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【新施設】葛飾・新小岩に1万5000人規模のスタジアム構想 東京23区初を目指す

葛飾区が、JR新小岩駅近くの東新小岩運動場を候補地に、大規模なサッカースタジアムの整備構想を進めている。想定されているのは、J1のスタジアム基準の一つである「入場可能数1万5000人以上」を視野に入れた球技専用スタジアム。実現すれば、東京23区初の施設となる可能性がある。

区は2026年7月3日、スポーツ政策や都市計画、防災、地域経済、施設経営などの専門家で構成する「葛飾区スタジアム構想事業検討委員会」の初会合を開催した。委員には東京都サッカー協会やJリーグの関係者、大学教授、地域団体、経済団体などが名を連ねており、今後、スタジアムが目指すべき姿や事業化に向けた基本的な考え方を整理する。

新小岩駅から徒歩7分、約6万8000平方メートル

整備予定地とされる東新小岩運動場は、葛飾区東新小岩一丁目に位置する。敷地面積は隔地を含めて約6万8000平方メートル。JR総武線の新小岩駅から徒歩約7分、駅東北広場のバス停からは徒歩約5分と、公共交通によるアクセスの良さが特徴だ。

現在は野球場や陸上競技場、テニスコート、クラブハウスなどが設けられ、区民向けのスポーツ施設として利用されている。区は旧私学事業団総合運動場の土地を2024年2月に取得し、必要な修繕を行った上で、同年9月から東新小岩運動場として供用を開始した。2026年2月には、東新小岩運動公園を東京都市計画公園に追加する変更が決定している。

試合がない日にも人が集まる場所へ

構想の特徴は、スタジアムをサッカーの試合だけに使用する施設とせず、都市公園や地域の日常生活と一体になった場所として整備しようとしている点だ。

検討委員会では、スタジアムの役割として「都市公園との親和性」「防災拠点」「地域との共存」「スポーツを軸とした価値の提供」「公共性と経営性」の五つを中心に議論する。

試合やイベントがない日にも広場や飲食店、交流スペースなどを利用できる環境をつくり、子どもから高齢者までが日常的に訪れる施設を目指す。スポーツ教室や健康づくり、子育て支援、学習、地域イベントなど、観戦以外の機能を持たせることも検討課題となる。

区が参考事例として挙げる「エディオンピースウイング広島」では、公園や商業施設と一体になった「スタジアムパーク」が整備され、スタンドやオープンスペースを日常的に開放している。京都府のサンガスタジアムでは、スポーツ観戦に加えて商業施設やクライミング、eスポーツ、保育施設、足湯などを組み合わせ、試合日の集客だけに依存しない運営が行われている。

防災拠点としての役割も

葛飾区は、スタジアムに地域の防災拠点としての機能を持たせることも重視している。災害時の避難場所や物資の備蓄、非常用電源、トイレ、救援物資の搬入スペースなどを設け、平常時と非常時の双方で活用できる施設を想定する。

参考事例として、スタンド下に約2200平方メートルの備蓄倉庫を備える埼玉スタジアム2002や、約1万人が3日間避難生活を送れる設備を持つエスコンフィールド北海道などが紹介されている。

一方、周辺地域には浸水リスクや放置自転車、駅から運動場までの歩行動線、住宅地への騒音・交通の影響といった課題もある。地域住民の生活環境を守りながら、大規模イベント時の安全な移動経路をどう確保するかが重要な論点となりそうだ。