのは、最後の動画放映です。

では一体どのような内容の動画を流したら良いのかというと…

顧客事例のインタビューです。

内容の前にまず、なぜ動画を放映するのかというと、ブースの中で、人が目を引くのは

1.大きいもの
2.光るもの
3.動くもの

なのです。
動画は、光るものであり、動くものです。

非常に目を引き、ブース内誘導にも効果的ですし、また、顧客事例インタビューを見ていただくことで、来場者は、あなたの会社の名前を知らなくても、安心してくれます。そうすることで、警戒心を解いて、アポが取りやすくなります。

ブース内セミナーも良いのですが、セミナーですと、手間と準備が大変かなと思います。

もし、手間と準備が大丈夫であれば、セミナーも有効です。

その際は、見込み客を、展示会のセミナーに誘導して、その場で再度デモをして、クロージング!という機会にしてしまうことが多いですね。

一方で、新規先に対しては、顧客事例のインタビューを動画にして、永遠と流している方が、効率的で、効果的であると言うことができます。

私が考える一番の理想的は、

誘導→名刺交換→ヒアリング→軽くデモ→動画を見せる→その場でアポ取得

という流れです。

以上、展示会のブースにおいて、誘導するために、必要なこと・コンテンツ、そして誘導してから営業につなげるための実践内容をお伝えしてきました。

なるべく、理論よりも現場に則した考え方をお伝えしたつもりでしたが、いかがでしたでしょうか?

具体的にどう考え、何を実行したら良いか? 理解いただけたでしょうか?

もし、何かご不明な点等あれば、facebookも「柴崎智弘」でもご相談を承りますので、お気軽にご連絡ください。

皆さまがこれから出展される展示会で大きな成功をおさめられますことを心からお祈り申しあげます。

では、また次回!

連載:経営視点から見る展示会活用法(全10回)バックナンバー

第1回:事前ミーティング~成功の鍵は社内の一体感~

第2回:目標設定~マーケティング施策の中の展示会~

第3回:コミュニケーションの重要性~成功している会社のルールとは?~

第4回:ブース設計~成功するブース装飾のポイントとは?~

第5回:第5回 オペレーション~成功するオペレーションと、失敗するオペレーション~

第6回:ブース内へ呼び込む方法と効果的なノベルティとは?~お金をかければ良いというものではない!~

第7回:アフターフォロー ~マーケティングからセールスへ その1~

 


Profile

 

 

 

柴崎 智弘

船井総合研究所

 

大學卒業後、大手金融機関にて営業を担当。
2006年より、インサイドセールスの部署の立ち上げに参画。
上場企業や中小企業を常時600社担当し、会わずしてキーマンとの関係構築をし、案件を引き出すという、法人営業、特に金融サービスとしては新しい試みを担当。
2011年10月船井総合研究所に入社。
IT企業ビジネスコンサルティングチームにて、展示会で集客した後の、電話営業でクロージングさせる営業の仕組みを得意とする。
特に、展示会のオペレーションには、成果に直結すると定評があり、展示会をテーマに、約30社のコンサルティングの実績がある。

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台湾イベント協会、日本MICEを学ぶ

台湾イベント協会(賴東明理事長)、台湾貿易センター、広告代理店、大学教授を含む台湾MICE関係者ら23名は、8月5日から9日までの5日間の日程で来日し、日本MICEを学ぶために関連施設や関係機関を視察。来日2日目となる8月6日には、東京グリーンパレスを会場に、日本イベント産業振興協会による講義を受けた。

日本イベント産業振興協会(JACE)では、常務理事の原正彦氏が「今日は、MICEに強い関心をもつ皆さんと2つのことを共有したいと思います」と話し、さいしょにJACEの事業および日本国内のイベント市場規模を、次にJACE会員による業務紹介として、博報堂プロダクツの東京スカイツリープロジェクトの事例からイベントの「安全」をつくるという視点で、2つの講義が行なわれた。

JACEの事業については、原常務理事が『人を育てる。イベントを育てる。日本を元気にする。』をテーマに具体的な事業内容と日本のイベント市場規模などについてを紹介。原常務は、日本におけるイベントの現状として、リアルなコミュニケーションメディアとして期待が高まっており、安心で安全、信頼のある高品質なイベントが要求されている。そのニーズに応えるためには、「個人の能力」が不可欠であり、イベントのつくり手である企業会員で構成されるJACEの課題は、プロフェッショナリティーの育成だと説明、資格制度を構築・運営していることを解説した。また、イベント市場規模推計として、JACEが平成21年にまとめた国内イベント市場規模推計から、販促イベント・会議イベント・展示会・フェスティバル・文化・イベント・スポーツイベント・博覧会の各ジャンルの総計として日本のイベント市場規模は2兆4005億円であると紹介。直接・間接の波及効果を含めると、9兆5,614億円との推計も発表した。JACEでは、こうした社会的波及効果も踏まえ、イベント産業の地位向上と人材育成を推進し、安全で高品質なイベントをつくり、イベントで日本を元気にしたい、とまとめた。

 

また、JACE会員のイベント事例として、博報堂プロダクトの田中浩弥氏も登壇。台湾MICE関係者の一行が、視察日程に東京スカイツリーを入れていることを踏まえた内容となった。田中氏は、東京スカイツリーが開業するまでの情報発信を踏まえたコミュニケーションイベントの事例を紹介するとともに、開業記念式典業務に対し事故ゼロを目指した計画と実行の中身について解説した。東京スカイツリーは、世界一の高さを誇る日本中が注目する新名所として、これまで誰も運用をしたことのない施設。いかに「安全・安心」に開業を迎えるかを命題として、開業記念式典業務を遂行した経験について、田中氏は「いろんな視点で現場を良く知ること、未知の部分は必ず検証することが重要。そうすることで、事故は予測・予防でき、事故ゼロにつながる」という教訓を得たと話した。

 

 

講義後には、質疑応答が行なわれ、台湾一行からはJACEの資格制度や人材育成について今後提携の可能性があるか、などの質問が挙がり、情報交換が活発に行なわれた。

 

 

視察ツアーの団長を務める台湾イベント協会の賴東明理事長は、「日本のイベントがどういう状況に置かれているのか、その概要やノウハウを持ち帰って、勉強していきたい。イベントは文化・芸術・伝達など、多様な要素を複合的に含んでいる。マーケティング的な数量的効果にとどまらず、文化的な波及効果などについても、今回の視察で学んで台湾のイベントビジネスに活かしていきたい」と語った。

 

 

 

 

 

  

JNTOが10月にもジャカルタに事務所設置

日本政府観光局(JNTO)が7月23日に、インドネシア外務省より事務所設置に係る承認を得た。今後、現地での法人格取得等の諸手続きを経て、早ければ本年10月に事務所を開設する見込み。同事務所はJNTOの14か所目の海外拠点となる。

インドネシア市場は注目される東南アジア域内でも最大の人口を有し、昨年訪日客数が初めて10万人を突破するなど、成長著しい市場として注目されている。現在、インドネシアはシンガポール事務所が管轄しているが、新拠点の開設によりマーケティング調査と訪日プロモーション活動のさらなる強化が期待されている。

MICE国際競争力強化へ4テーマ18のアクションプラン掲げる ~観光庁

観光庁は8月2日、MICE国際競争力強化委員会最終とりまとめを発表した。
http://www.mlit.go.jp/common/001006748.pdf

昨年11月からMICE国際競争力強化委員会において、我が国のMICE誘致競争力を強化する方策について検討した内容を「我が国のMICE国際競争力の強化に向けて~アジアNo.1の国際会議開催国として不動の地位を築く~」と題し報告書にまとめたもの。6月に閣議決定された「日本再興戦略」と「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」で、多くの優れた知見・投資を日本に呼び込む重要なツールとして位置づけられたMICEの、誘致強化を推進するための具体的な方策を実行に移していく。

※詳細については、8月23日発行の展示会とMICE vol.9で、MICE推進担当参事官の内田浩行氏のインタビューをご覧ください。

観光庁長官に久保成人氏就任


国土交通省は8月1日付で人事異動を行ない、元大臣官房長の久保成人氏が観光庁長官に就任した。

久保氏は1977年に運輸省に入省。国土交通省大臣官房広報課長、海事局海事産業課長、鉄道局幹線鉄道課長、大臣官房参事官(人事)、大臣官房人事課長、航空局監理部長、鉄道局次長、海上保安庁次長、鉄道局長を経て、2012年9月から大臣官房長を務めていた。

また、観光庁も同日人事異動を行ない、観光産業課長に大臣官房人事課企画官の石原大氏が就任した。

国土交通省の人事異動発表
http://www.mlit.go.jp/common/001006591.pdf

観光庁の人事異動発表
http://www.mlit.go.jp/common/001006366.pdf

MPIリレー連載6 前野 伸幸 氏/イベントプランナーが宴会場に求めること

週刊ホテルレストラン × 展示会とMICE 合同企画

MPIリレー連載 

第6回 ㈱ホットスケープ 代表取締役
MPIジャパンチャプター イベント担当理事  前野 伸幸 さん

イベントプランナーが宴会場に求めること

ブライダルからMICE対応の宴会場へ

20年以上にわたり、企業イベントを中心に現場の最前線で、さまざまな施設を利用させていただいております。かつては飲食の有無にかかわらず、ホテルで開催することにこだわる主催者も多かったのですが、昨今はカンファレンス施設や大型の会議施設との比較されるようになってきました。ブライダルを中心に対応力を強めてきたホテルの宴会場が、MICE領域にビジネスの幅を広げるには、この変化に対応する必要があります。まずは施設資料の完備です。正確な平面図はもちろんのこと、天井図や照明などの電源図。さらには映像投影の際に重要なのが、シャンデリアなどの詳細を含む断面図。型番や数量も記載した機材・備品も重要です。こうした資料はプランナーからの要望に対してすぐに、データで提供できるようにシステム化、WEB上でダウンロードできるのが望ましいです。資料を完備することで、会場の下見や問い合わせの際の手間を省き、お互いの効率化にもつながります。

会場の品格はバックヤードに表れる

 ブライダルではバックヤードをお客様にご案内するケースは、少ないと思いますが、MICEにおいては、講師やゲストのご案内にバックヤードを使ってご案内をしたり、搬入・搬出時にもバックヤードを通ることになります。
私の長年の経験では、バックヤードが綺麗に整理整頓されている宴会場は、対応力も高く、高度な演出に対しても問題がないという傾向があります。大きな荷物を搬入する際に、宴会場の荷物が入り乱れておかれているだけで、無駄な時間が発生します。また埃を被っているようなシルバーや食器を見かけると、それだけで料理の質が下がる気がします。

パートナーシップ先が宴会場の顔になる

私たちプランナーは、宴会場の営業担当者と開催までの準備段階で打ち合わせを進めていきますが、当日は別の方が宴会係として現場にいることが多いようです。営業担当の方が開催当日にも立ち会っていただくと、利用者はとても安心できます。やむを得ず不在となる場合には、当日の宴会担当者の方も打合せから参加していただきたいと考えています。それというのも、現場では事前にお願いしたことがうまく伝わっていないために、トラブルが起こることが多く、これらを未然に防ぐ手立てとなります。MICEイベントでは、音響・照明・映像などのテクニカル関連や看板・ステージなどの施工関連を外注することが多くなります。専門知識や経験の多さといった、プロとしての能力はもちろんのことですが、接客能力や急な変更への柔軟な対応力などが求められます。施設がきれいで機材がそろっていても、それを活かす人材がなければ良い宴会場とは言えません。質の高いパートナーシップとの提携がMICE対応力を高めて、宴会場のパフォーマンス向上につながります。

 

箱貸しビジネスからソフト提供へ

単に会場を提供するだけの「スペース貸し」のビジネスモデルでは、MICE利用者の満足度を上げることはできません。施設側は利用者の目的や成果・目標を理解して、寄り添うように付加価値を提供することが求められるようになってきています。ブライダル以上に多様化する企業イベントに対応するための多くの施策や体制づくりが不可欠です。

 

Profile
前野 伸幸(まえの・のぶゆき)
企業イベントを中心に、企画立案から制作・運営実務までをワンストップで受託、自社スタッフによる高い運営能力に定評がある。イベントでの経験やノウハウを活かし、MICE施設の運営・管理も行なっている。現在建築中の森ビルが手掛ける虎ノ門ヒルズ内カンファレンスセンターの設備・機材・運営のアドバイザーも担当している。

 ◆MPIリレー連載 アーカイブス◆

MPIリレー連載 その1 名誉会長 浅井新介さん
MICEの思想を日本で育てるには

MPIリレー連載 その2 財務担当理事 新井立夫さん
MCI-JCS Japan株式会社 マネージング・ダイレクター
国際会議とホテル

MPIリレー連載 その3 教育担当理事 浅香雅司さん
MICE Service EVEN 代表
インセンティブで差を付けろ

MPIリレー連載4 会長 山本牧子さん
メリルリンチ日本証券 マーケティング&イベントディレクター
イベントを成功に導く4つのC  

MPIリレー連載5 広報委員会 副委員長
弊社 編集部 田中力
共通項の発見がMICEを発展させる