【2日間で2,400件の商談が成立した仕組みとは?】
展示商談会の効果を最大化するIT活用と成功のポイント
【Sansan×スプラシア対談】



 
2024年2月29日、Eight(Sansan)で多くのイベント主催を手掛ける石本卓也氏と、イベントのパートナーとしてITプロダクトを提供してきたスプラシア中島優太氏らによる対談が開催された。

対談は「Eight × Sprasiaの事例から学ぶイベント主催の“いま、これから” 〜イベントDXの活用と成功のカギ〜」と題し、ITの活用によって事前予約数を大幅アップさせた手法などが、具体的な事例を踏まえながら語られた。

本記事で紹介するサービスやノウハウに興味を持たれた読者は、ぜひスプラシアまで問い合わせてみてほしい。

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株式会社スプラシア
問い合わせ先:sales@sprasia.com

石本卓也氏(Sansan株式会社執行役員、Eight事業部Event Business管掌)

1999年より世界最大級の展示会主催会社の日本法人にて、年間60本以上の展示会をプロデューサーとして指揮。2010年に同社常務取締役に就任。2019年にSansan株式会社に入社。Eight事業部にて「Climbers」「DXCAMP」をはじめBtoBイベントの主催事業を管掌。2022年5月よりログミー代表取締役社長を兼任。

中島優太氏(株式会社スプラシア代表取締役社長)、大河内美里氏、茂野晃大氏

スプラシアはイベント領域におけるITプロダクトを提供。イベントのDX をサポートする「EXPOLINE」( エキスポライン) は、その高いカスタマイズ性や、親会社の博展と連携してイベント全体をサポートできることを強みとしている。
Sansan Eight事業部がイベントに力を入れる理由

 

中島

まずSansanでどのような事業を手掛けていらっしゃるのか、説明をお願いできますでしょうか。

石本

私は前職で20年間、年間数十本の展示会を手掛けていたのですが2019年、Sansan株式会社に入社し、5年前にイベント事業を立ち上げました。現在は約40人のチームで年間30本くらいのB to Bイベント(展示商談会やカンファレンス)を開催しています。

Sansanは「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションを掲げており、私が所属する事業部の名刺管理アプリ「Eight」は今330万人のユーザーを抱えています。

このデータを活用し、例えば「経理部の人に会いたいイベントを作ろう」と考えたとき経理部にターゲティングしてその人たちだけを呼ぶというように、会いたい人だけに絞って会えるイベントを作ることができるのが我々の強みかなと思っていまして、イベントを企画するときはそこを意識しています。

ビッグデータやテクノロジーを活用し、偶然の出会いだったものを確実な出会いに変えられないかということをイメージしながら、最終的にはビジネスの起点、出会いの場所というのを最高のパフォーマンスの場に変えていくようなイベントビジネスをEightで仕掛けているというところが私の現在のプロフィールになります。

中島

イベント開催のパートナーにスプラシアを選んでいただいた理由はどういったところになるのでしょうか?

石本

Sansanはデジタルカンパニーですが、これをイベント体験として作り上げるためにはパートナーを接続して、スピードを上げたいという思いがありました。

スプラシアさんを選んだ理由は、まずフルカスタムが可能なこと。

例えば「これを来場者・出展社に届けたい」といった我々のニーズがあったとすると、一緒にどういう風にすればいいのか、伴走して考えて作り上げて頂ける。「うちはパッケージ提供なので変えられません」という返事は聞いたことがありません。

次に、セキュリティが強固であるという点です。

Sansanは導入するシステムのセキュリティチェックが厳しいのですが、スプラシアさんはなんと100点満点で、そういった点も非常に信頼しています。

また、博展さんとの資本関係があるということで、イベントプロデュースについての話をする上での言語が一緒というところ、イベントに関することの理解が早いので欲しいものがすぐ手に入るという点も助かっています。

 

<展示会事例①「Start up JAPAN」FUNDeal>

2日間で2,432面談が成立した仕組みとは?

 

大河内

2023年の11月の「Startup JAPAN」というスタートアップ専門展示会について、お話しさせていただきます。

Startup JAPAN には3000名の投資家・スタートアップが参加し、その中で「FUNDeal(ファンディール)」という試みを行いました。

「FUNDeal」は、出資先を探している「CVC・事業会社、VC企業」と、資金調達を行いたい「スタートアップ企業」が出会い、会場で面談して頂くというイベントになっています。

石本

展示会の中に、専門の面談区画を作ったという感じですね。2000名くらいの方が有料でこちらに入り、面談を予約されました。

大河内

結果はイベント全体だと1万879名の参加、そのうち「FUNDeal」では2日間のイベントでなんと2,432面談が成立していまして、初回満足度が91%、そのうち半数の方たちが、次につながる再面談をしていただいているというような結果になっています。

私たちはそこのシステムを、お手伝いさせていただいていました。

前回は初めての開催で、Sansan様といろいろお話ししながら、マッチングに必要な3つの機能を、弊社の「EXPOLINE」に実装させていただきました。

事前アンケートと独自のマッチングシステム

 

大河内

まず1つ目はおすすめ表示、これはいわゆるリコメントです。面談希望のリクエストを他の参加者の画面に表示する機能ですね。

「FUNDeal」に参加していただく方には、事前にアンケートに答えてもらっています。

そして、どんな人なのか、どんな面談をしたいのかという情報を「EXPOLINE」に蓄積して、全ユーザーと全ユーザーのマッチ度を裏で計算し、おすすめ機能ではその人にとって一番マッチ度が高い人が順番に並んで表示されます。

来場者は上から順番にリクエストを送っていけば、誰でもより良い人と出会えるような仕組みになっています。

また、コンシルジュのお勧めというのがありまして、これはSansan様のパートナーにスタートアップのプロの方がいらっしゃるんですが、その人たちから「あなたには誰々さんがこういう理由でおすすめです」というコメント付きでおすすめを出してもらえるような機能となっています。

石本

機能についてはUX/UI含めてメンバーで本当に吟味して考えたんですが、それをシステムに反映するとなると現実には30パーセントくらいしか実装できないこともあります。

しかし、スプラシアさんは90パーセント以上システムに反映してくれました。マッチングのために事前のアンケートというと当たり前じゃないと思うかもしれないですけど、実はすごい出し分けのパターンがありまして、スタートアップに見せるアンケートとVCに見せるアンケートと事業会社に見せるアンケート、全部違うんですね。

7種類のアンケートのアルゴリズムを掛け算して50通りくらいのアルゴリズムが入っているので、その人が本当に会いたい人が選ばれて出てくるんですよ。

これはなかなか作れない。よくやってくださったなと思っていて、今回の最大のミソだと思いますね。

大河内

1番のこだわりポイントでした。ありがとうございます。

面談時間・場所の管理

 

大河内

面談をする上では、「時間がサクッと分かって、スムーズに面談場所にたどり着ける」というストレスフリーな体験も重要なポイントです。

まず、面談の「リクエストを受けた人」が面談時間を簡単に決められるUIとUXを実装して、面談の成立数をどんどん上げていくことを目指しました。

面談場所についても、システムから自動で案内されます。FUNDealでは1対1だけでなく2対3や4対2などの商談も成立します。そのため、どちらかの会社の人が3名以上いらっしゃる場合は8名席を振り分けたり、偶数の座席を先に埋めるなど、効率的な運用のためのシステムを構築しました。

管理画面も、「どの時間帯にどの人がどの席で喋っているのか」が一目でわかるようになっており、当日の席のねじ込みや移動にも対応できるようになっています。

面談前後のコミュニケーション機能

 

大河内

マッチングする前の段階の、「リクエストを送った時点」からすぐチャットが利用できるようにしました。

アイコンにもこだわり、「こういう理由でお話ししたいです」というアピールや、面談直前の打ち合わせ、面談後の連絡などに活用して頂きました。

石本

使いやすさが商談数にもつながったと思います。来場者として来ていた弊社の財務部などからも、圧倒的にUIがいいと評価を受けていました。

大河内

継続的にイベントを開催していく上で、改善点は何だったと思われますか?

石本

第1回の開催で読めていなかったのが、「既読スルー」の機能を実装していなかったことです。

会いたいですと言われて嫌ですと言うのは勇気いる。そうするとリクエストを見てるのに答えず「保留」にしてしまう人が多かったんですね。

「次回なら会えます」とか「ジャンルが違うので会えません」など、ラブコールを送っている方を傷つけず返事ができる方法は必要だと感じました。

大河内

ありがとうございます。今後もパートナーという立場でどんどん機能を良くしていければと思うので、よろしくお願いいたします。

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<展示会事例② 「ビジネスIT & SaaS EXPO 営業マーケDX 比較・導入展」>

「営業マーケ」のみにテーマを絞った展示会

 

茂野

2024年1月、単体の展示会としては初めての開催となった「ビジネスIT & SaaS EXPO 営業マーケDX 比較・導入展」でしたが、来場者が2日間で2,910名、参加登録者数が6,192名という規模のイベントとなりました。

中島

商談をしている写真が多いですね。通常の展示会だと、通路に大勢人がいる写真がキーに使われたりするんですが、このイベントの場合は商談数の多さが評価されました。

茂野

「出展社の受注獲得(ROI)」にとことん向き合うというのが大きなコンセプトでした。

3つポイントがあったと考えていまして、それらについて石本さんに伺っていければと思っています。

まず、展示会は幅広くテーマを持って開催されることが多と思うのですが、今回は「営業マーケ」のみと、テーマをかなり絞って開催されていますね。

石本

色々なテーマで一緒に開催したほうが規模が大きくなる部分はあると思いますし、収益もよくなるかもしれません。

でも、やはり私たちが一番向き合うべきは、出展社さんが「過去最高に良かった」とか「売上が取れた」と感じられる点だと考えました。

そのためにはとにかく徹底的に絞ろうと。まず「営業マーケ」に絞って、さらに「比較と導入をする目的で来てください」というところまで絞る実験をしてみたという経緯になります。

来場者2,910人という結果は業界関係者の方から見ると少ないと感じるかもしれませんが、特定の目的を持った方のみがこの人数が集まったことで、受注の繋がりやすさにつながったのだと思います。

来場者ごとに中身の異なる
「出展社一覧」を表示

 

茂野

「事前に目的を持ってもらう」ことが重要かなと個人的にも捉えておりまして、我々が実装させていただいた機能ですと、まずリコメンド機能がございます。

Eightのビッグデータをもとに、サイト上で「あなたに合った出展社」を順に表示するのですが、来場者一人一人に合った出展社が順番に並んでおり、効率的に比較したい出展社を探し出せるようになっています。

事前予約通り8割の人が来場 
「訪問オファー」機能

 

茂野

ポイントの2つめが、「商談直結型の次世代展示会を目指す」といった点です。

石本

出展社の受注に繋がる展示会にこだわった結果、「事前予約」にフォーカスした取り組みに力を入れることになり、そのためには、どれだけクオリティの高いオファーシステムを構築できるかが重要でした。

スプラシアさんには、「訪問オファー」の機能などを一緒に作っていただき、席と机の予約や、出展社と来場者同士のオファーがきっちり機能するように、さまざまな工夫をしてもらいました。

予約があっても実際に会場に来るのは3割くらいかもしれないと予想していたんですが、テーマを絞ったこともあり来場者の目的意識はかなり強かったようで、8割が予約通り来場されるという結果になりました。

これはこのシステムのおかげですし、テーマを絞ったことで商談特化型の展示会に一歩踏み込めたのかなというところは感謝しています。

中島

事前オファーが一番多く取れた出展社さんは90件でした。展示会が始まる前に90件以上の商談がすでに取れた状態で初日を迎えられるわけですね。

石本

そうですね。「ITでは商談が起こらない」といった通説もありましたが、そこに風穴を開けられたのではと思っています。

中島

ちなみに我々も出展させていただきましたが、受注が取れました。

石本

素晴らしい(笑)。

茂野

出展社の管理画面についてこだわったポイントは、3つのステップで簡単にオファーを送れることです。オファーを受けた側はマイページのリストから、受諾や辞退の返事を行います。

Eightの登録を必須に
「名刺がいらない展示会」

 

茂野

3つ目のポイント、ここが一番重要だったかなとは思っているんですけれども、スプラシアのシステムとEightの連携をどう行ったかというところを説明させていただければと思います。

今回の展示会は名刺アプリ「Eight」のタッチ機能を使って、 受付から名刺交換までスマホ一つで完結できる「名刺がいらない展示会」を一つのテーマとしていました。

イベント参加にはEightの登録が必須となっていたのですが、Eightのアカウントを持っていない方も参加登録フォームに入力するだけで同時にEightのアカウントを作成することができます。

当日はアプリを開いて受付パネルにタッチをいただくと、パスが出てきて会場に入場できる仕組みです。会場内でもタッチ名刺交換で出展社と来場者に、手軽に名刺交換をして頂きました。

もちろん管理画面では主催社・出展社それぞれがタッチ名刺交換のログやサイトのアクセスログを確認できるような形となっておりました。

石本

スプラシアさんのEXPOLINEというサービスと、弊社のEightアプリをどうやって連携するかってかなり難易度が高いんですよ。断念するケースも多いと思うんですが、EXPOLINEはカスタマイズ性が高く、比較的つなぎやすかった。

Eightは名刺で登録して始めます。個人IDのようなものなので、これでイベントに登録できると一番楽だし早い。

現在の展示会はGメールやinfo@で参加登録する来場者も多く、名刺で登録していたころに比べて来場者の電話番号やメールアドレスが手に入りにくくなっています。

しかしEightの登録を100%にするとタッチ名刺交換で、名刺情報を全て交換できます。名刺がなくなったと断られることもありませんし、特典も付いているのでどうぞどうぞとたくさん活用して頂けるわけです。

またEightの登録を100%にするとITリテラシーの問題ですとか、使ってない方が多い場合にハードルが大きいのではと仮説を立てていたんですが、Eightアカウントを発行する仕組みもありイベントアプリのように使ってもらうことによって、当初の予想より急に門戸が狭くなったみたいな印象はなかったというのは、励みになるトライだったなと思います。
 

中島

最後に今後の展望をお聞かせください。

石本

今後も、もっとテクノロジーを駆使してイベントビジネスのニューノーマルを確立していきたいと考えています。

Eightだけではなく、その仕組みを色々な展示会で使っていただいて、出展社さんにとって展示会が欠かせないものになればイベント産業も発展し、日本経済も回って元気になると思っています。

そのような目線で今、努力しているところです。

中島

本日はありがとうございました。

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