「震災に負けない会議誘致」 その2横浜 第44回万国外科学会(ISW2011)開催について(9/12)

「第44回万国外科学会」が、パシフィコ横浜にて8月28日から9月1日まで開催されました。参加者約1,600人、海外からも600人を超える方々にお越しいただき、東日本大震災後に横浜で開催された国際会議で最大規模のものとなりました。

万国外科学会と横浜との関わりは約20年になります。誘致に動き始めたのは、パシフィコ横浜が竣工する前の1990年8月のことでした。その後、数度の敗北や日本の立候補辞退を経てもなお、継続的に誘致活動に取り組んできた結果、2005年のダーバン大会で2011年大会が横浜で開催されることに決定しました。

今学会でも、東日本大震災の影響で横浜開催を検討せざるを得ない状態に陥ったことは言うまでもありません。私たちは、観光庁長官、横浜市長、JNTO理事長へ支援レターを依頼すると同時に、放射能の測定データや危機管理、節電対策など、具体的かつ客観的な情報提供に努めました。その結果、5月3日付で学会は予定通り横浜で開催するとの発表がありました。

また海外の報道では、情報が被災地に偏っており、横浜の情報が不足していたため、安心して横浜を訪れていただけるよう当財団のウェブサイトに「Yokohama Now!」と題して街の様子を写真で掲載しました。更に、5月末に開催された国際会議の市民公開講座をUstreamで生中継するなど趣向を凝らして積極的な情報発信を行いました。

会期中は、国際本部のVIPの成田空港でのお出迎えから始まり、市長の開会式でのご挨拶、コンベンション・サポーター(市民ボランティア)によるホスピタリティデスク、華道や書道の日本文化体験プログラムの無償提供など、横浜の街をあげて「オール横浜」で参加者に感謝とおもてなしの気持ちをお伝えしました。また展示ホール内では、横浜人形の家所蔵の「東北こけし展」を実施。被災地の伝統文化について海外の方にお伝えする貴重な機会となりました。

この「万国外科学会」をはじめ、日本で開催される国際会議に多くの方にご参加いただき、参加者のみなさまがその様子を広く伝えていただくことが、日本のコンベンション復興につながっていくと信じています。主催者様、運営スタッフやサポーターの方々等のご尽力により、会議が成功裡に終了しましたことを深く感謝を申し上げます。(9/13)