物流ボックス ダン・カーゴ – 株式会社エーディエフ
ヘイシンマイクロディスペンサー – 兵神装備株式会社
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精密圧着機 Komax Wire Gamma 263 – MCM COSMIC株式会社
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KA形表面実装ライトスイッチ – 株式会社サンミューロン
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第42回 インターネプコン・ジャパンが開催
「第42回 インターネプコン ジャパン」はアジア最大のエレクトロニクス製造、実装に関する技術展。世界20カ国から1,830社が出展し、エレクトロニクス関連技術者必見の展示会となっている。併催はオートモーティブワールド2013やライティングジャパン2013など。会期は2013年1月16日(水)から1月18日(金)の3日間、会場は東京ビッグサイト。
静電気除去イオンビームガン G-7RS – 株式会社ベッセルPosted on 2013年1月16日
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粘着ゴム応用ゴミ取りツール ペタムーバ – アトム興産株式会社Posted on 2013年1月16日
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物流ボックス ダン・カーゴ – 株式会社エーディエフPosted on 2013年1月16日
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座談会「ビジュアル空間をつくるプロフェッショナルのシゴト」その4 ~展示会とMICEアーカイブス~
座談会「ビジュアル空間をつくるプロフェッショナルのシゴト」 その4
(『見本市展示会通信』2011年11月15日付号掲載の座談会を再録しました)
震災、若いチカラ…
映像に何ができるか
中田 ここまでみなさまの仕事を取り巻くいろいろなテーマについてお話しいただきましたが、この魅力的なビジュアル演出の世界が、今後どういう変わっていくのか。また、みなさまはどんな役割を果たしていくのか、いきたいのかということをお話しいただきたいと思います。
長崎 地震のあと、ほとんど仕事がない状態のなかで考えたことは、これまでわれわれは、集まった人のためとか、人を集めるための仕掛けづくりを仕事としてきたけど、人を集めなくても情報が伝えられ、人と人が出会えるようなことをつくっていかなければならないのかなと。
それは中継とか、もっと言うとバーチャルな何かかもしれないですし、そんなところにニーズや可能性があるのではないかと考えたんです。そして、そのために 必要なものは、もともと私たち展示会とかビジネス向けの映像っていうのは、全体の市場から見るとニッチな市場だと思うんで、おそらく既製品のなかにはない だろうと。であれば自分たちでプログラムを開発しなければならないですよね。
そういったソフトウエアつくるということに重点を置かなければいけないと考えています。当然、求める人材もそういうことに強い人となりますので、人の選び方も地震の前と後でちょっと変わったと思ってます。
中田 小島さんとマックレイはどういうものを目指しているのでしょうか。
小島 長崎さんがおっしゃる通りで、震災はわれわれに考え方を少し変えさせたなと思います。余談ですけど、テープが手に入らなくなったとか、通信が使えなくなっ たとかいろいろありました。画像データをファイル化したことで、制作フローがまったく変わっていったとか、副産物もありましたが、あの地震が何かを変え たっていうのは確かにあります。
そこで私が考えたことは、自ら業態を変化させることを、少しずつ、しかしいつでもできるような、そういう状態をつくっておきたいなと。だからトライアルは いつもやっておきたい。「もうちょっとウェブのほうに注力していこう」と言えば、すぐにそっちへ傾いて行けるチーム態勢を意識的につくらなければいけない と思っています。
そういう視点からすれば、事業部を越えて目的のために進んでいく部署が、もっとたくさんできるのではないだろうかと。駄目なら止めればよくて、今後必要に なっていくものについてはどんどん伸ばしていければいい。会社としてもそこへの投資は惜しまずやっていこうこと考えてます。
中田 そういう考えって5年前、10年前はなかったものですか。
小島 なかったですね。きょうここでみなさんと話してきたように、世代交代とかいろいろあると思うんですけど、ビジュアルの世界にいろいろな技術革新や変化が あって、それに従って求める必要な人材も変わってきますし、これまでの考え方ややり方では生き残りすらできないと、会社が本気で考えているからです。
それで弊社では部署ごとに、それぞれの部長たちがいろんなことにトライしろと、そういうアクションをどんどん起こしていけという動きになっています。
われわれの世界はこれからもどんどん変化が起きる。だから自分たちで考えて、映像にプラスアルファの技術をぶつけることで、新しいコトを仕掛けたいなと。
中田 大変なことですよね。いつも世の中を見回しながら─
小島 お金の匂いがするところに行かなくちゃいけないですから。
中田 (笑)
博展さんは映像に関わる関わらないに関わらず、今後の方向性っていうのは。
鷲 最近、いくつかの国の大学生と一緒にイベントの仕事をする機会があったんです。そのときに感じたことは、彼ら、彼女たちはいろんなチャレンジをしたいと意 欲的なんですね。映像機器なんかも使ってコトづくりを体感したいと。でも自分たちだけでやろうとすれば、機材一個借りるのも高いんですね、学生からしてみ たら。そこでもっとメーカーやみなさんのような立場の方が彼らをサポートしてくれたらなあと。
海外の大学生は、国やメーカーからの支援を受けて、ビジネスというものを体感してるんです。だから日本の学生たちにも、例えばプロジェクタ1台でも彼らにはとても高価で、使える喜びを感じられるんです。
もしかしたらそこでものすごい何かと出合って、将来イベントやMICEの道を志すかもしれない。その子がお客さんになったり私たちの仲間になったりするか もしれない。日本を代表するような素晴らしいクリエイターやビジネスマンが生まれるかもしれないっていう可能性を想像すると、こうした裾野に投資するこ とって、とても価値のあることだと思ったんです。ちょっと生意気なことなんですけど、映像という仕事を通して感じたことですね。
本物が持つオーラを
たくさん見てほしい
中田 長崎さん、いかがでしょうか、いまの話。
長崎 正しくそうだと思います。われわれも、学生に安い値段でプロジェクタを提供して使ってもらうという支援をしたことがあります。で、彼らの現場に行くと、 小っちゃなプロジェクタを5、6台使って、見た目すごくおもしろいことしてるんですよ。予算がない分、普段使えなかった分、アイデアだけで勝負してるんで すよね。
中田 そうなるんでしょうね。
長崎 そうなるんです。そういう経験を通して、将来有望なクリエイターが育っていくんだろうなと。われわれみたいな立場の者がそういった支援をすれば、鷲さんがおっしゃる通り、業界の将来も明るい方向に変わっていくと思いますね。
ほんとに勉強になりますよ。こんなアイデアでこんな使い方するんだって。ウチのスタッフが見たら「これじゃプロジェクタ潰れるよ」とか言ってましたけど(笑)。それでもいいんですよ、おもしろければ。
中田 やりたいことができるのも学生のうち、なんて言うと意地悪ですが、自由な発想は大切に育てたいですよね。
小島 そう、われわれイベント屋の醍醐味としては「どうしてこういう演出をしたの?」って聞かれたら「やりたかったから」としか答えようがないときもあるんです よ。その間にいろんな情報を自分で処理して、カネのこととかも計算してるんだろうけど、感性のままに説明できないことをやってしまうこともある。でも、そ れがお客さんのニーズとも演出家の意向とも合致していれば、やりたかったことも実現するよってことになる。
中田 戸村さん、「よくわかる」といった感じですね。
戸村 やっぱり学生とプロってそこが大きく違うじゃないですか。やりたいことだけ好きにやるんだったら、それはアーティスト。われわれはクリエイターではあって もアーティストではないので。いいものにするための折り合いを見つけることも、映像屋の資質だと思います。これを妥協とは言わない。これができるのがプロ なんだろうなと。
こういうプロの資質が備わっている人でないと、先ほどの小島さんの話のように「やりたかったから」とは答えられないですよ。われわれは、そういう人材を育 てなければいけないのですが、ひとつ大切だと思うことは、プロの映像屋には、いろいろな世界の本質的にいいモノを見てほしいと。これまでにないものを求め たり、とんがったものを要求するってことは、一見、常識はずれなところに行きがちなんですけど、本物が放つオーラを知っていれば、ブレることってないと思 うんです。本物をわかってるから非常識なことができるがわけであって、そこすごく重要だと思います。私最近、そういうこと言ってるな、スタッフに(笑)。
中田 貴重なお話しをたくさん聞かせていただきました。みなさん、ありがとうございます
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その1 ビジュアルの比重増す展示会での空間づくり
その2 リアルとバーチャルいかに使いこなすか / 機材の進化が生む新しい映像の世界
その3 業種を超えた交流で互いをスキルアップ / 現場に立ちはだかる様々な規制の厳しさ
座談会「ビジュアル空間をつくるプロフェッショナルのシゴト」その3 ~展示会とMICEアーカイブスPart1~
座談会「ビジュアル空間をつくるプロフェッショナルのシゴト」 その3
(『見本市展示会通信』2011年11月15日付号掲載の座談会を再録いたしました)
業種を超えた交流で
互いをスキルアップ
中田 いろいろな道具の話が出てきましたけど、ディスプレイ会社として、そういった知識とか普段からの接し方ってどのように取り組まれていますか。
鷲 今日はせっかくこういう機会をいただいたので、うちのプランナーやデザイナーに、どんなことを聞きたいか取材してみたんです。
共通して出てきたことは、最新の映像機器やそのノウハウに接する機会が欲しいということでした。
やっぱり、どんな表現をするか考えることと両輪で、ハードウェアの知識などもわかっていないと、どこまでチャレンジできるかが見えてこないので。そんなと き、プライベートショーなどでみなさんとのコミュニケーションが図れるような機会がもっとあれば、という希望が多くて。行きたかったけど結局行けなかった とか、忙しがって言い訳するこちらにも問題もあるのですが。
中田 プライベートショーは、こちらの3 社 も時々やっていますが、業界全体としてはそれほど多くないような気がします。光和さんが毎年1月にやっているプライベートショーは、業界展と呼べるくらい メーカーの側も力を入れていて、たくさんの機材が展示されています。小島さんの会社も今年5月に内覧会を開催しましたよね。
小島 グループの設立30周年を記念したイベントだったのですが、何を大事にしたかというと、モノを見せるのではなく、「ぼくたちはこれを使って何ができるか」 という視点です。みなさん、モノは大体わかると。値段が高いのも知ってる。だけど「これ使ったら何ができるのかを知りたいよね」っていう声に応えることが コンセプトでした。結果として、その部分で高い評価をいただいて、うれしかったですね。
鷲 そうですね、彼らは使い方の提案が見たいんです。
小島 プチプライベートショーみたいなのを各所でできれば。
鷲 そう。ワークショップっていう意見もでました。数人でいいので、会社、業種をまたいで、まさに今 日みたいな機会が頻繁に組めると、互いにいろんな情報が交換できて、それが新しい表現のアイデアやチャレンジにつながる。望めるならそこに、展示会なら出 展企業の担当者さんも一緒に話ができたらいいなと思いました。やっぱりエンドユーザーが興味をもつと、ビジネスの話も早いですから。
中田 JVR協会では、毎年7月に「業務担当責任者会議」という現場の人たちの交流会を開催しています。毎年取材させていただいてますが、ヨコのつながりがしっ かりしている業界だとつくづく感じます。あのような場を、業種を超えてつくることができれば、成果は大きいでしょうね。
鷲 特に映像機材では、日本のメーカーは世界の最先端にあるのだと思いますが、もしかしたら表現の方法だったりクリエイティブの部分というのは、果たして本当に世界最先端かというと、遅れているかもしれない。
そこで、空間、映像、ハードなど、それぞれのスペシャリストの経験やスキルが融合することで、新しいウィットな表現が生まれるのだとすれば、やはり職種、業種をまたいだコミュニケーションをもっと活性化させる必要があると感じます。
中田 情報交換以上の、それぞれのスキルアップにもつながる場にしたいですね。
長崎 海外アーティストのライブステージには、照明と映像を一人でこなすオペレーターがいます。日本は映像、照明それぞれがプランを出して、それをディレクター というか演出家が真ん中でまとめるというのが普通です。これを一人でこなすのですからすごいことですが、つまりそれを技術的に可能とする機材もソフトもあ るわけで、いずれ日本もそうなるはずです。
ただ、概して映像のオペレーターは、昔は信号をきちんと出す技術というか、電気的な理解のなかで仕事をしていました。照明はどちらかというとアートの世界 ですので、いかに雰囲気を表現するかというセンスが大切です。私からすれば違う資質に思えるので、このスキルを両方兼ね備えるというのは、かなり難しい気 がします。
鷲 もともとクラブシーンでVJ(ビデオジョッキー)をやってた人たちが、照明と映像を ミッ クスして、リアルタイムで現場で仕上げるということをやってきたんですね。こういう、ミックスダウンができる感覚をたまたま持ってたのが、90年代以降、 日本ではずっと廃れてたVJの人たちなんですよね。ようやく時代が変わってきて、その感覚をもうちょっとビジネスのレベルまで引き上げられれば、イベント の世界も変わるかもしれませんね。
長崎 おっしゃる通りで。奈良のビームペインティングを仕切ったのは元VJのスタッフなんですよ。
中田 小島さんが取り組まれているのも、こういうことなのでしょうか。
小島 そうですね。クリエイターとかデザイナー的な発想を一人のオペレーターが身につけるのは難しいですから、いろんな業者が合わさってイベントをつくっている のが日本の現状だと思います。それを私は社内のスタッフでつくろうとしていて、だいぶなんとかできるようになりました。ただ、それもいずれ通り一辺倒とい うか変化がなくなってきてしまうので、そこは新しいスタッフを入れて、常に進化させないと伸びないと思っています。
現場に立ちはだかる
様々な規制の厳しさ
中田 次に業界というか、みなさまが仕事をするうえで感じている問題点、改善したい点というのは。
鷲 日本の展示会場、街もそうなんですけど、明るすぎるんですよね。そのためにプロジェクタの輝度を上げて予算が足りなくなるとか、クライアントとやりたいと 思っていたことが、とても中途半端に終わってしまうことがあります。プロジェクションマッピングも明るいと天井を建てなければならなくて、消防法だの予算 だので諦めざるを得ないということがたくさんあります。
戸村 会場明りが暗い状態での表現っていうのも、展示会の中に取り入れたいですよね。確かに日本の展示会は、明るい環境で見せる手法ばかりですね。ビジュアルがキレイとか深みがあるとか、そういう見せ方でブースの訴求力を上げることもできるはずです。
鷲 「東京ゲームショウ」や「Inter BEE」など、照明を落とした展示会もありますが、映画館とかポスプロのスタジオに入ったときのようなジトッとした暗さが、ちょっとワクワク感を演出して ますよね。主催者は演出という部分にもっとこだわって、「展示会って本当に効果あるの?」って言われがちな状況に一石を投じてみてはと思いますね。
中田 全体的な統一感っていうのは主催者の裁量で、もっと演出できる余地があるのかもしれないですね。
鷲 規制が厳しいのもなんとかならないですかね。またマッピングの話ですが、条例だとか申請だとか、クリアしなければいけない問題がたくさんあって、結局許可が下りずにできないことが多いです。
中田 長崎さん、先ほどの「ならファンタージア」はかなり大がかりなイベントだったので、開催までにはいろいろな面倒なことがあったのではないですか。
長崎 あれは、街中や公道から外れた敷地内ですから、周りの照明も落としていいってことだったので、わりと自由にやらせていただきました。でも何がこれほど味方したかというと、主催が県だったということではないかと。
中田 ああ、行政が動いてくれれば警察も消防も話が早いんでしょうね。こうなるとマッピングの成功の鍵は政治力ですか(笑)。
長崎 これは恵まれた事例です。これが街中のビルだったりすると、ある程度話が進んで予算も下りて、いろんな手続きをクリアしていても、最後に警察の許可が下りなかったとかで頓挫してしまった案件はいくつもあります。
中田 実施できただけでも恵まれてるということなんですね。
長崎 そうです。
中田 小島さんも、そういう現場を。
小島 テーマパークの中でのマッピングは、やはりスムーズに進行しましたよ。でもビルでやったときは、できるにはできたけど、周りの照明は一切何もしてくれませ んでしたね(笑)。だから、ものすごい明るいプロジェクタをもっていくしかない。で、それがコストに跳ね返ってしまいますから、クライアントには申し訳な かったですよね。
中田 結局コストに跳ね返ってしまうんですね。戸村さんもそういうご経験は結構・・・
戸村 LEDディスプレイを街頭で使うイベントで、警察から「信号と間違えるドライバーがいるから輝度を落とせ」と。
中田 ・・・説得する気も失せてしまいますね。
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その4 震災、若いチカラ…映像に何ができるか / 本物が持つオーラをたくさん見てほしい
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その1 ビジュアルの比重増す展示会での空間づくり
その2 リアルとバーチャルいかに使いこなすか / 機材の進化が生む新しい映像の世界
座談会「ビジュアル空間をつくるプロフェッショナルのシゴト」その2 ~展示会とMICEアーカイブスPart1~
座談会「ビジュアル空間をつくるプロフェッショナルのシゴト」 その2
(『見本市展示会通信』2011年11月15日付号掲載の座談会を再録しました)
リアルとバーチャル
いかに使いこなすか
中田 それでは、みなさんの最近の仕事についてお聞きします。みなさん、現場に直接携わることはほとんどないと思うので、会社として関わったとか、そんなところで。小島さんから。
小島 コンベンション系ですと、手術の中継が多いですかね。オペ室から内視鏡とか血管造影の映像をフルHDで撮影して遠隔地に送り、そこでドクターたちが見て討論するという。
中田 それを3Dで見せたりもする。一般人にはキツい映像でしたが(笑)、医学系の学会には非常にニーズが高いそうですね。
小島 そうですね、やっぱり人集まりますし。
あとはコンサート系を中心にいろんなイベントで、ストリーミング配信もニーズが高まっています。なのでわれわれは映像屋ですけども、プラスアルファの知識としてネットワークやウェブに関するスキルがないと、これからは仕事が回ってこないくらいに考えています。
中田 それって専門の会社がやることでは。
小島 ウチは専門の部署をつくっています。通信回線の手配からウェブの配信、中継などをやる部隊が。
中田 そういう時代なんですね。
映像センターさんは最近どんなお仕事を。
戸村 ちょっと前ですが、新高輪プリンスのパミールの横幅全部をスクリーンにして、プロジェクタ10台で映したというのがあります。
50m近い幅になるんです。こんな場所を「じゃあ映像にしてみようか」って発想しちゃう人がいるわけですよね。そしてわれわれは実現できるハードと技術をもっている。
こういう仕事で実感するのは、もはや4対3とか、16対9といったテレビフレームの縛りがなくなっているということ。さらにいまは、横長だけでは飽き足らなくなってきていて「そこに立体物も混ぜて投影してみよう」と。これがプロジェクションマッピングです。
映像のカタチが自由になっていますね。
中田 シースルーLEDもそうした道具のひとつでしょうか。
戸村 そうですね。多彩なモジュールが開発されて、もはやビジュアル演出は空間づくりと密接に絡んでいるし、コンテンツの勝負になっています。
したがってわれわれには、空間映像のハードやソフトを理解したうえで、クリエイティブ性だったり、もっと言えばアーティスティックな感性までもちながら、クライアントへの提案力というスキルまでが求められているなと。
中田 表現力という言葉でまとめられますかね。
戸村 そう思います。先ほど鷲さんがおっしゃったように、重要なのは伝えるべき対象に伝えることで、最新の技術も、最悪、映像を使う必要もないなと。
あるソフトウェア会社のプレゼンだったんですけども、用意したのはOHC1台だけ。何が始まるのかなと思ったら、その人、何かハサミでチョキチョキ切って糊で貼りはじめて・・・
中田 アナログですね。
戸村 そうなんです。開くと立体になる絵本、あれをお手製で作ってきて紙芝居みたいにプレゼンはじめたんです。刺さりましたねえ(笑)
映像だ映像だって偉そうなことを言っても、実はいろんな制約のなかで、現物をいかに装飾してそれらしく見せるかなんですね。サイズ、時間、予算、いろんな制約があって、仕方なくこの中で表現しましょうよってときに、紙芝居が出てきた。やっぱり表現力なんだなと。
中田 考えさせられますね。
ではタケナカさんですが、最近特に、プロジェクションマッピングに力を入れているようですが。確かオリジナルブランドをつくって展開していましたね。
長崎 そうですね、独自のコンテンツ制作ノウハウを使って「Beam Painting」という名前でサービスを提供しています。
マッピング自体は、ヨーロッパを中心に広がった映像演出ですが、事例がインターネットの動画サイトに流れ、日本のクリエイターの間でも話題になりました。
それで弊社も2年くらい前からこの技術に取り組んできましたが、実際に仕事になりだしたのは、ここ1年くらいですかね。
最近ですと、8月に「ならファンタージア~SANZO~」というイベントで、国立博物館の建物に、国宝・玄奘絵巻の物語を映し出しました。また、おもしろ いところでは、クルマやPCをメディアにしてコンテンツを投影するといった仕事で、これらはテレビコマーシャル用につくりました。
中田 CMですか。これまでなかった仕事では。
長崎 CMプロダクションとはあまり接点がなかったですからね。われわれの機材が脇役的に使われるような仕事はありましたけど、今回のCMのように、表現手法の 主役になることは経験がなかったので、新しい世界を覗いた気分です。
中田 プロジェクションマッピングのビジネスとしての可能性を感じます。そして、ビジュアル演出においてコンテンツ制作は重要な要素なんですね。
長崎 10年くらい前までは、映像に掛ける予算なんてイベント全体の5%とか 10%もあれば多いくらいでしたが、いまは、ソフト部分まで入れると半分近くを締めるイベントもあります。それだけ映像に求められることが、昔に比べると 圧倒的に多い。
そういう流れのなかで、弊社では10年前にコンテンツ制作の専門部署を立ち上げて、そこにちょっと力を入れてきました。それに、うちはもともと、マックレイさんや映像センターさんのような規模ではないので(笑)、そういう意味では何か特徴を出すためにも変わったことをやりたかったっていうのはあります。
中田 コンテンツ制作などは、映像センターさんもマックレイさんも取り組んでますが、映像機器レンタルの会社にとって、そういう部分が非常に大きくなっているのかなと。鷲さんも感じているのではないかと思いますけど。
鷲 リアルとバーチャル。アナログとデジタルと言ってもいいと思うのですが、これをどうシームレスに融合するかというアイデアだったり表現力で仕事をする時代 なんだなと。戸村さんがお話しされた、OHCと開く絵本の事例は、まさにアナログとバーチャルの融合ですよね。そして、その極めつけがプロジェクション マッピングとも言えるのかな。
ビルや博物館など凹凸のあるオブジェクト、リアルに対して、最新のデジタル技術で緻密に光と影を調整しながら、CGというバーチャルなコンテンツを融合さ せて、建物と一体感をもって表現するところに、驚きとかウィットとか面白さがあるんですよね。空間をつくるというのも、やっぱりそういうことだと思いま す。
機材の進化が生む
新しい映像の世界
中田 空間づくりという考えで見ると、舞台屋さんとか屋外広告業界などもビジュアル抜きには語れなくなっていて、業種の壁がなくなっているなと感じます。
戸村 先ほど出たシースルーLEDの登場は映像業界を変えたと思います。あれを最初につくったのはコマデンさんでしたっけ。
中田 そう聞いてます。「シースルービジョン」ですね。
戸村 そうですよね。コマデンさんは舞台の電飾装置からはじまっている会社ですよね。あの発想って電飾なんですよ。だから当時のシースルービジョンは映像のイン ターフェイスをもっていなかったはずです。彼らは、自分たちがプログラムしたCGを表現するための道具としてあれをつくったんだと思うんです。
小島 照明屋さんがやってた技術ですよね。彼らは何に困っていたかというと、コンテンツをいかに出力するかという技術だったと思うんですよ。その辺はわれわれ映像屋の仕事で差別化できていましたが、いまは彼らもやれるようになってますね。
中田 シースルービジョンは照明機器の延長なのか新しい映像装置なのかわからない。
小島 照明では表現しきれないところをLEDが可能にしてきたわけです。われわれ映像屋としては、コンテンツのほうに注力してやってきましたから。ライブステー ジでも、バックに流す映像は、装置の優劣ではなくて、どれだけネタもっているかということのほうがよっぽど大切で。そこにみんな力入れてるのはないでしょ うか。
戸村 シースルービジョンが業界にイノベーションを起こしたことは間違いない。
あれが4対3とか16対9っていう概念を壊した理由のひとつにもなっていますからね。それからどんどんドットピッチが細かくなっていって絵が精細になって くる。そうすると、僕らが使っている高精細のLEDビジョンもシースルービジョンも、ほとんど実は変わらなくなっちゃう、同じものになっちゃうってことで すよね。
座談会「ビジュアル空間をつくるプロフェッショナルのシゴト」その1 ~展示会とMICEアーカイブスPart1~
座談会「ビジュアル空間をつくるプロフェッショナルのシゴト」 その1
(『見本市展示会通信』2011年11月15日付号掲載の座談会を再録しました)
出席者(順不同)
●(株)博展 取締役 マーケティング部長 鷲 禎弘 氏
●(株)映像センター イベント事業部 第一営業部 次長 戸村 栄太 氏
●マックレイ(株) イベント・コンベンション営業部 部長 小島 正詩 氏
●(株)タケナカ 専務取締役 営業本部長 兼 東京支店長 長崎 英樹 氏
●司会:ピーオーピー・中田 昌幸
※所属・役職は収録当時のもの
めざましく進化する映像機器とこれらを駆使して、印象的なビジュアル世界を創り出すクリエイター。彼らが創り出しているのは、日常とはかけ離れた空間そのものであり、人と人とのコミュニケーションである。もはや映像は、空間づくりの主役と言えるほど重要な、情報の媒介インフラとなっており、イベントやMICEに関わる私たちは、そのチカラを理解したうえで、次の仕事で使える映像の可能性を、常に考えていたい。そのヒントとなるような座談会を企画した。
ビジュアルの比重増す
展示会での空間づくり
中田 本日はお集まりいただきありがとうございます。
まずはじめに、ご自身の仕事と会社の事業についてご紹介ください。
戸村 私は入社してちょうど20年になります。現場設営とオペレーションに長く携わってきました。
会社は歴史的には展示会などの企業イベントをメインフィールドにして成長してきました。昔は、展示会のブースで映像やスライドを使う出展企業はほとんどありませんでしたが、そうした時代に数少ない出展者がチャレンジしてくれたことによって、映像による新しい表現が知られるようになり、われわれの業界が伸びてきたのだと考えています。その頃は、ブラウン管のテレビや音響機器を何台も台車に積んで、それをたった2人で会場に運び設営するなんて仕事ばかりでした。まさに展示会は肉体労働でした。
最近では、イベント、学会、コンベンション、製品発表会、街頭キャンペーンなどフィールドがひろがっていて、展示会とそれ以外の仕事は半々ぐらいではないかと思います。現場のスタッフにはこうしたカテゴリー分けは重要ではなく、企業のプロモーションをサポートしているという感覚ですね。
小島 弊社は伝統的に、ライブや企業イベント、式典、セールスプロモーションなどショーテクニカル系の仕事を得意としてきました。学会や製薬メーカーさんのシンポジウムなどコンベンション系が増えてきたのは7年くらい前からです。いまでは、1小間の展示ブースにプラズマディスプレイ1枚という仕事から、ドーム球場を使うような大型ライブまで、規模も分野も幅広く対応しています。
私も戸村さんと同じように、現場の仕事は一通りこなしてきましたが、いまはマネジメントする側なので、新しいこともつくりだそうとしています。その第一歩として、医療機器メーカーなどに向けて、3D映像や介護ビデオの製作、それらを上映したり販売したりする、メディカル・メディア・ソリューションという部署を立ち上げました。事業部を超えてスタッフを集め、これからいろんなことにチャレンジしようとしているところです。
長崎 弊社は35ミリ映写機のメーカーとして創業して、今年は80ン年になります。あまりに古くて私も詳しいことは知らないのですが(笑)、販売だけではなく、公民館などに機材を持って行って、出張映写のようなことをしていたと聞いています。これがレンタルビジネスのはしりだったのではないでしょうか。
現在、主要事業のひとつとなっているコンベンションや学術会議に力を入れ出したのはずっと後になってからですが、その後イベントとか展示会もバランスよく増えてきました。自分たちからいろいろなフィールドに行こうとしたわけではないのですが、お客さまの求めているものをできるだけ集めよう、提供しようという姿勢で成長してきた会社だと思っています。
私自身は経営の側にいますので、社員が現場で忙しい分、違う視点とか何か新しいことを見つけてビジネスにつなげる責任があると思っています。
中田 さて、今回は映像の特集ですが、ディスプレイ会社にいる鷲さんに来ていただいたのは、空間づくりの視点からも映像の世界を見てみたいと思ったからです。ディスプレイ会社の役割は、あらゆるイベントやコンベンションにおけるコンセプトづくりから企画・設計へとひろがり、人の動作や心理までに踏み込んだコミュニケーションビジネスへと発展しています。そうしたなかで、空間づくりにおけるビジュアル演出は、欠くことのできない重要なファクターとなっています。
ディスプレイ会社といえども造型の知識だけでは空間づくりが語れない時代に、今後ビジュアルはどのような役割を果たし、取り入れられていくのか、そんなことをお聞きしたくてお呼びしました。
鷲 そうですね、実際、弊社の売上比率を見ても、運営関係の仕事が多くなり、本来の造作関係は低くなっています。では、運営とはどういうものかというと、弊社では販促イベントに代表されるような、企業の売上アップをサポートするための手段というふうに捉えています。
つまり、企業が伝えたいメッセージを最良の方法で、正確に効率よく、しっかりと顧客に伝えることが目的であり、その表現の方法は必ずしも造作でなくても良いわけです。そういうときに、映像機器を使ったビジュアル表現には、訴求力の高さを実感しています。
中田 最近はどんなお仕事をされていますか。
鷲 私は博展に営業職で入って、次に企画やプランニングのセクションに移ったのですが、みなさん同様、最近は直接現場に携わることは少なくなりました。そこで、私も小島さんのように社内に新しい部署をつくって、いまの時代に合わせたチャレンジをしていこうと活動しています。
最近ですと、AR(Augmented Reality=拡張現実)技術を使ったウェブ動画の制作や、プロジェクションマッピングを用いたコンテンツやシステムの商品化に取り組んでいます。個人的には今年8月に「日本プロジェクションマッピング協会」の立ち上げに協力をしているところで、この技術の可能性には大いに期待しています。
【募集】展示会/コンベンション現況調査団参加者募集~シンガポール/マレーシア
小社ピーオーピーでは、『見本市展示会通信』創刊30周年記念事業第2弾として、アジアのMICE大国・シンガポールとマレーシア・クアラルンプール、2都市のコンベンション施設や展示会を視察する調査団の募集を開始しました。
今回の訪問地は、シンガポールで世界中から注目を浴びる最新リゾート&コンベンション施設「マリーナ・ベイ・サンズ」をはじめ、「シンガポール・エキスポ」や「サンテック・シンガポール」などの展示施設や、MICE業界団体「SACEOS」などを訪問。
マレーシアでは「クアラルンプール・コンベンションセンター」で開催される「アウトメカニカ・マレーシア」の視察、マレーシア展示会協会との意見交換などを予定しています。
両国の展示会とMICEの優れた運営手法を体験し、ハイレベルな交流と現況を見据えた視察を計画しておりますので、ぜひこの機会に皆さまの参加をお待ちしております。
なお、詳細は㈱ピーオーピー内の調査団事務局(TEL:03-5687-6841)まで。
実施要項
日 程:2013年3月5日(火)~3月10日(日)(4泊6日)
訪問都市:シンガポール、マレーシア・クアラルンプール
募集人員:20名
参加費用:27万8,000円(1室2名利用)
主な視察先:
==シンガポール==
シンガポール・エキスポ、サンテック・シンガポール、マリーナ・ベイ・サンズ、SACEOS、ほか
==マレーシア==
プトラ・ワールドトレードセンター、クアラルンプール・コンベンションセンター、アウトメカニカ・マレーシア(マレーシア国際自動車産業見本市)、MACEOS、ほか
申込第一次締切日:2013年1月28日(月)