イベントやステージ照明・映像機材の最新トレンドを発信 ProLight & ProVisual 2020

2月19日から21日の3日間、「ProLight & ProVisual 2020」が東京ビッグサイトで開催された。ステージやコンサート、イベントなどの照明や映像関連機材を扱うメーカー・代理店・レンタルが一堂に集結。8社の出展の模様をレポートする。



▽インフィレッド・ジャパン

8月に日本法人を立ち上げた同社は、ライティングジャンルの顧客の取り込みを図るため出展。イベント向けの製品を中心にPRを行った。新製品のXシリーズは内側外側20°曲げることができるLEDパネルで、フラットなパネルとしても使用可。

 

▽映像センター
誤差0~1㎜で制御が可能なビジュアルモーションコントロールシステム「Kinesys」を軸としたステージでブースを演出。チェーンによるパネルの上下や、ムービングLEDパネル「Wing Panel」による傾きや回転などを組み合わせ、映像と動きによる演出を提案した。

 

動画

▽テクノハウス
海外機材の輸入代理業を事業とするテクノハウスは、イベント来場者と出展者両方へのPRを視野に出展。取り扱う機材の魅力を確実に伝えるため、シンプルなブースの作りで展示会に臨んだ。
ブースでは、カナダ・Theatrixx Technologies社製の信号変換コンバータを紹介。頑丈に設計されており落下にも強く、トラスに吊り下げも可能。また底面のマグネットにより積み重ねて設置できるほか、滑り止めのゴムパッドも施されており、あらゆる場所に取り付けられる。

▽エルテック
学生に向けて企業をPRするため、インパクトのある機材で存在感のあるブースを作り上げた。球体のスクリーンに2か所のプロジェクターから映像を投影したほか、入り口の3重のトラスにLEDパネルを設置。また軽量化されたバルコ社製2万1,000㏐プロジェクターや、床面LEDなどの新製品も多数展示した。

▽東京舞台照明
前回までは水を使った実演デモを大々的に行っていたが、今回はブースの雰囲気を一新。おしゃれなカフェのような居心地の良い空間で、飲み物を片手に落ち着いて話をしたり、導入事例の紹介映像を眺めることができた。
これは東京舞台照明のトータルプロデュース力を表現したもので、顧客の「こうしたい!」という要望を叶えることに重きを置いたもの。担当者は「東京舞台照明の仕事は物を売って終わりではない」と話す。
ブース内のステージでは全天候型のムービングヘッド「GLX IP」を参考出品。ハイパワー1050W白色LEDを光源に採用した、IP対応のもので、アリーナやドームクラスにも対応できる力強さをアピールした。

▽タケナカ/アークベンチャーズ
LEDパネル、床面LED、ディスプレイ、ムービングライト、プロジェクターなどをさまざまな機材と技術を盛り込み、ステージを中心とした演出を採用。トータルソリューションでの提案力を来場者に示した。ステージ内では、モーションキャプチャーを使ったバーチャルアバターで音響システム「イマーシブオーディオ」を紹介。担当者は「立体的な音響の効果がわかりやすいよう、床面や正面ステージの映像を音楽と連動させた」と話す。
イマーシブオーディオは、円状に組まれたトラスにスピーカーを吊り、立体的な音響効果を生み出すもの。スピーカーの設置位置が固定されていた従来のサラウンドシステムとは異なり、好きな位置にスピーカーを設置できる点も特徴となっている。
ステージの後、位置センサーと映像によるリアルタイムトラッキングシステムのデモンストレーションを行った。

▽西尾レントオール
「イベント総合EXPO」への出展に引き続き、eスポーツ向けソリューションを、主催者や中継関係者に訴求。ブースはeスポーツ大会の会場全体をイメージして構成した。
映像機材だけでなく、すべての備品レンタルをワンストップで対応できる強みをPRするため、自社トレーラーを用いて、中には操作卓を構築。
また、eスポーツ中継に必要な機材をすべてラックに収納した、レンタルパッケージ「e-S RACK」を提案。スタジオ設備のない場所での中継を可能にする、LANケーブルが1本、最大12人のゲーム画面をマルチビューできるなどの強みから、今後のeスポーツ需要拡大と合わせ活用に期待がかかる。

▽パナソニック
新製品5万㏐プロジェクターと大型プロジェクションスクリーンを展示。東京2020オリパラや大型イベント、野外での大型プロジェクションマッピングなどでの活用を目指す。
前モデル3万㏐から5万㏐とおよそ2倍の輝度を持ちながら、前モデルとほぼ同じ設置面積を維持。物流コスト削減や現場の省人化などが見込まれる。また赤色レーザーと2種の青色レーザーを搭載し、高い色再現性を可能にした。すでに中国やアメリカといった海外で購入が進んでいるという。
加えて「ムービングミラープロジェクション」を参考出品。高速ムービングミラーを使用したプロジェクションマッピングを新しい演出手法として展示、活用方法を模索した。