【インタビュー】日本eスポーツ連合、2年目の挑戦へ 浜村弘一氏

日本のeスポーツ産業の振興を目指し、日本eスポーツ連合(JeSU)が設立して1年。世の中のeスポーツに対する認識は大きく変わり、企業や自治体がこぞってeスポーツ大会を開くようになった。日本人選手の世界での活躍も目覚ましく、かつて「eスポーツ後進国」と呼ばれたことが嘘のようだ。もちろん産業は一日にして成らず。その発展をしっかりと支えた JeSU という基盤があったからこそ、今の日本のeスポーツがある。この激動の1年間を JeSU で副会長を務める浜村弘一氏に振り返ってもらうとともに、2年目の展望を聞いた。


日の丸を背負った彼らが、eスポーツを広めてくれた

―JeSU設立1周年、おめでとうございます。この1年間を振り返ってみて今の心境はいかがでしょう

浜村 2018年はユーキャン新語・流行語大賞のトップテンにeスポーツが入賞するなど一般への認知度が非常に上がった年で、JeSUとしても満足感があります。

JeSUは昨年、インドネシア・ジャカルタで開催されたアジア競技大会のデモ競技にeスポーツが採用されたこともあり、日本代表選手の派遣を目標に国内eスポーツ3団体(日本eスポーツ協会、e-sports促進機構、日本eスポーツ連盟)が団結して2月から活動を開始しました。以来、国内のeスポーツ振興のために活動しており、大目標として日本オリンピック委員会(JOC)への加盟を掲げています。

―設立して1年とは思えないほど、eスポーツに関するさまざまな出来事がありました

浜村 濃密な1年間でした。設立直後のプロライセンス発行から始まり、平昌オリンピックでは初の公認eスポーツ大会「Intel Extreme Masters(IEM)」が行われ、5月には2019年茨城国体の文化プログラムとして都道府県対抗のeスポーツ選手権を行うことも発表されました。

そして何より、アジア競技大会のウイニングイレブン 2018部門では日本代表の杉村直紀選手と相原翼選手が見事金メダルを勝ち取りました。これは本当に喜ばしい出来事で、たくさんの方に日本のeスポーツを知ってもらう良いきっかけになったと思います。

「東京ゲームショウ2018」では「第18回アジア競技大会 eスポーツ競技日本代表選手 凱旋報告会」が行われた。左から「ウイニングイレブン 2018」の杉村直樹選手、相原翼選手、「ハースストーン」の赤坂哲郎選手

―「日本代表」が頑張っている姿は、eスポーツファンでなくても応援したくなりますね

浜村 サッカーのワールドカップなどは普段Jリーグの試合を見ない人でも熱狂しますが、eスポーツも同様です。ゲームタイトルごとの大会には興味なくても、世界的な大舞台で日の丸を背負った選手が頑張っている姿を見ると、同じ日本人として応援せずにはいられません。まして金メダルを取ったとなると、不思議と自分のことのように誇らしく思えます。このアジア競技大会で、一気に国内にeスポーツの認知が広まったのではないでしょうか。