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【JEPC若手座談会】 創立記念行事合同企画 ~イベントの現場から未来を覗いて~その2


誰かを喜ばせると自分も嬉しくなれる

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―イベント業界で働こうと思ったきっかけは何ですか

田中 私の場合、イベント業界という存在を入社してから知りました。事前にホームページに記載された業務内容を見て「イベント設営って何だろう」という疑問は持っていたのですが、実態は働きながら少しずつ分かってきた感じです。学生時代に東京ビッグサイトで展示会の手伝いしたことや、地元の祭りを手伝ったことはありましたが、それが仕事として確立しているなんて想像もしませんでした。

山本 私は単純にイベントが大好きという気持ちでこの業界に入りました。学生時代から文化祭などのイベントに参加するのが好きで、参加しているうちに自然と企画をする機会も増え、せっかくなら仕事としてやってみたいと思うようになりました。昨年までは地元の栃木で小学校の教師をしていたのですが、代表との出会いもあり、いろいろな世界を見てみたくて一歩を踏み出しました。今はイベント業界とはどのようなものか、日々学んでいます。

池澤 私も山本さんと同様で、イベントが好きという気持ちによるものです。6歳の時に父の影響で「欽ちゃんの仮装大賞」に出演したことがあり、近所の友達から「凄かった」とか「面白かった」という反響を貰えてとても嬉しかったのを覚えています。自分が何かをすることで周りの人間が幸せになってくれれば、それに勝る喜びはありません。その頃から文化祭や運動会などの行事には積極的に参加し、盛り上げていくというのが自分のルーツになりました。
進学してイベントビジネスを学んでからはさらに魅力的だと思うようになり、「数多くのイベントを通じて日本文化の理解や社会貢献、大好きなスポーツを社会に広く発信していきたい」と思いこの業界を選びました。今は自分の選択に間違いはなかったと満足しています。

水嶋 学生時代に土日に働けて日給でもらえるイベントのアルバイトをしてみようと思ったんです。最初の現場で、多くの芸能人を見かける非日常的な経験がとても刺激的でした。また、コーヒーメーカの商品PRイベントに参加した時には、お客さんが喜んでいる姿をダイレクトに感じることができて、「誰かを喜ばすことで自分もこんなに嬉しい気持ちになれるんだ」と気づき、イベントに魅了されました。

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【JEPC若手座談会】 創立記念行事合同企画 ~イベントの現場から未来を覗いて~その3

仲間の輪がどんどん広がっていく

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―イベント事業のやりがいや難しさについてお聞かせください。また、楽しかったり充実している瞬間はどのような時ですか

山本 イベント業界の楽しさは、人との出会いの機会が多いことだと感じています。ここ数カ月を振り返るだけでも、大勢の方と知り合うことができました。出会った瞬間は分からなくても、そこから新しい仕事につながっていたり、地域同士を結び付けたりと、私の行動次第でいろいろな可能性をつないでいけるというのは、とてもやりがいのある仕事だと思います。自分でイベントを動かしているので全体のタイムスケジュールを調整したり、逆算してリハーサルなどを組まなければいけないのは大変ですが、苦労して作り上げたイベントを楽しんでくれているみんなの顔を見たり、時には自分も参加してしまって思いっきり楽しんでいます。

池澤 自分が手がけたイベントが全国テレビで生放送されたり、翌日の新聞の1面に出たりとスケールの大きさを味わえるのはこの業界ならではの特権だと思っています。また、イベントを通じて顧客や来場者との一体感を感じることも大きな魅力です。やるからには常にしっかりしたものを作りたいと思っていて、新人の頃はその思いの大きさに振り回され、空回りしてしまうこともありました。良いものを作ることはもちろん大切ですが、会場条件や制作物管理・安全性の確保をはじめ、多くの要因をクリアしてイベントをつくり上げていくといった状況の中で、顧客のニーズに応え「イベント全体を上手にコーディネートしていく」ということが重要、と最近になって思えるようになりました。イベントは天候などその時の環境によって大きく姿を変えるので、まったく同じイベントというものは2つと存在せず、マニュアルをその都度変更するなど臨機応変な対応が求められる点で非常にシビアではありますが、その分苦楽を共にした仲間との絆は強く、仲間の輪がどんどん広がっていくのが楽しみだったりします。特にイベント業界は業務領域が広範であることから、特定の業種にとらわれず仕事ができることも魅力的です。

水嶋 正直に言うと、性格的にやりがいや楽しさより力不足ゆえの後悔が先に立ってしまいがちです。常に狙っているのは100点なのですが、それが顧客にとっても100点になるというのは凄く難しい。絶対的な数値や評価が見えにくいのも一因かもしれません。逆に顧客から良かったと褒められても、自分が満足できていないということも多々あります。毎回毎回反省して、次はより良いものを作ろうと切磋琢磨しています。あえてやりがいを挙げるとしたら、その悔しい思いをバネに成長できているという実感でしょうか。
また、楽しさとは少し違うかもしれませんが、イベントを通じてさまざまな会社の方と仕事をして「この人すげぇ!」と刺激を与えてくれる人と出会う確立は高いと感じます。イベントと一括りに言っても幅広い業界で、さまざまな経験を積んでいたりする人が社内でも大勢いて、なおかつ個性が強くキャラも濃いので、いやがおうにも刺激を与えられます。私の場合は真っ向勝負しても勝てないと思っているので、メディアという自分の強みを活かして先輩たちがやってこなかった別のもので勝負しようと考えています。

田中 顧客から場所と内容をいただいた際、現場に見合った人数やスタッフを手配できるかどうかは経験に左右されます。顧客が真に希望していたスタッフを手配できたと感じた瞬間に、やりがいや充実を感じます。難しい点は、近年の人手不足で思うようにスタッフを手配できないケースがあることです。イベントは大抵、GWや夏休み、年末年始など年間行事とスケジュールが重なるので、特に全国的な現場をご依頼頂く際、地方の人手が足りていなくていつも苦労しています。ここ数年、私が入社してからは常にアルバイトスタッフ確保に奔走しているのが現状です。

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【JEPC若手座談会】 創立記念行事合同企画 ~イベントの現場から未来を覗いて~その4

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―将来について、どのような目標や展望をお持ちですか

池澤 前職で培った経験と前向きに挑戦する姿勢で、今後はイベントだけにとどまらずTVやCMといったメディアを有効活用し、さらに大きなフィールドで顧客の要望に応えていきたいです。それと、デジタル化が急速に進む現代だからこそ社内外を問わず人との接触を大事にし、広告代理に必要な知識を蓄えると同時に、口コミから生まれるような「生きたイベントの熱気」をより多くの人に伝えていければと思います。

水嶋 まずはプロとして確かなクオリティを提供していきたいですね。今はイベントや映像やウェブなどの制作が簡単にできる時代だと思っているのですが、それは同時に質の低下にもつながりかねない。たとえば一般の方がスマホで撮った映像をアップするだけでも、楽しい映像コンテンツとして成り立ってしまう。けれどやっぱりプロの映像と比較するとクオリティは雲泥の差で、楽しさの先にある感動を与えることはできない。そのラインを差別化するためにも、われわれがプロとして常に高い水準を意識しなくてはいけません。
もう少し将来的な話だと、文化や話題性を発信する第一人者になりたいです。たとえばイベント情報の発信ひとつとっても、TVや新聞での告知記事からインフルエンサーによるSNSでの拡散といったようにどんどん変わっていて、しかもその流れが徐々に早くなっている。少し前まで話題だったプロジェクションマッピングも新鮮さに欠けて、今やVR(バーチャルリアリティ)に移っている。じゃあ次は何が来るのかと聞かれたときに、自分が最先端を発信できるようになっていたいんです。そのため、日ごろから常にアンテナを張っていようと心がけています。

田中 全国に人材をしっかり確保できるようにしたいです。その上で、スタッフ個々の特技・技能・個性をいかした業種の細分化も考えています。スタッフには働きやすい現場提供と、ベテランが新人育成につながる環境も考慮しつつ、顧客のニーズに応えていきたいと思います。

山本 私は何よりもまず、自分の仕事で地元の栃木を盛り上げて、栃木も会社も大きく発展させていきたいと考えています。3年後には「栃木で有名なイベント事業部の山本」になるという夢があります。夢の実現のためにも、今はひたすらに経験を積んでいくつもりです。

―ありがとうございました。皆さんのますますの活躍に期待しています

座談会を終えて→

【JEPC若手座談会】 創立記念行事合同企画 ~イベントの現場から未来を覗いて~座談会を終えて

座談会を終えて

日本イベントプロデュース協会の原田豊和氏(コーディネーター)

当協会会員4名の座談会であったが、それぞれが第一線で活躍し、重要なポジションにいる世代である。職業柄というべきか、常に品質の向上、業務の効率性の追求を目指していることが多々うかがえた。変化の激しい世の中で、近い未来を見据えてのニーズを捉えた企画を提案出来るかということが課題であることも確かであった。

もっともっと業界として創造的であってもいいのではないかと最近思う。職人的に業務をこなし、なおかつ“ぶっ飛んだ”企画も提案できるような人材が求められているのではないか、社会からイベントに対して求められている質感の変化が理由ではないかとも考える。

当協会設立時より関与している先輩の話だが、設立当時は「イベント」に対する社会の認識がきわめて乏しく、今日のように社会全般で頻繁にイベント用語が使われている状況を見ると、隔世の感があるとのこと。当協会は今年11月17日に創立30周年記念行事を行なうが、多くの方々にご出席いただきたい。

スポーツ施設に関わるプロが集結 ~展示会とコンファレンスが日本初開催”Stadia and Arena”~

ALAD社(英国)は日本で初開催となる、スポーツ施設に携わる世界のプロフェッショナルが集う展示会とコンファレンス「Stadia and Arena Asia Pacific 2016」を9月26日から28日までの3日間、横浜アリーナで開催する。
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1997年にイギリスで誕生した「Stadia and Arena」は、スポーツ会場運営のノウハウやテクノロジーが集結するほか、文化などの交流の場として高い評価を受け、毎年開催されている。2019年開催予定のラグビーワールドカップ、2020年東京オリンピック、2021年ワールドマスターズゲーム、そして2026年アジア競技大会の候補地として愛知県が名乗りを上げるなど、日本におけるスポーツ施設需要の高まりや、スポーツ競技界からのニーズにより日本での開催が実現した。

スポーツ施設の新設に伴う情報収集や2020年に向けて老朽化した施設のリノベーション、施設の充実した整備方法の模索、遊休地の活用、施設経営の黒字化、人材育成の強化、施設利用の向上などの課題に対し、さまざまな提案を行なう展示商談会とコンファレンスを行なう。また今回の会場となる横浜アリーナをはじめ、近隣のスポーツ施設を見学するツアーも実施する。

出展対象はスポーツ施設設備・機器、グランド整備機器、建築・設計、プール設備・機器、そのほか施設管理システムやトレーニング機器、保険などで、来場対象は国内外のスポーツ施設オーナー、施設指定管理者、スポーツ競技協会・団体、都道府県・市町村、サプライヤー、建築・設計事務所、官庁・自治体関係者など。

現在、出展者やスポンサーを募集中。
出展やスポンサーに関する問合せはスペースメディアジャパンまで。

展示会:Stadia and Arena Asia Pacific 2016
WEBサイト:http://saevents.uk.com/
会期:2016年9月26日~28日
会場:横浜アリーナ

「見本市展示会通信」第732号 2016年6月15日発刊 より一部抜粋

【海外NEWS】コンテンツマーケティングのイベント ~今年も米国オハイオ州で開催~

「コンテンツマーケティングワールド(Content Marketing World)」が9月6日から9日の4日間、米国オハイオ州・クリーブランドのHuntington Convention Center of Clevelandで開催される。
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これは、コンテンツマーケティング分野の最新テクノロジーやノウハウを学び、ネットワーキングを構築するためのイベント。毎年開催しており、昨年(2015年)は世界約50ヵ国から3,500人のマーケターが集結した。
会期中は、世界のマーケターを中心に80セッションの講演、ネットワーキングイベントなどが実施される。
その他、詳細はWEBサイトまで。

展示会:コンテンツマーケティングワールド(Content Marketing World)
会期:2016年9月6日-9日
会場:米国オハイオ州・クリーブランド Huntington Convention Center of Cleveland

【EventBiz特集】
ごみを「拾ってキレイ」にする時代は終わった!?
~あるボランティア団体が仕掛ける「拾わなくてもキレイ」にする仕組みとは~

ピーオーピー発行の季刊誌「EventBiz(イベントビズ)」は、イベントビジネスに関する情報を発信している。5月31日発行ではサブタイトル“食イベントのレシピ”と称し、食にまつわるイベントを支える人たちに焦点を当てた。その1つのテーマを、ここでは全編公開する。

不特定多数の人々が集まるイベントで出る大量のごみ。特に食のイベントでは
トレーや割りばし、ペットボトルなど、より多くのごみが排出される。
「肉フェス」など大型イベントで活動するNPO iPledge(アイプレッジ)のプロジェクト「ごみゼロナビゲーション」から、環境対策へのアプローチやごみ対策の可能性を探る。

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◆ピースフルなイベントでみたものとは

プロジェクト「ごみゼロナビゲーション」を行なうNPO iPledge は、設立が2014年と新しい団体だ。だが、このプロジェクト自体の歴史は長く、およそ20年にわたる。1994年、まだ〝フェス″という呼称になじみのない頃、羽仁カンタ現代表やメンバーはいち来場者としてレゲエ音楽イベントに参加していた。平和・平等を謳うレゲエだが、会場ではごみの散乱など、来場者のマナーのなさが目立ち、実情はそのイメージとはかけ離れたものだった。その後、この状況に疑問を抱き、イベントの運営事務局に問い合わせたことがきっかけとなり、国際青年環境NGO A SEED JAPAN のもとプロジェクト「ごみゼロナビゲーション」が始動することとなった。

◆環境への取組みを意識すること、させることの重要性

<“ナビゲーション”のこだわりから見えるプロジェクトへの思い>

ごみゼロナビゲーションは、「来場者参加型」のしくみをつくる〝イベント環境対策プロジェクト″と謳っており、プロジェクトそのものが生活の中における分別の啓発活動としての一面を持っている。自発性がなければ人は動かないのである。

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事務局長の濱中聡史氏

事務局長の濱中聡史氏は過去に苦い体験をした。

とある会場でごみ拾い活動をしたことで、来場者に「誰かが拾ってくれる」という考えが出てきてしまい、ごみの散乱を抑えきれなかったのだ。

スタッフがごみを受け取って分別を行ない、来場者が分別してもらう側(=受け身)となってしまうことはごみの散乱の延長線上にあるのではと考え、最後まで自分の手でごみを分別することの大切さに気付いたという。

「普段ごみ箱の前に人が立って分別を指示されることはないでしょう。でもイベントの時にナビゲーションされ自分で分別すると、日常でも意識するようになる。私たちの活動はイベントが終わっても環境に対する意識を持ってもらうということを目的としています」(濱中氏)。

環境対策への近道は、ごみを拾うのではなく、拾う必要のない状態にする仕組みづくりであり、それはイベント以外の場所でも同様に必要と言える。

<ボランティアが機能するために>

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会場にはエコステーションが設置され、ボランティアスタッフは分別のナビゲートやごみ袋の交換など、その場の管理を行なう

通常イベントスタッフを募集するときの雇用形態は、派遣スタッフやアルバイト、無償のボランティアなどさまざま。コスト面を考えるならばボランティアだが、スタッフの質を考えるならば対価を払って、と悩む主催者も少なくないだろう。ではなぜ、ボランティアスタッフをメインに活動しているNPO iPledge に声がかかるのか。
何となく〝ボランティア″という言葉に魅かれただけで参加をすると、そのモチベーションを維持することは難しい。イベントでのボランティアということで華やかな仕事を想像して応募したものの、与えられた仕事がごみの担当だった、ということでモチベーションが下がる場合も多々あるだろう。無償だからこそ、モチベーションが仕事のクオリティに直接影響する。そしてスタッフの仕事ぶりは来場者にとっても、直接イベントのイメージに関わることもあるため軽視できない。

そういった理由から主催側がボランティアをスタッフとして活用することを不安と考えるのは無理もないことだ。

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スタッフのナビゲートに従い、トレーを適切なごみ箱へ入れる来場者

しかし、募集しているのが環境問題対策として活動や思いを訴えている団体であれば話は変わるのではないか。環境問題に意識が高く、このプロジェクトに賛同する人を最初からごみの担当として募集すれば最適なスタッフをコーディネートできる。NPO iPledge はボランティアの課題として挙げられるスタッフのモチベーションの問題を、応募の前の段階である動機づけが重要と考え、〝イベント環境対策プロジェクト″という活動に対する思いや熱意を掲げることで解決した。

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表紙

→この企画は季刊誌「EventBiz(イベントビズ) Vol.3」より抜粋

そのほか、イベント現場におけるトイレ事情や、ユニットハウスやキッチンカーを使った出店状況の変化などにフォーカスしてます。

【EventBiz特集】
ごみを「拾ってキレイ」にする時代は終わった!?
~あるボランティア団体が仕掛ける「拾わなくてもキレイ」にする仕組みとは~

◆出るごみを最小限にするために

図濱中氏は取り組むべき課題もまだまだ多いと語る。

プロジェクトでは「出たごみへの対策はもちろんだが、出るごみを減らすことが重要」という考えから、マイ食器の持参やリユース食器の使用を推奨している。これらはすでに、この考えに賛同したアーティストのライブイベントなど、さまざまなイベントで導入され多くの実績を残している。

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ペットボトルのラベルをはがす来場者。スタッフでなく、捨てる人が自らの手で分別を行なう

膨大な食器の数に対応するための設備やシステム等が追い付いていないこともあり、食イベントでの実績はまだまだだが、今後は設備やシステムの充実を図り、活用の幅を広げる見込みだ。また、食イベントではトレーなどの容器ごみだけでなく、食べ残しなどを含む生ごみも大量に処理しなければならない。レストランなど、継続的にごみが出る場合は集荷ルートが確保されているが、イベント開催時の短期間のみで回収を依頼するとコストがより大きくなってしまう。生ごみ堆肥や飼料として処理するなどリサイクルの方法はあるため、イベント時の分別とその回収をいかに効率的にするかが課題という。

現在、このリユース食器の導入と生ごみの処理を目下の課題として挙げ、改善策を模索しているNPOipledge。今後もさまざまな問題と向き合い、環境に配慮しながらもイベントに来る人が楽しむことができるアイデアを作り出していくだろう。イベントのジャンルを問わず活かすことのできるこの取り組みや姿勢は、より高い環境意識が問われる昨今、目が離せないものとなった。

⇒リユース食器に関する記事はこちら

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表紙

→この企画は季刊誌「EventBiz(イベントビズ) Vol.3」より抜粋

そのほか、イベント現場におけるトイレ事情や、ユニットハウスやキッチンカーを使った出店状況の変化などにフォーカスしてます。

4K・8K、防災・減災などケーブルテレビの技術を展示
 ~ケーブル技術ショー2016~

ケーブルコンベンション2016関連イベント「ケーブル技術ショー2016」が7月28日から29日の2日間、東京国際フォーラムで開催される。
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これは、ケーブルテレビの最先端の技術やソリューションが集まる技術展示会。テーマは“ケーブル技術が拓く!未来のCATVネットワーク社会”で、放送サービスの高度化や、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の4K・8K放送など、社会的な要請に対して技術的な情報発信を行なう。

会場では、テーマ展示ゾーンが設けられ、“ケーブルテレビの仕組み”、“8K・4Kケーブル伝送技術”、“高度映像サービス提供技術”、“防災・減災を支える技術”の4つのエリアが展開。

会期中は、伊藤忠ケーブルシステムや富士通ネットワークソリューションズなど、多種多彩な企業から講師が招かれ、技術セミナーが実施される。
そのほか、詳細はWEBサイトまで。

 

展示会:ケーブルコンベンション2016関連イベント「ケーブル技術ショー2016」
会期:2016年7月28日(木) ~29日(金)
時間:午前9時30分~午後6時(29日は午後5時)
会場:東京国際フォーラム

【環境月間特集】イベント活用で回収率80%、ごみの削減に成功したリユース食器<後編>

←<前編はこちら>国内外で広がる導入と成功事例

◆2020年が普及のカギ

lgi01a201402120300リユース食器ネットワーク事務局を運営する(一財)地球・人間環境フォーラムの平野氏は今後のリユース食器普及に向けては2020年の東京五輪がカギとなると話す。

「2012年のロンドン五輪は高いリサイクル率を収め、環境オリンピックとして成功しましたが、リユース食器については残念ながら導入されなかった。レガシー(遺産)を残すことが求められる五輪では、1964年東京五輪は〝経済成長の発展″を残し、2020年東京五輪ではエシカル五輪としてより精神性の高い、環境への取組みや意識を定着させるきっかけを残してほしい。日本人は本来モノを大切にする哲学を持っているので、うまく社会に定着させたい。」と語り、現在も東京五輪でのリユースカップ利用に向けて提案を続けている。

また2020年はCOP21で決定した京都議定書に次ぐ温暖化対策の新しい枠組み「パリ協定」がスタートする年でもあるため、より一層の環境意識が高まることが期待される。

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提供:リユース食器ネットワーク

いかにエコロジーであっても、エコノミーでなければ社会で浸透することは難しいと語る平野氏。課題は経済的な面のアピールだといい、導入数・事例を増加することがコストの削減につながるため、現在リユース食器ネットワークではよりいっそうの働きかけを行なっている。

1998年のサッカーワールドカップフランス大会では観戦後、日本人サポーターがごみ拾いをしたことが世界中に伝えられ、礼儀作法や環境意識の高さが称賛された。2020年の東京五輪では、リユース食器が日本の環境意識の象徴となるかもしれない。リユース食器の普及に向けた取り組みは今後どのような広がりを見せるのか、注目していきたい。

 

【リユース食器写真の注釈として】
(提供:リユース食器ネットワーク)

LCA※で比較すると、CO2排出量と水の消費量は2.7回、固形廃棄物は4.7回、エネルギー消費量は6.3回以上の再使用で使い捨て紙カップより環境負荷の低減効果がある。環境ホルモンの出ないポリプロピレン(PP)製のリユースカップは100回以上の使用が可能(耐熱温度120℃、耐冷温度-30℃)。
※原料採掘段階から生産・使用・輸送・廃棄段階に至るまでを仮定し、製品の一生(ライフサイクル)を通じた環境への影響を定量的に分析・評価したもの

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→この企画は季刊誌「EventBiz(イベントビズ) Vol.3」より抜粋