五輪に向けイベント持続可能性のセミナー開く ~ 損保ジャパン日本興亜

11月14日、損保ジャパン日本興亜が本社ビル会議室で、「オリンピック・パラリンピックのビジネスチャンスとサプライチェーンマネージメント(国際規格:ISO20121)の実践」をテーマに企業リスクマネジメントセミナーを開催した。

セミナではみずほ総合研究所調査本部経済調査部長の矢野和彦氏が「東京オリンピック・パラリンピックの経済効果とビジネスチャンス」と題して講演した。矢野氏は五輪開催前、会期中、開催後の直接効果による新規需要を、施設整備費4554億円、大会運営費2050億円、観戦客消費2074億円、その他家計消費1212億円とし、経済波及効果は生産誘発額2.5兆円、所得誘発額0.6兆円、雇用誘発20.9万人という試算を明らかにした。直接効果より付随効果がはるかに大きいとし、インフラなどの投資増大効果12兆円規模、経済効果は2~30兆円規模に達する可能性を示唆した。

また、これまでの開催国の例から訪日外国人旅行者数増加に五輪による押し上げ効果が加わるとし、幅広い業種へ消費支出増加の効果が予測されること、とくにMICEやIR産業の可能性について言及した。

続いてBSIグループジャパン営業本部営業戦略推進担当東日本エリア営業部部長の鎌苅隆志氏が登壇。「ロンドンオリンピックにおけるISO20121実践事例や国内外組織の認証事例」について語った。

東京五輪に向けて企業競争力を高めるツールであり、五輪のキーワードであるレガシーが意味する“次世代に伝える”ための認証であることなどを説明。さらにシンガポールのマリーナベイサンズやベネチアン・マカオなどが率先して取得していることから、世界で同認証が注目されていることを示した。

 

 

日本コンベンションサービス事業開発部広報戦略担当の星野昌也氏はISO20121認証取得の経緯と効果について自社の実例を紹介した。星野氏によると、ロンドン五輪やCOP15など国際的に活用されている規格であること、イベントにおける環境・社会・経済面の課題をカバーしていること、サプライチェーンマネジメントにも提供がおよぶことの3点に注目して、同社はISO20121取得を決めた。認証取得までの体制は管理責任者1人、事務局3人、CSR/環境推進委員6人が中心となって取組み、6か月の期間を費やし取得した。多数のイベントを担当する社員が取り組みやすいように、シンプルな文書体系をつくること、多様なイベントを運営するなかで、課題を特定評価することに苦労したという。

認証取得後の効果として、広報戦略を担当する自身の視点から、国内外のコンベンション専門誌や環境専門誌で大きく取り上げられた広報面の効果や、運営するイベントの評価向上、サステナビリティに対する取組み強化をあげたほか、五輪開催を踏まえて、サステナビリティによる差別化とブランド戦略がビジネスチャンスにつながっていくという見通しを語った。

そのほか、SGSジャパンの認証サービス事業部セールス部サステナビリティ担当の一蝶茂人氏、世界トライアスロンシリーズ横浜大会組織委員会事務局長の金子忠彦氏、損保ジャパン日本興亜リスクマネジメントのリスクコンサルティング事業本部ERM部主任コンサルタントの西出三輝氏が講演を行なった。