【政府】2024年問題に向け物流改革の具体的な方針示す

政府は16日、物流の停滞が懸念されるいわゆる2024年問題に向け、高速道路・鉄道・船舶のインフラ革新を含め、2030年度に向けた政府の中長期計画を取りまとめ、発表した。

この計画に基づき、政府全体で産業界とも連携し物流の革新に取り組んでいく。

以下の⑴の法改正については、物流の持続的成長を目標として掲げ、KPIとして施行後3年で(2019年度比) 、荷待ち・荷役時間の年間125時間/人の削減、積載率向上による輸送能力の16パーセント増加を設定している。

<2030年度に向けた政府の中長期計画(主要なポイント)>

(1)適正運賃収受や物流生産性向上のための法改正等

以下について、通常国会での法制化
・一定規模以上の荷主・物流事業者に対する荷待ち
・荷役時間短縮に向けた計画作成の義務付け
・トラック事業における多重下請構造是正に向けた実運送体制管理簿作成、契約時の書面による交付等の義務付け等

トラックドライバーの賃上げ等に向けた貨物自動車運送事業法に基づく「標準的運賃」の引上げ及び「標準運送約款」の見直し

悪質な荷主・元請事業者への監視・指導の徹底(トラックGメンによる集中監視)

(2)デジタル技術を活用した物流効率化

荷待ち・荷役時間短縮に向けた自動化・機械化設備・システム投資を支援

物流標準化やデータ連携の促進等フィジカルインターネット・ロードマップを踏まえた取組を推進し、積載率向上に向けた共同輸配送や帰り荷確保を促進

自動運転やドローン物流等のデジタル技術を活用したサービスについて実装を加速

(3)多様な輸送モードの活用推進

大型コンテナの導入支援等を通じたモーダルシフトの推進強化

自動物流道路の構築(10年で実現を目指す。)

自動運航船の本格的な商用運航(2026年までに国際ルールを策定することにより、2030年頃の実現を目指す。)

(4)高速道路の利便性向上

大型トラックの法定速度を2024年4月に90km/hに引上げ

ダブル連結トラックについて、運行路線の拡充やダブル連結トラックに対応した駐車マス整備を含め導入促進

大口・多頻度割引の拡充措置を継続、法令を遵守しない事業者に対しては、割引制度を厳格に運用

(5)荷主・消費者の行動変容

ポイント還元実証事業等を通じた再配達削減の仕組みの社会実装

「送料無料」表示の見直しについて、2023年度中にその見直し状況を確認するため、フォローアップ調査を実施