豪政府、ビジネスイベント業界へ約38億円を投入

オーストラリア政府は9月11日、新型コロナウイルスが与えた経済的影響のうち、特に打撃を受けている業種や地域、コミュニティに向け約773億円(約10億豪ドル)をかけて支援する取り組みの一環として、ビジネスイベント業界に対し約38億円(5000万豪ドル)を投入することを発表した。小間料金や、ブースの設計施工、出張にかかる費用など、出展に関連する費用を助成金で補うことでオーストラリアで開催するビジネスイベントへの参加を促す。

 

助成は事前申請によるもので約77万円から約1930万円(1万豪ドルから25万豪ドル)の経費を最大50%まで支援する。対象となるビジネスイベントは豪政府が定めた優先産業の大規模BtoBイベント。コロナの制限によりイベントがキャンセルされた場合、払い戻し不可の金額も政府が全額負担する。

スコット・モリソン豪首相は、約2兆7823億円(360億豪ドル)を生む収益性の高いオーストラリアのビジネスイベント産業が、新型コロナウイルスの影響により事実上停止したと述べている。今回の支援についてはビジネスイベントの再開が観光産業の回復にとって非常に重要な部分であるとして、経済全体に大きな波及効果をもたらすと期待を示し「主催者や会場だけでなく、宿泊施設や設営、ケータリング、清掃、音響映像など、幅広い企業と働く人をサポートする」とコメントしている。

発表ではインフラ・運輸・地域開発大臣や、豪州貿易・観光・投資大臣、産業科学技術大臣も支援へ期待の声を寄せており、

副首相のマイケル・マコーマック インフラ・運輸・地域開発大臣は「多くの国際見本市が当面の間手が出せない状況にあるが、今回の支援で地元企業がよりコストを抑えて簡単に国内イベントへ参加できるようにすることで新規獲得の機会が生まれる可能性がある」と述べた。

またサイモン・バーミンガム豪州貿易・観光・投資大臣は、今年のビジネスイベントは約95%がキャンセル・延期され業界が大きな打撃を受けていること、そしてイベントが戻ることで約23万人が携わる観光産業が助かるとして「出展参加の奨励することは、国内のイベント関連企業がイベントの計画を進めるうえでの不安を払しょくするものになる」とコメントを残した。

カレン・アンドリュース産業科学技術大臣は資金投資により企業の回復力も高まると述べ、「多くの豪州企業はパンデミックの開始時に経験したショックを防ぐために、サプライチェーンの強化を図りバイヤーセラーをお互い探している。見本市や会議を通じて企業同士がつながり地元のサプライチェーンを構築・拡大することで、広範なコラボレーションにつながり、国力を高めることができる」とメッセージを発信した。