バーチャルマーケット主催のHIKKY、NTTドコモから65億円を調達

舟越靖氏
三ケ尻哲也氏

VRサービスの開発を手掛け「バーチャルマーケット」を主催するHIKKYは11月15日、NTTドコモを引受先とした第三者割当増資により65億円を調達したと発表した。

両社は10月20日に資本・業務提携も締結。HIKKYによると、今回の資金調達によるNTTドコモの株式保有率は経営における意思決定への影響は発生しないレベルのものであり、資金調達後もHIKKYの独立性が維持される。また、NTTドコモとバーチャルマーケットに直接関わらない約束を結んだという。

調達資金はHIKKYが開発するスマホおよびPCブラウザ上で動くVRコンテンツ開発エンジン「Vket Cloud(ブイケット クラウド)」を始めとしたVR関連サービスの開発体制の強化、同エンジンを用いたオープンメタバースの開発・運営、バーチャルマーケットやVket Cloudを含むVRサービス事業の国内外への拡大、組織基盤強化などに充当する。

HIKKYではメタバース開発において、プラットフォームや特定の「ワールド」「ルーム」といった制約にとらわれないサービスを目指す。また、VRコンテンツは現状参入障壁が高いことから、独自ドメインでのコンテンツ開発や、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)のような専門性の高いデバイスやアプリからの脱却も図る。

今回の提携についてNTTドコモ 執行役員 ビジネスクリエーション部長 三ケ尻哲也氏は「ドコモのXR事業をさらに拡大、進化させ、リアルとデジタルがシームレスにつながるさまざまな体験を提供し、ともに世界を変えていくことができるよう努める」とコメント。HIKKY CEO 舟越靖氏は「NTTドコモ、NTTグループ各社の通信インフラをはじめとしたさまざまな技術、研究機関、世界的なネットワーク等を活用させていただきながら、独自のメタバース事業をさらに加速させていく。同時に、NTTドコモへはXRにおけるサービスや技術、コンテンツ制作などの提供を行っていく」としている。