開催レポート&インタビュー 新しい時代のクリエイター・ブランドとバイヤーの出会いを創出する rooms41

アッシュ・ペー・フランスは2020年10月15日から17日までの3日間、インテリアや雑貨、アートが集結する「rooms41」を新宿住友ビル三角広場で開催した。コロナ禍により初のハイブリッド開催となった今回、オンライン展示会を2020年9月10日から12月10日の期間で展開。そこで開催結果の分析と今後の目標について、ディレクター・石塚杏梨氏に話を聞いた。


■コロナ禍でのイベント開催
―今回の開催結果について教えてください

リアル会場への来場者数は1万4500人でした。前回の来場者数が約2万人だったので、およそ70%という結果となりました。来場者をバイヤー・メディア関係者・その他・一般という分野で区切ってカウントしていますが、今回減少したのは主に、その他と一般の分野であり、バイヤーは微増しました。
通常、首都圏からの来場者と地方からの来場者の比率は7:3ほどですが、今回は首都圏が大多数を占め9:1という結果になりました。これは地方のバイヤーが出張を禁止されているために、来場できない状況であったためですが、一方で会社として出張を禁止されているために個人として来場するバイヤーもいました。このように、目的を持った本気度の高いバイヤーが多く来場していた印象です。

rooms41 リアル会場のようす

―オンライン展示会はいかがでしょうか

オンライン展示会には120ブランドが参加し、そのうち6割はリアルでも出展しています。会期中3カ月のPVは15万、ユニークユーザーがおよそ1万2,000人、その中でメンバー登録を行い、個人情報を入力してくれた人が3,000人でした。
オンライン展の来訪者の特徴としては、東京のユーザーが46.6%、残り53.4%が地方からの訪問でした。リアル展示会に比べると、地方の割合が高い結果となりました。

■オンラインの情報発信の方法を模索していく
―初のハイブリッド開催を振り返って、ハイブリッド開催についてどのように捉えていますか

会期前にオンラインで出展者の新製品をチェックしたり、会期中はガイドブック代わりにしたりというような利用方法が多く、オンラインはリアル展を補助する機能として優れていると感じました。
各社ブランドのページにはテキスト・動画・写真を掲載し、よりバイヤーに伝わりやすく構成したため、情報を補足してくれるオンライン展示会の長所を生かすことができました。普段のブランドの公式サイトやSNSのリサーチだけでは拾いきれない情報も、「rooms」では提供できたと自負しています。
また新たな試みとして、動画を利用した企画を行いました。1分ほどの動画でクリエイターたちが制作にかける思いや、制作環境について動画にまとめてもらい、プロによる編集を施し、公式のyou tubeのチャンネルで配信するものです。今後、動画は必要不可欠なマーケティングツールになっていくと考えており、企画によってクリエイターたちが動画に触れる機会を提供できたかと思います。

rooms ONLINE

―出展者や来場者からの反応はいかがでしたか

「さまざまな分野のバイヤーが自分たちのブランドを見ていることが分かった」、「販路として設定していなかった分野から声がかかった」といった声が多く挙がりました。
Roomsオンラインでは、どういう人が自分たちのブースを見たか、どういう人が自分たちに興味を持っているかを可視化できるシステムが、出展者には好評でした。

しかし出展者側の期待感と来場者側の声には、まだギャップがあります。会期後のアンケートでは、バイヤーはオンライン展に対し、およそ8割から9割が「期待通りだった」「期待以上だった」という声が多いのに対し、出展者は約3.5割が「期待以下だった」と回答しており、満足度が少し低い結果となりました。この結果を受け止め、今後の情報発信の方法と機能の更新、サービスの追加を考えていかなくてはなりません。

出展者は一番に費用対効果を考えます。例えば15万円の出展料を払ってオンラインに出展したとして、受注の結果だけを出展の効果と考えるのは、非常にもったいないと思います。受注に限らずOEMの発注や、百貨店のポップアップにつながる可能性もあるからです。今後は受注以外の効果を主催者として、もっと出展者に提供し、PRしていく必要があります。さまざまな商売のチャンスを広げる場としてオンラインを活用してほしいです。

■揺れ動く時代を生きるクリエイターに寄り添うために
―これからのroomsの目標についてお話しください

大量生産品やすでに市場に出回っているもののように、明らかにどんな特徴のものかわかっているものならオンライン上だけで問題ありません。しかし、roomsで紹介している商品はアート作品や一点もののように、最終的に発注する際には実物をチェックが必要なものばかりです。そのため、リアルで実際の商品を確認できる機会が必ず必要です。

ただ、その機会が必ず合同展示会である必要はないと思っています。ショールームやそのほかのイベントの形式も視野に入れ、柔軟にクリエイターやブランドをサポートしていきます。例え今後も実際のイベントが開催できない時期が続いたとしても、オンラインでサンプルをチェックできるシステムを導入するなど、状況に合わせた細やかなニーズと出展者サービスを大切にしながら、時代に振り回されない進化を目指します。
コロナ禍で価値観もマーケットも大きく変わる中、全く新しいクリエイターや作品とバイヤーとの出会いを創造することが、私たち「rooms」の役目です。