MICE(マイス)とは?わかりやすく解説

★カンタンおさらい★
ポイント①MICEとはビジネスイベント(広義的にはBtoCイベントも含む)のこと
ポイント②MICEを開催するとたくさんの人と情報が集まる
ポイント③MICEを開催すると開催地域と、各イベント専門企業は利益を得る

 

3 MICEに存在する3つの立場「主催」「運営・サポート・会場」「国・地域」それぞれの役割を考える

MICEの構造について考える上で重要なポジションはおおよそ「主催」「運営・サポート・会場」「国・地域」で、当日そこに来場者が加わることでMICEは成り立ちます。

それぞれの役割は何なのか、イメージしやすいようにMICEのC(国際会議)を例にして考えてみましょう。仮に開催したい国際会議名を「国際ABC学会議」、主催者を「国際ABC学協会」、彼らの専門分野名を「ABC学」とします。

MICEは誰がどのように動き成り立っているのか

主催者
国際ABC学協会はこの「国際ABC学会議」を開催するためだけに作られた組織ではありません。研究対象であるABC学の発展と世界各地にいる会員のための組織です。協会としての役割を果たすため、数ある取り組みの一つとして、世界各地からABC学の識者を集めた「国際ABC学会議」を実施します。

MICE開催のメリットのひとつに『ビジネス・イノベーションの機会の創造』というものがあります。国際ABC学会議も普段会うことのできない世界中のABC学の専門家とのコミュニケーション・情報交換が促進される場なので、さらなるABC学の発展につながることが期待されます。そのため国際ABC協会は会議開催に強い目的意識がありますが、彼らにとって問題なのは目的・目標を達成できる会議にするにはどうすべきかを知らないという点です。国際会議の場でABC界において重要な研究成果を発表しようと思ったり、ABC学の権威と呼ばれるような海外の著名な教授も参加したりするのに、それを聞く人や相互コミュニケーションを取る場がなければ開催する意味がないのです。目的を達成するための国際会議にするにはどうしたら良いのでしょうか。

運営・サポート企業
そこで登場するのが「会議の専門家」です。特に会議運営のプロ企業のことをPCO(ProfessionalCongressOrganizerの略)と言います。PCO企業は主催者から依頼を受けたら、主催者の希望をヒアリングし、希望に沿った会場の予約、協会会員への告知・来場促進、プログラムの作成、通訳の派遣、ウェルカムパーティーの手配など、会議を行ううえで必要なさまざまな実務を行います。

さて、今回の国際会議では世界中から多くのABC学会員が来日し、盛大にウェルカムパーティーを開催するとしましょう。そこでは美味しい料理がふるまわれますが、これらは当然PCOの社員が作ったものではありません。警備も同様で、訓練を受けたPCOが参加者を守るわけではなく、専門企業から警備員が派遣されます。このようにPCOは主催者から依頼を受け、会議開催に向けて動きますが、そこからさらに料理のプロや警備のプロといった各種イベント専門企業へ仕事を依頼します。これらPCOをはじめとする警備、ケータリングなど、主催の下で国際会議の開催を支えるのが「運営・サポート企業」で、開催する場を提供するのが「会場」です。

ちなみに会場は大きな平土間や劇場型ホールを持つ施設やホテルだけではないのを知っていますか?最近はパーティー会場として博物館や水族館、文化財の日本庭園など、一風変わった場所を活用することが人気なんです。こういった会場のことを”ユニークベニュー”と呼びます。


 MICEへの理解を深める!おすすめ情報 
どのようなサポート企業があるのかチェックしてみよう!サポート企業を専門分野別に検索できる
イベント&MICEサポート企業ガイド

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国・地域
「多くのABC学協会会員が“来日”し」と説明した通り、国際ABC学会議は日本で開催されました。MICEの中には世界を巡回しながら開催するものが存在します。そのような巡回型MICEは開催することで先述した『大きな経済効果』『ビジネス・イノベーションの機会の創造』といったメリットのほか、開催した場所の『国・都市の競争力向上』をもたらすとされています。

国はそういったメリットに注目し、ときは他国と競いながら日本そして各地域をアピールします。誘致の際は「私たちの地域で開催すれば、こんなに素敵なMICEを実現できる」と、会場や地域と連携します。

このようなPR活動ですが、「国」の場合は日本政府観光局(JNTO)が、「地域」の場合はMICE誘致のための調査やPR、企画を行うビューロー(各地に存在する自治体や企業が主体となる組織で○○(地域名)観光コンベンションビューロー/コンベンション協会/観光協会といった名が多い)が中心となり動きます。ビューローには多くのMICE運営・サポート企業や会場が会員として在籍しています。さきほど挙げたユニークベニューの発掘・開発・情報発信も積極的に行います。

なお、開催地の決定権は主催者が持っていますが、PCOもまた主催者の開催地選定に大きな影響を与えると言われています。


 MICEへの理解を深める!おすすめ情報 
こちら「国」の視点です。誘致促進の施策に関わる観光庁、日本への誘致活動を行うJNTO、MICEの企画・運営を担う業界団体JCMAの三者に日本MICEの魅力と可能性について語ってもらいました。
【MICE座談会】観光庁×JNTO×JCMA~日本MICEの未来に向けて~

「国」の活動紹介です。国際会議にはそれぞれ議題となる専門テーマがあります。その専門家であり、国際会議開催場所の選定に影響力を持つ人をJNTOは「MICEアンバサダー」として任命し、誘致活動の協力をお願いしています。2022年の「世界計算力学会議」は日本で開催されることになりましたが、その誘致活動に貢献したMICEアンバサダーへのインタビューです。
東北大学 寺田賢二郎教授に世界計算力学会議の誘致成功を聞く

「地域」の視点。各地のビューローはMICEの受け入れ態勢をアピールすべく説明会やセミナーなどを積極的に開催しています。
横浜MICE説明会レポート:前編 パシフィコ横浜ノース20年5月中旬から利用開始
MICE集客に向けセミナーを実施 八王子観光コンベンション協会
MICE国際観光都市実現に向けアイデア募集~~愛知県が都内で説明会~


 

各ポジションの役割、イメージできましたか?「MICE業界」「MICE産業」と呼ぶ場合、主に運営・サポート・会場・地域に属する企業を指しています。そして「国・地域」と「会場」の“MICEを受け入れる側”の視点はMICE産業を説明する上で非常に重要な視点で、MICEに関するニュースや情報の多くはこの視点から語られていることを覚えておいてください。

※主催について…MやEでは主催を生業としている企業が存在し、一年中開催に関わっています。このような主催者はMICE業界に属していると考えて良いでしょう。一方で例にあげた「国際ABC学協会」のような業界団体・専門団体は1年のうち数日間の期間しか開催に関わっていないのでMICE業界に属しているとは言い難いです。

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