「声出し応援」の段階的導入のための運営検証をJリーグ公式試合で実施中

公益社団法人日本プロサッカーリーグは、Jリーグ公式試合で「声出し応援」の段階的導入のための運営検証を行っている。

運営検証は政府の基本的対処方針に基づき6月上旬~7月にかけて数試合で行い、その後、希望するすべてのクラブがガイドラインに基づき声出し応援エリアを導入できるよう進めていく。

対象試合では、実際にガイドラインに従い運営できているかを確認するとともに、国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下、産総研)と協力し、よりよい運営のためのデータの取得を行っている。

産総研は、スタジアムで声出し応援をした時の感染リスクについて、検証前の段階ではJ リーグが声出し応援を段階的に導入する際の試合開催条件(50%以下の収容人員、声出し席の不織布マスク着用、マスク着用率 95%、声出し席の市松・格子配置)の感染リスクは、現状認められている条件(観客が 100%入っている状態で声出し応援なし)の感染リスクを 1 とした場合、0.46 と小さくなり、対策が遵守されれば、リスクが十分に低い状態と評価している。(慶應義塾大学(奥田知明教授)、花王株式会社、株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーと共同で実施した大声時のマスクの飛沫抑制効果の研究成果を活用)

声出し応援エリア/声出し応援席について

・対象試合の観戦席の一角を、座席間隔を広く保った「声出し応援可能エリア」として指定し、指定エリア内の座席(声出し応援席)を購入された来場者に限り、不織布マスク着用のうえで声を出して応援が可能。

・また声出し応援エリアは当面の間、「声を出して応援できること」に特化したエリアとし、食べ物を食べたり、飲酒をする行為は禁止し、エリアの外で行う(但しアルコール飲料を除く水分補給は可能)。

・なお、声出し応援の対象ではない試合や、対象外のエリアの声出し応援は引き続き禁止行為

・詳細は「声出し応援ガイドライン」に記載

来場制限について

・声出し応援エリアの運営検証の段階では、対象試合では感染拡大防止のため全席来場制限を行う。

・政府の基本的対処方針の定めに従い「スタジアム全体の収容率が5000人もしくは50%の大きいほう」を上限とし、さらに声出し応援エリア自体にも人数上限を設ける。

主な調査内容

調査項目 概要 連携
声出し応援エリアの運用状況 ・入場から観戦まで感染リスクの高まる状況なく円滑なオペレーションが提供できているかをレーザレーダー等により調査 産総研
声出し応援エリアの
ソーシャルディスタンシングの把握
・カメラによる撮影およびAIによる解析
・お客様同士の平均距離などを経時的に計測
・拍手や万歳など10種類程度の行動の計測
スタジアム内の密の程度の評価
および換気状況の把握
・声出し応援の観客席を中心として、二酸化炭素濃度計測器による濃度計測
リアルタイムマスク着用率の把握 ・カメラによる撮影およびAIによる解析
・マスク着用率の計測
観客の応援状況などの把握 ・マイクロホンアレイによる計測およびAIによる解析
・声出し応援の計測および音による盛り上がりの計測

※そのほか、試合後のフォローアップとして、来場者のアンケート、体調に関するヒアリングをJリーグが行う