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JCMAがサステナビリティに関するアンケート調査実施「人材不足・育成」課題に

日本コンベンション協会(JCMA)は2024年11月~2025年1月、加盟企業・団体の従業員を対象に、「JCMAサステナビリティに関するアンケート」を実施した。

全回答企業が「長時間労働の防止と休暇取得の管理」を実施している一方、CO2排出量削減への取組では「具体的な目標設定」が進んでいない実態が明らかになった。サステナビリティ推進の最大の課題は「人材不足・リーダーシップの育成」。また「会員企業間の協力体制」や「環境課題の共同解決策」といった、新たな連携モデルの構築が求められていることが判った。

調査はMICE関連事業者の持続可能な企業活動の推進を目的として、①同協会SDGs委員会活動の勉強会、②企業活動への展開、③成果共有の点で活用される。JCMAでは調査を通じて会員企業から寄せられた意見をもとに、今後、実効性のあるアクションプランを策定・実行していく方針だ。

 

以下、リリースより引用

<回答結果>
●労働安全衛生に関する具体的な取組をしていますか?

●労働安全衛生に関して実施・運用している取組があてはまるものをチェックしてください(複数回答)

全体の74%が労働安全衛生に関する取組を行っている。特に長時間労働の防止と適切な休暇の取得管理は、回答した全ての企業が行っている。

●貴社では、CO2排出量の削減に向けた具体的な取組をしていますか?(回答数:96)

CO2排出量の削減に向けた具体的な取組を行っているのは全体の60%以上。

●CO2排出量削減のために実施している取組があてはまるものを、「事業活動」「企業活動」ごとにチェックしてください(複数回答)

●取り組んでいるが、さらに一層の推進をするのにハードルに感じていることがあればその事由を教えてください(複数回答)

ハードルに感じていることとして、半数以上の回答者が「人材不足・育成(リーダーシップ)」を選択。

●サステナビリティへの取組を推進するうえで、JCMAに期待することをお寄せください(複数回答)

JCMAに期待することとして、「情報や事例の共有」、「研修・教育プログラムの提供」の次に「会員企業間の協力体制の構築」「環境問題の共同解決策」が続いている。

万博パビリオンの開館時間延長について考える 寄稿・桜井 悌司(元ジェトロ監事・展示事業部長)

新聞報道によると、5月17日、博覧会国際事務局(BIE、在パリ)のディミトリ・ケルケンツェス事務局長は、万博会場内で吉村洋文知事、横山英幸市長、日本国際博覧会協会幹部らと非公開で意見交換し、閉場時間を午後10時から同11時に延長するよう提案したという。ケルケンツェス氏は会場内の飲食店の営業が夜の早い時間帯に終わっていることに懸念を示し、来場者の拡大のためと報じられている。

このような提案が博覧会国際事務局長から出されたことは、筆者にとって驚きであった。おそらく前任者のビセンテ・ゴンサレス・ロッセルターレス事務局長であれば、決してこのような提案はしなかったと思われる。なぜなら、ゴンサレス氏は、セビリャ万国博覧会(1992年)では、博覧会公社の出展部長であったこともあり、参加国の抱える問題や事情について、十分に理解していたと思われるからである。筆者が関係したセビリャ万国博覧会は、開催期間6ヶ月の一般博覧会であったが、後半になり人気が出てきたこともあり、地元のアンダルシア州やセビリャ市から1ヵ月延長したいという要望が出されたのである。その時の最大の問題点は、1ヵ月も延長されれば、参加パビリオンの人件費(スタッフ、アテンダント、警備、清掃等)、光熱費、滞在費等は誰が負担するのかということであった。参加パビリオンは常に決められた予算で運営しており、会期が延長されれば、フレキシブルに追加予算を計上することは決して容易なことではない。主催国が支援する発展途上国は開催国が支払う可能性はあるが、独自のパビリオンを建設し、運営する先進国は、自分で負担せざるを得ないのである。最終的には、この1ヵ月延長のアイデアは実現されることはなかった。セビリャ万博の場合、従来の万博と異なるのは、開場が10時でパビリオンは夜の10時まで、売店、レストランはセビリャの暑さ、気候を考慮して朝の4時まで営業していたのである。

もし筆者がBIEの事務局長との会談の席にいれば、次のように事務局長に問い合わせたことであろう。「アイデアは素晴らしいと思いますが、158の公式参加国と7の国際機関をBIEの方で説得していただけますか?」

日本のマスコミで取り上げられている点は、①会場直結の大阪メトロやバスの延長に伴う経費増大、夢洲(ゆめしま)駅の終電は午前0時過ぎだが、スムーズに帰宅できるかどうかという問題、②閉場時間が1時間伸びることによって、店や警備などの人件費が増大する ということである。来場者の拡大を目指すとすれば、売店、レストランのみならず、パビリオンも当然ながら開館時間を延長することになると思われるが、1時間の延長は、参加パビリオンの予算増に直接繋がることになる。協会幹部は「本当にやるなら課題は多い」としているが、この問題を考える上で最重要のポイントは、誰が追加経費を負担するのかということである。地下鉄、バス等の交通手段は、大阪府・市の負担、会場全体の運営に係る人件費・光熱費等は、博覧会協会の負担、パビリオンの人件費・光熱費等はパビリオンの負担となるものと考えられるが、外国パビリオンだけでも158を数える。その他、国際機関、テーマ館、大阪府・市のパビリオン、企業館も当然ながら当事者になるので彼らの了解も得る必要がある。仮に1時間延長されることになっても公式参加国の足並みが揃うと期待することには無理がある。このように考えると、気の遠くなるような問題が発生し、延長問題は極めて実現の困難な問題と言えよう。

現博覧会国際事務局(BIE、パリ)のディミトリ・ケルケンツェス事務局長の経歴をみると、エネルギー業界、国連で働いた後に2003年BIE入局。事務局長顧問、次長などを経て2020年1月から現職という。2005年の愛・地球博から博覧会に従事し、ゴンサレス事務局長の下で2019年まで勤務したことになっている。ゴンサレス氏のように実務経験がないので、このような提案が出されたものと思われる。

以上

EventBiz Vol.39 開幕!大阪・関西万博

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編集内容

特集 開幕!大阪・関西万博

2025年4月13日、ついに大阪・関西万博が開幕した。約半年間にわたり開催される、この大規模かつ国際的な祭典は、未来のイベントの在り方にも大きな影響を及ぼすだろう。本特集では万博のパビリオンや各所の見どころをレポートで紹介するとともに、体験の設計やねらい、サステナビリティへの取り組みをはじめ、イベントビジネスの視点から「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」を眺める。

特集 イベントの力で地域を盛り上げる

ギネス世界記録にも認定 万博のシンボル 大屋根リング
1970年の人間洗濯機が進化を遂げ再び万博に 大阪ヘルスケアパビリオン
ガンダムが描く未来の世界を体験し、夢を育む GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION
砂漠の砂に触れ、壮大な星々の物語を楽しむ クウェートパビリオン
大地から天空へ UAEパビリオン
万博の中央に位置する癒しの空間 静けさの森
フォトジェニックな空間で生命の神秘に触れる ベルギーパビリオン
水と光と音が織りなす魔法のように幻想的な光景 アオと夜の虹のパレード
大阪・関西万博グルメレポート
アイルランドの想いを大阪でカタチに ~タイプAパビリオン完成第1号の舞台裏
“国の思い”をかたちづくる現場力 ~インドネシアパビリオンを支えたチームの挑戦
女性たちの物語を辿る没入体験 ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier
生の対話が作り出す臨場感 Dialogue Theater ─いのちのあかし─
日本らしい「循環」を伝える場に 日本館
ドイツパビリオンの見どころと体験
シンガポールの “夢” を詰め込んだドーム ドリーム・スフィアで楽しみながら学ぶ
社会課題を解決する中小企業の技術を世界へ 未来航路 ─20XX年を目指す挑戦の旅─
いのち動的平衡館/BLUE OCEAN DOME
伝送技術が作る未来のコミュニケーション NTTパビリオン
海外パビリオン フォトレポート

その他コンテンツ

Pick UP! Exhibition① 第100 回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2025
展示会の総合分析 2025 年 1 月~3 月
開催スケジュール(展示会)2025 年 6 月~ 8 月
論考 寺澤 義親
新オフィス探訪 映像センター
MICE Report Fukuoka Flower Show Pre-Event
海外NEWS & STUDY
Pick UP! Exhibition② ビューティーワールド ジャパン 名古屋
Information MICE 関係者が大阪に集結 Japan MICE EXPO 2025
MICETOPICS① 大阪IR(カジノ含む統合型リゾート)建設工事に着工し2030 年秋ごろ開業
MICETOPICS② Sushi Tech Tokyo 2025

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【幕張】千葉マリンスタジアム再整備へ 基本構想案を公表 2034年オープン目標

千葉市は22日、老朽化が進む千葉マリンスタジアムの再整備に関する「基本構想案(骨子)」を公表した。

新スタジアムは幕張メッセ駐車場跡地に屋外型で再構築される予定で、「海・風・空」を感じる“エンターテインメントスタジアム”として2034年の開業を目指す。

現スタジアムは1990年の開設から35年が経過。施設の老朽化や機能面の限界が課題となっていた。新構想では、プロ野球・千葉ロッテマリーンズの本拠地としての役割を継承しつつ、スポーツ観戦・文化イベント・防災機能などを融合し、市民が365日楽しめる「まちの社交場」を目指す。

建設予定地は、2023年に開業したJR幕張豊砂駅に近接し、大型商業施設や豊砂公園との連携によって、幕張新都心の回遊性や滞在性の向上を図る。

スタジアムの規模は約3万3千人収容を予定し、人工芝グラウンドや屋根付きの観客席、最新の映像・音響設備などが導入される予定。

事業費は、スタジアム本体に約600億円、周辺インフラ整備に約50億円の計650億円。千葉市は財政負担の軽減を図るため、民間資金や国庫補助金などと組み合わせた官民連携方式での整備を検討している。

今後は2025年8月に構想を正式策定し、その後事業協力者の公募、基本計画の策定へと進む。開業までは現スタジアムの使用を継続する方針だ。

千葉市は「新スタジアムを核に、幕張新都心を“未来都市”として再定義する大きな一歩」と位置づけ、若年層の呼び込みや地域活性化、シビックプライドの醸成を目指す。

※以下、「千葉マリンスタジアム再整備基本構想案(骨子)」より抜粋

新たなスタジアムには、市民利用が可能な公共施設としてのベース機能に加えて、民間事業者の投資による整備を想定した拡張機能を誘導することにより、365日楽しめるスタジアムの実現を目指す。

また、周辺の大規模商業施設との接続・連携による利便性・回遊性向上や歩車分離の観点から、2階レベルでの周遊デッキ整備を目指す。

幕張メッセ駐車場に新設する理由

•十分な敷地面積:
建設予定地として必要な約11haのまとまった敷地が確保できるため、多くの人が滞在・交流し、賑わいを創出できる機能も兼ね備えた365日楽しめるスタジアムの整備が可能となる

•交通アクセス:
JR幕張豊砂駅から500m程度の距離にあり、公共交通機関の利用を促進できることに加え、ウォーカブル(歩きたくなる)なまちづくりを推進できる

•周辺施設との連携:
近接する既存の大規模商業施設や豊砂公園などと連携することで、魅力的な拠点形成が可能となり、豊砂地区にとどまらない幕張新都心の新たな価値創出が期待できる

•まちのポテンシャル:
上記の条件を兼ね備えた幕張メッセ駐車場に新たなまちづくりの拠点となるスタジアムを再構築することで、新たなスタジアムを中心に多くの交流を生み、幕張新都心の活力を最大限に引き出すことができる

ドーム型ではなく屋外型スタジアムとする理由

•地域資源の活用・歴史の継承:
幕張新都心の地域資源(海が近く、潮風が心地よい、青空が広がる立地)や現スタジアムの歴史の継承の観点から、「海」「風」「空」を感じられる屋外型を選択

•コストメリット:
イニシャルコスト・ランニングコストの観点から、屋外型を選択

•イベント等での機能分担:
イベント等の誘致において、幕張メッセやBリーグ・アルティーリ千葉新アリーナ(県立幕張海浜公園Aブロック内に検討中)との棲み分けの観点から、屋外型を選択

 

2025年8月 基本構想の策定
2025~2026年頃 事業協力者の募集・決定、基本計画の検討、事業実施の判断
2027~2033年頃 事業者選定、基本設計、実施設計、建設工事
2034年頃 開業

【優先レーン「ファストパス」で並ばず入場】おろしそばイベントで最大3時間待ち解消への取り組み

株式会社宗近(福井県越前市北町45-63-1)は、2025年5月11日(日)に「8時間以内に販売されたそばの最多食数」に挑戦し「12,018杯」で世界No.1としてギネス世界記録(TM)に認定された。

同イベントは、昨年ギネス記録として認定された「8時間以内に提供されたそばの最多杯数=4,013杯」を大きく上回る、1万杯の提供を目指し、宗近は福井県産のそば粉と78年の伝統を武器に、再び世界一への挑戦に挑んだ。

昨年の来場者数は数千人規模、最大で1,000人が3時間待ちの列をなすほどの盛況だった本イベント。

今年はそのイベントに初めて、飲食店向け予約プラットフォームを提供する株式会社TableCheckの「FastPass(ファストパス)」が導入された。

「FastPass」は、1回390円(税込)で購入でき、各時間帯に50名の枠を設けた。

イベントの混雑緩和だけでなく、来場者の満足度向上にもつながると期待されており、TableCheckは今後、フードイベントや音楽フェスなど、混雑が課題となるあらゆる場面への展開を見据えている。

サンシャインシティで沖縄めんそーれフェスタはじまる

5月23日からサンシャインシティで「第16回 サンシャインシティ沖縄めんそーれフェスタ」がスタートした。イベントはサンシャインシティが主催し、共催者である恩納村との連携により、2006年から続くサンゴ保全活動「サンゴプロジェクト」を契機として始まった。6月1日までの10日間開催する。昨年は10日間で過去最高の9.2万人が来場した。

東池袋駅側の地下連絡通路から入るとシーサーがお出迎えしてくれる

「沖縄物産展」には49店舗が出店し、沖縄の名産品や隠れたソウルフードを提供。初出店も12店舗あり、そのうち3店舗は県外初出店となる。会場内にはイートインコーナーが設けられ、その場で沖縄の食を楽しむことができるほか、120席の屋外会場「オリオンビール presents めんそーれビアテラス」では、三線ライブを聴きながら、物産展で購入した商品を楽しむことができる。

オリオンビールに合うおつまみを決定する「第5回オリオンビールに合う!おつまみ選手権」も開催するほか、会場内では三線ライブ、琉球舞踊など、沖縄文化を体感できるさまざまなプログラムを展開す る。

イベントに合わせてサンシャイン水族館では、沖縄の生き物について学べる「いきものディスカバリーめんそーれver.」や、サンゴ保全活動に関する特別展示が行われる。期間中には、恩納村の取り組みを紹介する特設ブースや、ワークショップを展開する。

初出店の海ぶとう農園海ん道~uminchi~。生海ぶどうソフトクリームなど、海ぶどうを使った食材はもちろん、海ぶどうグッズ、ポイを使った海ぶどうすくい体験も提供する。

からあげやサーターアンダギーなどの一部の店舗では、揚げたてを味わうことができる。

今週の展示会スケジュール(5/26~6/1)

▽東京都
05/28(水)~05/30(金)
東京ビッグサイト
2025NEW環境展/2025地球温暖化防止展

05/28(水)~05/30(金)
東京ビッグサイト
ワイヤレスジャパン2025×ワイヤレス・テクノロジー・パーク 2025
運輸安全・物流DX EXPO 2025

▽愛知県
05/28(水)~05/29(木)
名古屋市中小企業振興会館
第14回次世代ものづくり基盤技術産業展~TECH Biz EXPO 2025~

05/28(水)~05/30(金)
ポートメッセなごや
・Japan IT Week
・Japan DX Week
・営業・デジタルマーケティング Week

▽大阪府
05/28(水)~05/30(金)
ATCホール
SIGN EXPO 2025

05/28(水)~05/30(金)
インテックス大阪
JECA FAIR 2025 ~第73回電設工業展~

▽熊本県
05/28(水)~05/30(金)
グランメッセ熊本
農業WEEK J-AGRI
九州 農業資材EXPO
九州 スマート農業EXPO
九州 畜産資材EXPO

▽福岡県
05/30(金)~05/31(土)
福岡国際センター
九州印刷情報産業展2025

オープン1周年を迎えた「INSPIRE」の韓国・アジアMICEにおけるポテンシャル

〈インタビュー〉リゾートセールス アシスタント・バイス・プレジデント キム・ユナ 氏

韓国のエンターテインメントリゾート施設「INSPIRE」が今年3月にオープン1周年を迎えた。同施設のMICEにおける特徴と強み、拡張計画への展望について、MICEを専門に担当するキム・ユナ氏に聞いた。



 韓国MICEの現状 


―韓国のMICE業界のトレンドと、現在の課題はなんでしょうか
現在のトレンドは「デジタル改革」と「持続可能性」です。特にデジタル技術を活用したハイブリッド型のイベントの運営が確立され、ESG経営への関心の高まりとともに、環境に配慮したイベント企画が注目を集めています。
加えて多数の参加者が集まる国際的なイベントや展示会の進行には多くのリスクが伴うため、業界内でも安全管理に対する意識が高まっています。

―「INSPIRE」では、トレンドや課題に対してどのように取り組んでいますか
持続可能なイベント計画に協力していただける企業との継続的なコミュニケーションを図り、現在のトレンドに沿った提案をしています。安全管理の面では、MICE協会と密に連携し新しい法規制、業界標準についての情報を共有しています。私たちは厳格なリスク評価の実施、専門的な安全管理者の配置、標準化された安全マニュアルの作成と効果的なトレーニングを通じて、安全管理の強化に取り組んでいます。またデジタルベースのリアルタイムリスク監視システムも導入しています。

 オープン1周年を迎えた「INSPIRE」

―オープン1周年を迎えて、今のお気持ちをお聞かせください

2024年3月にグランドオープンしてから1周年を迎えることができ、大変嬉しく思います。累計訪問者数は500万人を超え、当初の予想を上回りました。私たちの運営の成果が表れ、着実に業績も向上していることも強調したいと思います。1年余りでこの訪問者数を達成できたのは重要な転機であり、アジアを代表するIRリゾートとしての地位を確立するといった目標に向け、力強いスタートを切れたと確信しています。

Ballroom_Round

―「INSPIRE」のMICEにおける強みはなんでしょうか
「INSPIRE」は統合型リゾートとして世界水準のインフラと差別化されたサービスを基盤に、MICEとビジネスイベントの分野で大きな可能性を秘めています。
特に空港に隣接した立地、最先端の会議場、ラグジュアリーな宿泊施設、そして世界クラスのエンターテインメントをシームレスに融合した複合施設としての特性により、グローバルなMICE開催地として高い競争力を備えています。
会議場には韓国最大級の柱のないボールルームを含む、大規模な国際会議、展示会、企業イベントなど、さまざまなビジネスイベントに対応可能な部屋を備えアリーな宿泊施設、そして世界クラスのエンターテインメントをシームレスに融合した複合施設としての特性により、グローバルなMICE開催地として高い競争力を備えています。
会議場には韓国最大級の柱のないボールルームを含む、大規模な国際会議、展示会、企業イベントなど、さまざまなビジネスイベントに対応可能な部屋を備えています。円滑な運営を支える最新のAV機器とIT設備も完備し、そして豊富な経験とサービスへの高い意識を持つプロフェッショナルなチームが、あらゆる形式のビジネスイベントを効率良くサポートします。
VIP対応が可能なプライベートスペースや、イベントの内容に応じて柔軟に対応できる各種サイズの会議室も整備しており、カスタマイズされたイベント開催にも適しています。
これらの特徴を活かし、さまざまな規模やタイプのイベントに柔軟に対応できることから、プレミアムな”オール・イン・ワン”体験を求めるMICEクライアントにとって、「INSPIRE」は最適な選択肢となっています。

―すでに開催されたMICEにはどのようなものがありますか?
昨年のオープン以来、「2024 World Knowledge Forum」、「Nuskin Live East」、「2025 AMWA Y Spring Convention」といった国際会議をはじめとした、大型かつ多彩なMICEを開催してきました。2025年後半以降も、多くのMICEを予定しています(下記表参照)。

イベント名 会期
2025 AFSN& APMLA(アジア法医学ネットワーク、アジア太平洋法医学機関) 2025年5月
LMCE 2025(2025年臨床検査医学会議・展示会) 2025年10月
第134回韓国眼科学会年次総会 2025年11月
WFDSA世界大会ⅩⅧ 2026年


―MICEプランナーや協力企業とは、どのような連携をしていますか

MICEプロモーションやプランナー向けのメニューを展開しています。ユーザーが事前にイベントを計画できるように特別な早期予約割引のほか、リピーターの方には利用履歴や満足度に応じてポイントやクーポンを付与する報酬プログラムも用意しています。
大規模イベントや長期的なパートナーには、プレミアム施設の無償利用や付加価値サービスを含む、特別割引およびカスタマイズされたパッケージも提案しています。
これらの取り組みは、パートナーやクライアントとの関係を強化するだけでなく、競争の激しいMICE市場で当施設の魅力を高めることにもつながります。付加価値サービスを提供することにより、双方にとって有益な協力体制を築くことに成功しており、当施設は多くの企業やプランナーにとって最適な選択肢となっています。

「INSPIRE」が見据える未来のビジョン

―今後の拡張計画や予定されているプロジェクトについてお教えください
私たちは将来に向けた明確な開発を進めるとともに、拡張計画を立てています。
拡張計画ではエンターテインメント施設やアクティビティを充実させるとともに、MICEの知識やサービスの質を高め、ゲストの個々のニーズに応えられる施設を目指します。
また国際的な会議や展示会の組織とのパートナーシップや交流を強化し、市場へのリーチを拡大するとともに、「INSPIRE」のグローバルな認知度と影響力を高めていきます。これらの計画を実行していけば、リゾートの競争力と魅力がさらに強化され、今後の発展においてもリーダーシップを維持することができると確信しています。

―日本のMICE関係者へ向けたメッセージをお願いします
当施設は日本のMICE関係者に自信を持ってお勧めできる、新しく唯一の個性を持ったイベント会場です。仁川国際空港へのアクセスに優れ、最先端のコンベンションセンターや3種類のデザインのホテル棟、韓国唯一のアリーナ、その他のエンターテインメント施設を備えています。
当施設には日本語の専門スタッフが揃っているだけでなく多言語に対応した案内システムも完備しており、言語の壁なくスムーズなイベント運営が可能です。加えてカスタマイズされたプランニングと細やかなサービスといった強みを活かし、日本の企業や団体の特別なニーズに応えます。
私たちはアジアのMICEハブとしての地位を確立することを目指しており、特に日本との協力に力を入れています。日本の皆さまをお迎えできることを楽しみにしております。ぜひご関心をお寄せいただければ幸いです。

JCMAがMICE業界を対象とした「未来につながる働き方アンケート」結果公表

日本コンベンション協会(JCMA)はこのほど、MICE業界では初の試みとなる、業界での働き方に関する「未来につながる働き方アンケート」を実施した。

MICE業界従事者の中で最も若年層にあたる20代において、職業選択のきっかけとして最も多かった回答は「なんとなく面白そうだから」「仕事内容に憧れがあった」で、両者を合わせると71%だった。さらに、「目指したい存在が身近にいる」と答えた人も69.4%と、約7割に達している。業界への憧れや、ロールモデルとなる存在が身近にいることが、前向きな姿勢で仕事に取り組む原動力となっている実態が浮かび上がった。また、性別や年齢による課題や価値観の違いも明らかになった。

アンケートは2024年12月9日~2025年1月15日の期間、JCMA所属会員260事業者・公的団体の従業員を対象にインターネットで調査を実施。回答数は520件だった。JCMAでは今回のアンケート結果を今後の改善施策や業界全体の取り組みの参考にしていく。

 

以下、プレスリリースを引用

<調査結果の詳細

1. 20代の職業選択のきっかけは「なんとなく面白そうだから」
「仕事内容に憧れがあった」が合計71.4%

MICE業界に従事するきっかけとして最も多かったのは「面白そう」(35.6%)で、次いで「自分に合っている」(29%)、「仕事内容への憧れ」(25.4%)という理由が挙げられた(図1左上)。特に20代・30代は「面白そう」「仕事内容への憧れ」を選択した人が多く、それぞれ全体の約7割にのぼりました(図2赤枠)。

仕事へのやりがいについては、「感謝の言葉をもらうこと」(52.9%)、「成果を認められること」(46.5%)、「仕事をやり遂げること」(32.7%)に強く感じているという回答が目立ちました(図1左下)。これは、コンベンションやイベントの成功が見える形で評価されやすいMICE業界ならではの特性が反映されていると考えられます。

さらに、仕事の意義として「社会貢献」(48.1%)、「自己成長」「収入獲得」(いずれも46.7%)も高い割合で選ばれており、それらを重視する傾向が強いことも分かりました(図1右)。これは、MICE業界が単なる収入源にとどまらず、従事者にとって社会的意義や自己実現の機会を提供していることを示唆しています。

総じて、MICE業界の従事者は、仕事の成果と遂行に強いやりがいを感じ、自己の成長と社会への貢献をモチベーション・使命として重視しつつ、適切な収入も求めていることがわかりました。

図1  MICE業界を選択した理由、仕事のやりがい、仕事の意義
図2 MICE業界を選んだきっかけ(性別・年代別)

2. 20代の「目指したい存在が身近にいる」は69.4%

調査では、全体の57.1%の回答者が「目指す存在がいる」と回答(図3左上)。特にこの傾向が顕著だったのは「20代」(69.4%)、「入社1年未満」(83.3%)、「入社1年〜3年以内」(71.8%)、そして「コンベンション施設の従事者」(68.8%)といった層でした(図3右)。

また、「目指す存在がいる」と回答した層では、業界選択理由の実現割合も高く、ロールモデルの存在がキャリア形成に良い影響を与えている可能性が示唆されます(図3左下)。

MICE業界では、キャリアパスが見えにくいことが課題とされる中で、身近なロールモデルの存在がその不安を和らげ、前向きなキャリア意識につながっていることがうかがえます。

図3 目指したい存在が身近にいる割合

3. 業務上の最大の課題は「業務の時間」
特に「従事年数10~12年目」の「女性」層に顕著な傾向

業務上の課題として最も多く挙げられたのは「業務の時間」(43.7%)であり、特に「女性」(51.1%)および「従事年数10~12年目」(63.9%)の層でその傾向がみられます(図4左上、右)。

これは一般的な社会課題であるワークライフバランスの問題とも重なるものであり、MICE業界においてもとりわけ深刻な課題であることが示されました。

しかし、「業務の時間」を課題と認識している層と、そうでない層との間で「転職(業界外)」を選択肢として挙げた割合には大きな差が見られませんでした(図4左下)。

このことから、長時間労働が離職・転職の一因にはなり得るものの、それ以上に他の要素が転職の意思決定に影響を与えている可能性が考えられます。

図4 業務上の課題

4. ジェンダーギャップ、男女の働き方や価値観の違いが反映された結果に

男女の仕事に対する意識調査では、共通点と相違点が明らかになりました。

業界選択理由
男女間で大きな差は見られないものの、女性は仕事内容への憧れや社会貢献をやや重視する傾向があります。
仕事の課題
女性は業務時間の長さやプライベート時間の確保について、特に強い課題意識を抱いていることが分かりました(図5)。
ロールモデルの存在
男女ともに約6割が「目指す存在がいる」と回答しており、性別による顕著な差は見られません。
仕事のやりがいや意義
男女共通して、「感謝の言葉」や「成果の認知」、「社会貢献」、「自己成長」、「収入」を重視しています。しかし細かく見ると、女性は社会貢献や成果の認知、社会的自立により重きを置く傾向があり、男性は次世代の育成や人間関係の構築、会社への貢献をより重視する傾向が見られました(図6)。
まとめ
総じて、女性は長時間労働とワークライフバランスに強い課題意識を持ち、社会貢献や自己実現に重きを置いていることが分かりました。一方、男性も同様の課題を抱えているものの、その程度は女性ほど高くなく、次世代育成や人間関係の構築により注力する傾向があります。これらの結果は、MICE業界における男女の働き方や価値観の違いを反映しており、今後の人材育成や職場環境の改善に向けた指針となる可能性があります。

図5  仕事・仕事以外での課題
図6 仕事のやりがい・意義

 

 

 

 

 

5. ジェネレーションギャップ、各年代における価値観や
モチベーションの源泉の違いが明らかに

年代別の仕事に対する意識調査では、以下のような傾向が見られました。

業界選択理由
20代・30代の若手は、仕事内容への憧れから業界に入る傾向が強く、約3割がこの理由を挙げています。また、全年代を通じて、業界選択理由の実現できると感じている人は多く、6〜7割が「実現できた」または「取り組み中」と回答しています(図7)。
仕事の課題
20代から50代まで、約半数が業務時間を課題と感じています。特に30代・40代は賃金制度に課題を感じる割合が高く、20代はスキル不足を課題として挙げています(図8)。また、20代・30代の13%が「業務が自分に合っていない」と感じているのも注目すべき点です。
ロールモデルの存在
若年層ほどロールモデルの存在を強く意識しており、特に20代では約70%が「目指す存在がいる」と回答しています。
仕事のやりがい
年代を問わず、「感謝の言葉」「成果の認知」「仕事の達成感」が仕事のやりがいとして上位に挙げられています。一方、「仕事の意義」については年代による違いが見られ、高年層は社会貢献や自社への貢献、次世代育成を重視する傾向があるのに対し、若年層は自己の能力向上や自己実現をより重視する傾向があります。
まとめ
これらの結果は、各年代における価値観やモチベーションの源泉の違いを反映しています。効果的な人材育成や職場環境の改善には、年代ごとの特性を理解し、それぞれのニーズに応じた柔軟なアプローチが求められることが示されました。

図7 業界選択理由の実現状況
図8 仕事での課題

 

 

 

 

 


<調査総括>

① 長時間労働
業務内容(時間)に課題を持っている人は43.7%と提示した課題の中で最も高く、ワークライフバランスの一般的な課題と符合します。属性別では特に”女性” ”業界従事年数7~13年”で課題感が強く、出産や育児のタイミングで長時間労働が課題になるケースがMICE業界でも多いとみられます。

ただし、業務の時間を課題と考えている層と、そうではない層での転職意向に大きな差がないため、課題感としては高いものの、転職意向には他理由がより影響していると考えられます。

② ロールモデルの存在
全体の半数以上が「目指す存在がいる」と回答しており、特に20代ではおよそ7割と高い値
です。一方で、中堅・ベテラン層は5割前後に留まります。約半数に目指す存在がいるというのは決して低い値ではないのではないと考えられます。また、目指す存在がいることで自己実現の状況が高まる傾向があり、よりロールモデルが増えることによって、組織内で良い作用を起こすことができると言えます。

③ 転職要因
「労働環境(賃金制度)」「社会貢献実感」「業務不適合」などが転職意向と関連性が高く、特に転職意向が高いグループは以下の通りです。

1. 賃金・時間への課題を持っており、社会貢献をやりがいとしている
2. 業務不適合と感じていて、目標達成への意義を見出せていない。賃金には課題を感じていない

必ずしも「労働環境(賃金制度)」に課題を持っていると転職意向が高まるわけではなく、「顧客の目的達成」に意義を見出している場合は、転職意向が低くなる傾向があります。関連性が高い項目は前述の通りですが、課題感や仕事への価値観によって転職意向は変化する点を留意する必要があります。

④ 女性の活躍と課題
社会課題となっている働き方やワークライフバランスですが、MICE業界でも女性が働くうえで長時間労働が特に課題となっています。

一方で、「仕事の成果を認められること」にやりがいを感じている女性も多く、パワフルな女性が働いている業界と考えられます。結果を出したい、社会に貢献したいという前向きな思いがある一方で、長時間労働により出産や育児との両立が難しいと感じる声もあり、こうした点は業界の今後の課題のひとつといえそうです。

⑤ 若年層の働き方と意識
若年層の働きがいは能力向上など自身にベクトルが向いている傾向があります。一方、高年層は社会や自社への貢献、後進の育成など他者へベクトルが向いています。この点を理解し各年代でのモチベーションを向上させる組織内での施策が効果的であると考えられます。

【違法スポーツ賭博】合法的なスポーツくじを大きく上回る6.5兆円規模に【無断配信や広告も】

一般財団法人スポーツエコシステム推進協議会「海外スポーツベッティングサイト に関する調査」を実施し、その結果を公表した。

調査によると、日本からアクセス可能な海外スポーツベッティングサイトを介した違法越境市場の規模は年間約6.5兆円にのぼり、日本国内のスポーツを対象とした賭け金だけでも約1兆円に達するという。

これにより、日本国内で合法的に運営されているスポーツくじの市場(年間約1,336億円)と比較しても、違法市場がはるかに巨大な規模を形成していることが明らかになった。

さらに、調査では日本のスポーツを対象に海外から行われる「フリーライド市場」についても分析を実施。2024年の市場規模は約4.9兆円と推計され、特に日本のサッカーが約2.9兆円分と、賭けの対象として突出している。これらの賭けは主に中国などアジア諸国や米国在住者によって行われているという。


権利侵害の疑いも

調査はまた、海外スポーツベッティングサイトの一部で、著作権や肖像権、パブリシティ権などの侵害が行われている可能性があることも指摘している。

具体的には、日本のプロスポーツの試合映像を無断でライブ配信したり、チームロゴの無許可使用、SNSなどで選手の肖像を利用した広告を展開する例が確認された。これにより、選手があたかも違法ベッティングの推奨者であるかのような誤解を生む恐れもあるという。


アフィリエイト広告が違法市場を拡大

さらに、ベッティングサイトの広告活動において、アフィリエイト広告の増加も深刻な問題として浮かび上がった。ブログやSNSを通じて日本居住者を誘導する広告が氾濫しており、紹介ユーザーの「負け金」に応じて報酬を得るアフィリエイターが多数存在するという。

調査によると、アフィリエイト報酬は賭け金の20~30%に相当し、年間約1,000億円規模の資金が流れている可能性がある。同様の手法でオンラインカジノに誘導した日本人が摘発された事例もあり、スポーツベッティングに関しても法的措置の対象となる可能性があるとされている。


対応遅れる日本、今後の課題

こうした事態に対し、協議会は主要スポーツ団体や法律専門家とともに勉強会を発足。欧州評議会が推進する「マコリン条約」や「ナショナル・プラットフォーム」構想を参考に、海外機関と連携した対策強化を進める方針を示した。

日本ではこうした国際的な枠組みや監視体制の整備が遅れており、協議会は「八百長や不正操作、選手の権利侵害などのリスクが高まっている」と警鐘を鳴らしている。


スポーツエコシステム推進協議会は今後も、関係省庁への情報提供や調査活動を通じて、違法スポーツベッティングとフリーライド市場への対応を強化していく方針だ。

一般財団法人スポーツエコシステム推進協議会は、すべてのステークホルダーと共にスポーツ産業を起点とするエコシステムの形成・発展を実現すべく設立された一般財団法人。

元アスリートやスポーツ団体関係者により構成される評議員会の下、スポーツ関連企業など合計115社の会員を擁し、また、スポーツ団体など合計8団体のパートナー団体と連携して活動を行っている。

日本違法越境市場及びフリーライド市場の規模の詳細

© スポーツエコシステム推進協議会

<以下、リリースより抜粋↓>

© スポーツエコシステム推進協議会