<主催者座談会>展示会の地方展開を考える

 

イブ UBM社は東京ビッグサイトを中心に多岐にわたるジャンルの展示会を開催しており、大阪でも開催したことがありますがどうしても規模が小さくなってしまいます。そのような中、2009年より愛媛県今治市で「BARI―SHIP」を開催していますが、これは逆に規模を拡大している好例と言えます。

以前から東京で船舶機械を中心とした国際海事展「Sea Japan」を開催していましたが、丁度そのサテライト版の開催を検討しているときに、今治市とその産業界より海事の展示会を開催したいというアプローチがありました。あまり知られていないと思うのですが、今治造船は造船会社として世界5位の規模です。また今治市には新来島ドック社がありますし、四国には多くの船会社(船主)が存在します。

日本で有名なのは日本郵船や商船三井ですが、これらの会社は自分でも船を所有している一方で、多くをチャーターで借りており、そのオーナーが四国に大勢いるのです。東京の海事展にはなかなかこのオーナーたちが来てくれませんが、出展社が本当に会いたいのはこのオーナーたちなのです。ですから、今治市で海事展をやりたいと話があったときは面白いと思いました。

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春山 自動認識総合展は、自治体からの補助がありません。ですから協賛していただけるのは経産省や総務省、大阪ですと近畿経済局、商工会議所などになります。

大阪開催は出展社数が少ないと必然的に来場者数も少なくなるため、ここ数年は縮小傾向にあります。このままでは協会としては経費倒れになるので開催を止めてしまおうか、という判イミングが3年ほど前にありました。しかし一度止めてしまうと戻ることはできなくなってしまいますし、経産省の後押しもあってなんとか続けてきました。ここ最近は来場者数が3000人前後で変わらない数字ですが、東京と比べると規模は約1/4なので、何かしらの助成があればもう少しよくなるのではと期待しています。

しかし会員の中には本拠地が関西の場合もあり、ユーザも全国にいることから、関西でやってくれれば近くていい、という意見もありますので、そのような声に押されて最近はようやく上昇傾向を見せるようになりました。展示会以外に講演会も主催していて、関西で開催すれば聞きに来られる方もいるので、大阪開催への弾みをつける取組みを進めています。