寄稿 新型コロナによる展示会延期・中止の影響について 世界の動きは 寺澤 義親 氏_後編

■7.BVEP(英国MICE連盟)
英国のMICEをカバーする連携組織The Business Visits and Events Partnership(BVEP)は700億ポンドの経済効果を持つ英国イベント産業に対する更なる支援を求めてメンバー代表とデジタル・文化・メディア・スポーツ省(Department of Digital, Culture, Media and Sports:DCMS)が参加するオンライン会議を3月27日に開催した

この会議はBVEPが2020年前半6か月で業界は500億ポンドの収入と数千もの雇用を失うと最近発表したのに続きイベント業界への政府支援の継続と実践的な方法について議論
するのを目的に開催された。会議では直面する課題を共有したが主に指摘された事項は以下の通り。

①現在提示されている英国政府の支援策については明快さと公平さが求められている。
②イベント産業への認知強化
イベント業界は政府の声明や手続きにおいてもっと明瞭に認知される必要がある。現在でも多くの支援策においてビジネスとレジャー分野のイベントがレジャーとホスピタリティ分野への支援策においてカバーされていないとの懸念が指摘されている。
③固定資産税の軽減
特に固定資産税の救済案については多くの地方自治体がホスピタリティやレジャービジネス分野を対象とする救済策で特に展示会や会議等のイベント施設を含めるのを認めない状況がある。
④フリーランス、個人事業者、サプライチェーンへの更なる支援
現在の税猶予と共通の融資支援では失われた所得を補償するには不十分なため最近英国政府は個人事業者とフリーランスを支援するために1か月当たり2500ポンドを上限として所得の80 %を支払うスキームを発表している。
⑤現金と流動性について
英国政府の保証されたビジネス融資については事業オーナーが個人保証や債務へのビジネスプランの提出を求められるケースがあるが、これはビジネス助成金を得るのに大変煩わしい。
⑥団体の生存について
業者団体の役割はこのような時期にこそ重要さが増しているのだが、いくつかの団体では一部のメンバーが会費支払いを怠っていたり会費を払う余裕がない状況が発生していることも説明。
⑦支援策の期間について
業界が回復するには自信を持つことが重要として回復に向けての長期計画が現実的なものとなり限られた資源が無駄にならないためにも今のsocial distance政策がいつまで継続されるのかについては業界と緊密な情報共有が求められることを確認。
英国政府はイベント産業と緊密に連携して動く必要があり特にこの業界は全ての対策が不要になるまでは機能するのが難しいこと、さらに回復時には業界はビジネスゼロから開始するのでキックオフ支援や特別なインセンティブが必要になることを理解する必要があると説明。
⑧保証融資と雇用維持スキームについて
保証融資と雇用維持の手続きに関する詳細質問はDCMSから経済財務省に紹介される。スタッフの一時休暇と自主的及び時間単位での休暇取得については多くの確認事項がある。
⑨今年最後の四半期でのビジネスについて
今年前半に予定されていたイベントの74%が延期されているのでこれが後半に開催される場合は適切な会場と、業界キャパに供給サイドの不足を含めいろんな障害が起きる可能性があると説明。

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以上の質問や懸念については参加したスポーツ・観光・遺産担当大臣からTourism Industry Response GroupとTourism Industry Councilにも情報共有されることになった。