政府 「第七波」と行動制限について見解を発表 換気の重要性も強調

7月15日、岸田首相は、総理大臣官邸で第94回新型コロナウイルス感染症対策本部を開催、議論を踏まえ次のように述べ、行動制限は現時点では考えていないこと、社会経済活動と感染拡大防止の両立を維持していくことを発表した。

・新型コロナの感染が全国的に拡大しており、若者を中心に全ての年代で感染者が増えている

・新たな変異種、BA.5への置き換わりが進む中で、更なる感染拡大に最大限の警戒が必要

・他方、強化してきた医療体制を維持しており、今のところ重症者数や死亡者数は低い水準にある

・病床使用率も、上昇傾向にあるものの、総じて低い水準にある

・病床の確保、高齢者施設における療養体制の支援、検査体制の強化、治療薬の確保など、医療体制を維持・強化しながら、引き続き、最大限の警戒を保ちつつ、社会経済活動の回復に向けた取組を段階的に進めていく

・これまで6度の感染拡大を乗り越えてきた中で、日常生活・経済活動における感染防止への取組、科学的知見の積み重ね、そして医療体制を始めとする政府・自治体の取組など、我が国全体として対応力が強化されている

・まずは強化された対応力を全面的に展開することで、新たな行動制限は、現時点では考えていない

・その一方で、社会経済活動と感染拡大防止の両立を維持するため、世代ごとにメリハリの効いた対策を更に徹底していく

・特に、重症化リスクのある高齢者を守ることが重要

・高齢者などリスクの高い人々を守り、医療提供体制の人員を確保するため、全ての医療従事者及び高齢者施設の従事者約800万人を対象として、4回目接種を行う

・同時に、10代から30代の3回目接種は3割から5割台にとどまっており、これら若い世代への接種も進めていく

また、前日の7月14日の新型コロナウイルス感染症対策分科会では、「第7波に向けた緊急提言」が示された。

その中では「第7波」に対する実効性のある具体策を直ちに実施する必要があるとし、基本的には国、自治体、国民で取組を確実に実施し、一般医療の制限や医療や介護のひっ迫の回避を目指すが、様々な対策を行っても医療のひっ迫が深刻になった場合には、行動制限を含めた強い対策が必要となることもあると述べられている。

また「5つの対策」として以下が示された。

1.ワクチン接種の加速化
2.検査のさらなる活用
3.効率的な換気の提言
4.国・自治体による効率的な医療機能の確保
5.基本的な感染対策の再点検と徹底

また、20代・30代の新規陽性者数が急増しているほか、高齢者施設や学校・保育所等でのクラスターが発生しており、現場では、施設の使用停止や臨時休校、部活動の中止等を行わざるを得ない状況が生じていること、そして、飛沫や換気の悪い場所におけるエアロゾルによる感染が多いこと、子供が感染しやすくなっており、学校等での感染に加え、家庭に持ち帰り、家庭内で感染が拡大する事例が見られていることが報告された。

そして、「三つの密の回避」、「人と人との距離の確保」、「マスクの着用」、「手洗い等の手指衛生」といった基本的な感染防止策のほかに、屋内の換気が重要であるとし、「感染拡大防止のための効果的な換気について」が示された。